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隠れチート、見つけました  作者: トニーひろし
第1章 異世界転移編
14/33

第14話クラスの皆で話し合いました。

次回は明日の12時過ぎに第15話掲載予定です。

ブクマ、感想、評価出来ればよろしくお願いします。






 国王様との謁見を済まして10分後、俺たちは水野さんの部屋にいた。


「どうしたの、莉子? 皆を自分の部屋に集めて」


 小坂さんが水野さんに聞く。

 そう、水野さん自身が皆を自分の部屋に呼んだのだ。

 強化の首輪を見たときから彼女の様子がおかしいような気がする。

 水野さんは自分の部屋の扉を閉めると俺たちの方を向いた。


「誰か音を遮断するスキルとか持ってない?」

「「「!?」」」


 小坂さんの質問には返答せず、音を遮断するスキルを持っている者を探す。

 つまり、ここから先は俺たち以外に知られたくない『密談』である事を理解した。

 緊張が周りに伝染する。空気が少し重くなる。


「この山根圭吾に任せたまえ。サウンドシャット!」


 スゥー!

 この空間を覆うように魔法が発動した。


『サウンドシャット』は確か⋯⋯


「俺の【風魔法】に死角はないぜ!」


 そう確か【風魔法】だったはず。って自分でスキルバラしたよ。

 近くにいる女子が山根に言う。


「スキルの事そんな堂々と言ってしまっていいの?」

「いいんだ。どうせ俺は【スキル隠蔽】を持ってないからな。鑑定持ちがバラしたら一瞬でバレる」


確かに【スキル隠蔽】持ってないな。

因みに山根のステータスはこんな感じだった。



***



名前:ケイゴ・ヤマネ

種族:人間

レベル14


HP:256

MP:250

物理攻撃:242

物理防御:212

魔法攻撃:261

魔法防御:170

素早さ:241

運:162


スキル

【ステータス鑑定】

【剣術】

【収納】

【近未来視】

【風魔法】

【身体強化魔法】

【回復魔法】



***



 よく言えばバランスがいい、悪く言えば器用貧乏って感じだ。

 ナルシストで自己評価の高いこいつのことだ。恐らくソロで戦う事を想定してスキルを選んだのだろう。

 取り敢えずそれは置いておくとしよう。今は水野さんの話を聞こう。

 そう思ったすぐ後、水野さんがゆっくりとみんなの方を見ながら話し出した。


「私ね、【スキル隠蔽】でスキル隠しているから分からないかも知れないけど、【アイテム鑑定】のスキルを持っているの」


 【アイテム鑑定】とはアイテムの効果を鑑定するスキルだ。そんな事を話してどうしたんだろうか。


「それでね、あのアイテムの効果を見ようとしたんだけど⋯⋯見えなかったの」

「それは⋯⋯嫌な予感がするな」


 木嶋と黒木が露骨に嫌そうな顔をする。

 


「「「?」」」


 殆どの人達が分かっていないようだが。

 仕方ない。水野さんの言いたい事を要約してやろう。


「つまり、アイテム効果を意図して隠蔽しているってことか。ただ俺たちを強化するためなら効果を隠す必要がないし、首輪には別の効果があるかもってことだろ?俺が王国側の立場だったら首輪に勇者を隷属させる効果を付与するな」

「そんな⋯⋯」

「まさかな⋯⋯」


 俺の言った最後の一言で皆、動揺したようだ。


「あくまで可能性の話だけどな」


 木嶋が首元を触りながら言う。確かにこれは可能性の話だ。

 木嶋がそういうと周りから『そうだよなあ』とか『大丈夫だよね』とか言う声が聞こえて、安堵の空気が広がる。


「ハッ、お気楽な事だ!」


 黒木はその皆の様子を見て、嘲るように笑った。


「なんだと!」

「偉そうにだな!」


 高橋と三宅が黒木にくってかかる。

 訓練をサボっている黒木だが、実力はクラスの中でもトップクラスである。勿論その事実は皆の反感を買っている。


「私は国王様や王女様を信じたい」


 そう言ったのは小坂さんだ。

 しかし、そういう小坂さんの目には決断というよりも怯えの色が濃いように感じた。

 王国に逆らって後ろ盾を失った後、生きて元の世界に帰れるのかが不安なのだろう。

 彼女は地球では何事にも頼りになるリーダーだったが、こちらは『死』の恐怖からか冷静さを欠いているように感じる。


「取り敢えず、もうすぐ届く『強化の首輪』をつけるのはもう少し様子を見てからにしよう。私達みんなで地球に帰るために」


 水野さんが握り拳を自分の前に突き出す。

 やはり小坂さんよりも水野さんの方が冷静な判断が出来ていると感じる。無難な判断だ。

俺のように隠しスキルを見つけて習得した奴だったら王国から立ち去っても生きていけるだろうが、そうでない皆にはリスクが高い。

 俺の場合は王国を立ち去っても十分に生きていけるくらいの力を訓練で得たからむしろ王国にとどまるメリットがない。自由もあんまりないしな。

 そうとなれば部屋に戻ったら王城から抜け出す準備を始めるか。


「もうすぐパーティーの時間だよ」

「もう部屋を出た方が良さそうね」


 女子生徒2人が皆に呼びかける。

 ふと部屋の時計を見ると時刻は6時50分、つまりパーティーの10分前だった。

 もうすぐ部屋を出ないと間に合わないだろう。


「行きましょう」

「そうね」

「よっしゃああ、美味いもの食いつくすぞ」

「どっちが沢山食べられるか勝負だ」


 皆が一気に活気付く。

 しかしその様子はまるでいまある不安から目をそらす為に敢えて大騒ぎをしているようにも見えたのだった。


















次回は明日の12時過ぎに第15話掲載予定です。

ブクマ、感想、評価出来ればよろしくお願いします。

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