第2話【雷魔法】使ってみました。
本日の8時過ぎに第3話掲載予定です。
しばらくブースト予定です。
この空間には何もなかったはずであるが、気付いた時には俺たちの目の前に何故かタブレットのようなものが浮かんでいた。
「こちらは『恩恵』を付与する特殊な装置です。どのような物か具体的に分からないと思うので『説明』をタップして各自で確認してください」
ミカエルの声が響く。
全員が『説明』をタップし、内容を確認する。
因みに内容はこんな感じだった。
・『恩恵』はあまたのスキルを7ポイントまで習得でき、身体能力も強化される素晴らしいシステムである。
・身体能力は地球にいた時の10倍に増幅され、『能力値』として数値化される。自分の『能力値』と『スキル』が合わせて表示されるものを『ステータス』と呼び、『ステータス』は『ステータスオープン』と言う事で目の前に表示される。
・『恩恵』でスキルを選択できる時間は25分とする。それ以上は選択出来ていないとしても、強制的に終了となる。
・選択するときはダブルタップし、『選択項目』の欄に選択した物が記入されていることを確認する事。
・取消時は『選択項目』に記入されているスキル名をダブルタップする事。『選択項目』から名前が消えている事を確認する事。
・不備があれば装置の『不備』をタップしてください。装置を取り替え、時間を25分再び与えます。しかし、不備がないのに選択した場合は不正として『恩恵』を付与しません。
・質問があれば『質問』という項目から行うことが出来ます。ただし、1人1回までとします。
・『説明』を確認したかったら『説明』の項目から再度確認出来ます。
・『説明』を確認し終わったら、一番下にある『次へ』をタップください。
俺は指示に従って、『次へ』をタップする。
すると真っ白なページにとんだ。
中々に分かりやすい説明だった。まあ活字慣れしてない人達は少し手こずる可能性はあるが。
少し疑問に残ることがあるが、そこはやりながら判断しよう。
「全員確認が終わりましたね」
ミカエルの声が響く。
どうやらクラス全員が確認し終わったようだ。
「ならこれから『恩恵』の付与を始めます。最後に1つ。最高のスキルを探してくださいね」
ミカエルがそう言った瞬間真っ白だったタブレットが急に色付いたものになる。時間も上側に表示されていて確認出来るようだ。
――よっしゃっあ! 最高のスキルを手に入れて異世界満喫してやるぜ!
俺は心の中でそう叫んだのだった。
***
俺はまず自分のステータスを確認する。
スキルを早く選びたいけどまずは自分の現状を確認しといた方がいいような気がしたからだ。
――確かステータスは『能力値』と『スキル』が合わせて表示されたものだったよな?
ドキドキしながらタブレットの『ステータス』をタップする。
***
名前:ヒロユキ・オオサコ
種族:人間
レベル1
HP:123
MP:81
物理攻撃:106
物理防御:80
魔法攻撃:82
魔法防御:49
素早さ:87
運:41
スキル
***
スキルの欄が空白なのはまだ習得していないからであろう。
『能力値』はHP、MP、物理攻撃、物理防御、魔法攻撃、魔法防御、素早さ、運の8項目に分かれているようだ。
思ったより項目が多くてビックリした。
「それにしてもここにいる皆がどのくらいのステータスなのか知りたいな。比較対象がいないといいのか悪いのか分からない」
俺は天に向かって呟く。
「まあ、出来ないことを願っても仕方ない。出来る事を1つずつしよう」
取り敢えず今はスキルを探そうと思った俺はスキルのページへ移動したのだった。
***
《スキル》
残り7ポイント
●ここに表示されているスキルは全て1ポイントです。
【火魔法】【水魔法】【風魔法】【雷魔法】【土魔法】【光魔法】【闇魔法】【回復魔法】【毒魔法】【身体強化魔法】【魔法強化魔法】【生活魔法】【召喚魔法】
【ステータス鑑定】【スキル隠蔽】【ステータス強化】【HP上昇】【MP上昇】【物理攻撃上昇】【物理防御上昇】【魔法攻撃上昇】【魔法防御上昇】【運上昇】【MP回復速度上昇】
【アイテム鑑定】【アイテム効果隠蔽】【アイテムドロップ率増加】
【五感強化・弱】【嗅覚強化】【視力強化】【聴覚強化】【味覚強化】【触覚強化】【気配遮断】【索敵】【直感】【真偽】【収納】【近未来視】【暗視】【遠視】【魔力眼】
【剣術】【格闘術】【槍術】【弓術】【短刀術】【投擲術】【棒術】【闘気術】【二刀流】【斧術】【杖術】
【魔法耐性】【物理耐性】【身体異常耐性】【精神異常耐性】
【魔物殺し】【竜殺し】【悪魔殺し】【ゴブリン殺し】【スライム殺し】
【狂化】【瞑想】【精神統一】【自己再生】【中二病】【挑発】【物体会話】【詠唱破棄】【信仰】
『次のページへ』
***
俺は『次のページへ』をタップする。
スキルのページは3ページあり、全て1ポイントで習得出来る事が分かった。
――25分で選びきれるだろうか?
取り敢えず気になったスキルをダブルタップする。すると『選択項目』の欄にスキル名が表示され、スキルの説明も出てきた。
***
【雷魔法】
雷系統の魔法を使う事が出来る。速度と威力に優れた魔法が多い。
【身体強化魔法】
身体能力や自らの能力値を強化する魔法。消費MPは他の魔法よりも少ないとされる。武器や素手をを多用する近接戦闘系を目指す人にオススメ。
【ステータス鑑定】
他人のステータスを確認出来る。相手を目視しなければ使用できない。【スキル隠蔽】で隠蔽されたスキルは確認出来ない。
【スキル隠蔽】
スキルを隠すスキル。【ステータス鑑定】でも確認出来ない。
【自己再生】
自分の傷を癒す事が出来る。常時発動している使いやすいスキルであるが、【回復魔法】の回復速度には劣り他人の傷は癒す事が出来ない。
【物体会話】
生物以外と会話出来るスキル。人と関わるのが嫌いな人にオススメ。声を出さなくても会話出来る。物によって老人の声に聞こえたり、子供の声に聞こえたりする。
***
取り敢えず【雷魔法】を選択した。速度と威力に優れた魔法が多い【雷魔法】は是非使って見たい。
「選択した魔法って、今使えるのかな」
軽い気持ちで念じてみる。
すると手から少しの電気が漏れて、近くにいた黒木の方に流れていってしまった。
「ヤバい、危ない!」
危険を知らせようとするがもう遅い。軽い気持ちで使ってしまったことに対する後悔の念が湧いてくる。
フッ!
しかし、その魔法は黒木に当たる前に雲のように霧散してしまった。
――今のは?
俺の心のうちを察したようにミカエルの声が響く。
「この空間では魔法を使う事は出来ますが、誤って他人に危害を加える事がないように当たる直前に魔法が霧散する仕組みになっています。また、他人のタブレットを見る事が出来ないように設定されているので安心してスキル選びをしてください」
「成る程ねー。よく出来てるなー」
そう関心していると黒木がこちらを凄い形相で睨んで来ていた。
――さっきのはわざとではないんですよ。
まあそう言っても結果的に攻撃してしまったんだし、こっちが悪いな。
そう思って俺は黒木に謝ったのだった。
――後の仕返しとか⋯⋯ないよな。
本日の8時過ぎに第3話掲載予定です。
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