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猫に転生しても私は多趣味!  作者: 亜土しゅうや
波乱のマイライフ編
62/302

第57話 ここどこ

波乱の新章スタート!

 「...。」

 「....。」


 キジコです。

 猫だけど人に戻りました。


 顔は大体中学2年の時の見た目で、身長は大体150cm。

 目はパッチリゴールドアイでまつ毛も長め。肌は普通..より焼けてるかどうか微妙な肌色。

 髪はボリュームありなショートボブで雉柄よりちょっと茶色寄り。

 雉猫だったからメッシュ入るかなと期待したがそうでもなかった。

 そして寝る用の和服姿になっている。

 

 「それで...どうしますか。」

 「...急に言われましてもな...。」


 ん?なにを聞かれているかって?


 「この町いきなり連れて来られて[ここに住め]言われましても...情報整理が全く追いつかないのですが...。」


 この町に住む事を提案されていました。

 その提案を出したのは目の前の茶髪の猫男二人。名前は、赤い和服を着ているのが朱斗あけとで、青い和服を着ているのが蒼鈴そうりんだ。

 

 「...まぁ、そうなるか。」

 「だが、貴方の身の安全を考えるとこの提案が一番なのです。」

 「そうそこ、私の身の安全?それも聞きたいのですが。」

 

 「まず貴方は、レギスの聖獣達以来となる獣人化覚醒した魔物です。それもその若さ、1年あるかないかの肉体だったのにも関わらず。」


 (転生した時点でその年齢なんだよ。実際は1ヶ月もない件。)


 「そして貴方は今世の神獣候補。その力を狙う者もいます。」

 「あんたらの事じゃなくて?」

 「客観的に見ればそうでしょうけど、この件はそろそろ到着の方から聞くと良いでしょう。」

 「え?まだ来るの?」


 「まだ来るよー。」

 「へ!?」


 聞き覚えのある声、振り向けば..


 服装変わってるが相変わらずどこかカジュアルファッションな白い男、


 長くてふわふわな尻尾たなびかせ微笑む美女、

 

 羽の生えた忍者な青年、


 「やほ!キジコちゃん!」

 「久しぶりだな、まさかもう覚醒しているとはな..。」

 「は..は..はあああああああああああああ!?」

 

 そこにいたのはこの異世界に来たばかりの時、私を鍛え、色々な知識をくれた大切な親代わりというか..家族。


 「ゔぁ..ヴァルケオ...マウ姉...テュー兄ぃ!?」


 ヴァルケオ、マウリ、テューニ。

 レギスの森の守護獣だ。


ーーーーー


 「さて、メンバーも揃った所で改めて。」

 (さっきのなんだったの?)


 「本日はこの会議に足を運んでいただきありがとうございます。私はこの町の領主の朱斗。」

 「同じく領主、蒼鈴。この会議はキジコ様の獣人化覚醒に辺り、キジコ様の今後を考えての保護に関する内容となります。」

 

 本格的にメンバーを揃え会議は始ま...


 「待ったマウリ様、キジコ様を膝の上から下ろしてください。」

 「えー。」( *`ω´)


 本格的にメンバーを揃えて会議テイクツーは始まった。


 「さて、まずは私から。」

 

 皆は顔を私に向ける。

 

 「以前森に帰ると約束しちゃったけど、ぶっちゃけ今の状況だとどうなの。」


 「確かに君が無事に帰って来ればまた色々教えたりする予定だったけど、こうなった以上別の方面で都合が良い。」

 「別の方面?」

 「今の君はおそらく森だと狭い。」

 「狭い?」

 「君は素性もあって、その体になった以上森での生活よりもこちらでの生活が合っているんじゃないかと思ってね。」

 「...さっき起きたばかりでよくわからないけど、否定はしない。」

 「なら..。」

 「だが待て、住むのは許可降りて良いとして、住居はどこだ?」

 「安全も考えこの領主の館に...

 「断る!!」

 「ええ!?」


 あったりまえだ!!仮にも元日本人にして猫!こんな高級ホテルみたいな広い建物に住んでられっか!


 「空き家とか無いの?」

 「近辺ならありますが...。」

 「そこに住むことはできるの?」

 「ええ!?」

 「生憎私自身の素性もあってここじゃ落ち着かないの。だから違う所に住みたいんだ。」

 「...まぁキジコは元が元だしこうなるか。」

 

 「この辺りのどれかです。」


 タビが持ってきたのはこの町の地図。空き家がある場所が薄黒く塗られている。

 他の物件は住宅とか店とか、どう言うところか書いてある。

 

 ふーむ、土地の大きさは問題ないしどこも別に立地が悪いわけじゃないしな...。

 ...ん?町からちょっと外れた所に...


 「ねぇここ、庭付きで二階建てなのになんで空き家なってるんだ?」

 「ああ...ここは...。蒼鈴。」

 「ああ...あれだな。朱斗。」

 

 え?事故物件?出る物件?欠陥住宅?


 「...雑草...というかよくわからない植物が酷いんだ...。」

 「切れよ!?」

 「いや切ったさ、でも次の日には元通りというかなんというか..。」

 「除草剤...というか植物を根から枯らす薬品とかはないの?」

 「まいたがダメだった。」


 ひえ...どんだけ生命力強いんだよそれ...。

 返って気になってきたな。


 「うーむ...よし、そこに案内してくれ。」

 「え?あ、はい。」

 「その前に着替えはどこ?」

 「ああタビ、持ってこい。」

 「はい。」


 そしてタビが持ってきたのはうろ覚えだが確かに私が獣人化した時に来ていた服だ。...テーマがなんかごっちゃだな。


 「更衣室は向こうの角を曲がった先にあります。」

 

 数分後、


 「これでよし。」

 

 いざ着てみたが意外と軽い。

 履くのは後だが、靴はマジックテープのスニーカーでなぜかシャフトがついており関節部は柔らかい素材で出来ている。


 「タビ、留守番頼む。」

 「はい、いってらっしゃいませ。」


 それから館を出て、歩いて少し街を外れた場所に来る。そこは少し高い位置で草原が広がっており、畑を作るならまぁいい感じだな。


 「こちらです。」

 

 目の前には地図にあった物件。門を開けると...。


 「おお、確かに雑草ひどいな...。」

 「切っても抜いても多少焼いてもダメなので入居者が諦めるのです。」

 「...。」

 「?ヴァルケオ達、どうしたの?」

 「地中から魔力を感じる。」

 「へ?」

 

 するとヴァルケオは拳に力を込めて...

 「はあっ!!」っと地面を殴る。すると...

 

 ズドオオオッ!!


 「うぇえ!?」


 地面から突然何かが現れる。


 『誰よ...いつもいつも私の居場所を奪おうとする奴はああああ!!!』


 謎の結晶が現れた。


 「邪精霊か...!?」

 「え!?邪精霊!?」


 なんと現れたのは邪精霊。どうやらさっきの一撃でお怒りの様子。


 『ここは私の居場所だったのに...誰かが勝手に家を建てて、私の作った植物を壊そうとする!!お前らも...そいつらの仲間かあああ!!』


 植物の大きな根が地上に現れ襲い掛かる...



 が、相手が悪かった。(メンバーを思い出そう!)

 

ーーーーー


 『ひっぐ..えぐ...なんでぇ..なんでぇ...。』

 「いや..まぁ..その..ごめん。ごめんってば。」

 

 泣きべそかいた声を出す結晶、宥めるヴァルケオ。生憎私達は平均戦闘力がなぁ...。


 『私はただ精霊としてこの地を守ってただけなのに、..人間がいつも荒そうとしてくるのよー!!私の居場所なのにー!!お陰で気づいたら邪精霊になってたじゃないのよー!!』

 「...当時建築した奴ら、精霊いたのにも関わらず建てやがったのか。」

 「書類には書いてなかったな。...領主として謝罪する。」


 返って申し訳ない気持ちになった。orz

 いやだってやってる事ほぼあれだよ?土地の横取りだよ?


 「...そういや人格がはっきりしているな...その体で。」

 『そりゃそうよ、元の精霊としての位が高かったからよ。だから名前もある、スアよ。』

 「じゃあスアさん、...こんなこと言うのもあれだけど...この家住むのはダメなのかな...?」

 『ひっぐ...もういいわ..私この場所諦めるわ...。好きにしてちょうだい。』


 「ああ待って、もし頼めるならだけど...この場所にいてくれないかな..?」

 『へ?』

 「別にスアさんが邪魔ってわけじゃないし、趣味で植物関連の事もしたいから、居てくれると嬉しいなぁって。」

 『...!!私、ここに居ていいの?』

 「そりゃいいさ、このままじゃただの土地強奪しただけになっちゃうし。」

 『ぐすっ...条件。植物関連は殆ど私にやらせて、私の精霊としての生きがい。』

 「もちろんさ!」

 『...あり..がと..ひっぐ..えっぐ..ぶええええ!!!』

 「わああああ落ち着いt...


 数分後ピンポンパンポン...


 『えっぐ...ごめんなさい。』

 「いや、気にしなくてもいいよ。」


 はぁ、起きて早々忙しいなぁ。しかしまぁこれで人生初めての住宅ゲットかぁ。前世は実家から会社通っていたからなぁ。


 補修箇所あるようだけど、これで私もマイホーム持ち、世の中予定がハイスピードだなぁ。



 しかしなんかつまらんな。


ーーーーー


 「ちなみにその結晶の姿、本来の姿とかなの?」

 『違うわよ。邪精霊化して精霊としての体を失ったのよ。そしてこれは魔力中心で作った結晶。』

 「そうなのか...ん?待てよ。」

 『?』


 「魔力変形シャープチェンジは使える?」

 『使えないわよ。』

 「なら...。」


 私はスアに手を当てる。

 

 「効果半減、魔力変形シャープチェンジ!!」

 『ぬ、ぬおお!?』

 「!?」

 「自分の精霊としての本来の姿を思い浮かべて!」

 『ぶえぇ!?えーとえーと..んんん!!』


 魔力変形は力が弱いと対象が元の形でいようと抵抗する。それを利用しスアに本来の姿へ戻る力を出させ魔力変形で固定化する。このスキル、実は固定できる。


 「な..邪精霊の姿が...!!」

 「すごい..これがキジコ様の力..!!」

 「ずいぶん器用な事できるようになったね。本当に成長が早い子だ。」


 現れたのは緑の和服、黒髪に一本の緑メッシュと花の髪飾り、100cmほどの大きさで三角の羽根が生えた、人型の邪精霊。


 『...ぬ?おお...この姿は..!!』

 「上手くいったな。どうだい、元の姿は。」

 『ちょっと違う所もあるけど...すごい!あんたすごいの!!』

 「はは、これらかよろしくね!」

 『うん!こちらこそよろしくなの!!』


 邪精霊:スアが仲間になった!


ーーーーー


 「さて、とりあえずこの家買えるの?」

 「この物件自体の購入は可能ですが...改修や補修箇所がありますから...。」

 「それはいくらなの?」


 「へ?あ、大体..400ゴールドですね...。(日本円でいう400万円)」

 「400ゴールドか..それどこで稼げる?」

 「え!?..私達が出しますよ?」

 

 「それじゃつまらん!!」


 「つ...つまら..ん?」

 「どうせなら補修代は自分で稼ぎたい。」

 「でも...。」

 「朱斗。こうなった以上キジコは本気で動くから諦めな。キジコ、君の知ってる知識にも同様のがあるかどうかわからないけど、

 早く稼ぐなら掲示板に行ってみるといい。様々な依頼が入っているからおすすめだよ。」


 なるほど、ついにゲームでいうクエストが受注可能になったわけか。

 それはやりがいがありそうだ。



 ーーーーー


 眠ってた分、体動かさなk....待て。

 

 「ねぇ、私はあの戦いからどれだけ眠っていたの?」

 「...!!、そういえば言っていなかったな...。」


 「キジコ...君はあの戦いで気を失って...





          今日で1年だ。」

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