痺れるナァ
いよいよ大会も近づいてきて、よりスポーツ系小説に寄せられてきた今作をどうぞよろしくお願いします。
それでは楽しんでいってください。
地区大会を再来週に控えた今日―――賀晴高校に転校生がやってきた。
「綾二くン!元気にしてタ?」
相田侑亮である。以前俺はこの男をロボットアニメの主人公のようだと表現したが、それは間違いであった。コイツこそがこの物語のヒロインなのかもしれない。
「ねえ、ちょっと待って、ヒロインは私だから!」
川端が急に焦り始めた。どうしてそんなに焦っているのだろうか。
そして相田はすぐさまロボット同好会に入部した。ここに来て3人目の部員が入部するなんて誰が想像できただろうか。いや、意外とこの間の展開的に予想できたかもしれないな。
「相田だったっけか?改めてよろしくな」
「よろしくネ!」
心強いメカニックがロボット同好会に入ったことで、ラブリーワンの調整や試合中の修理問題も解消できたと言っても過言ではないだろう。これで地区大会に向けての準備は着々と整い始めた。
そんな時、木山先生が部室にやってきた。
「皆さんよく聞いてね。今度の土曜日に練習試合をすることになりました」
「練習試合!先生どことやるんですか!」
川端が練習試合という響きに目を光らせ、木山先生に尋ねる。
「相手は丸菱高校って言うんだけど、皆知ってるかな?」
川端は何のことやらという顔をしていた。
「丸菱って言ったら強豪校だネ」
相田が言う。
「相田君は知ってるの?」
そんな相田に対して木山先生が聞き返す。
「丸菱のロボット部は有名ですよネ」
俺は特に反応しなかったが、丸菱高校は知っている。私立であるため、選りすぐりの選手たちが揃っているロボット部は県大会常連校で、県内ではトップクラスの実力を持っている学校である。地区大会の申し込みといい、今回の練習試合といい、木山先生は引きがいいのかなんというのかである。
「ま、まぁどんな学校が相手だろうと、うちの部員1号と相田くん、それにラブリーワンがいれば敵じゃないよ!!」
川端が勢い付く。ちょっと待て、なんで俺は部員1号なのに相田は相田くんなんだよ。おかしくないか、そこは普通部員2号になるんじゃないのか。
それよりも敵じゃないなんて簡単に言ってくれるが、丸菱にも当然の如く、永帝の卒業生がいるはずだ。そことの戦いになった場合、熾烈を極めることは間違いないだろう。
「じゃあ、練習試合頑張ろうね」
そう言って木山先生は部室を後にした。
「綾二くんは勝てると思ウ?」
「わかんねぇなぁ。でも、いずれは戦う相手だからな。ここで倒しておいて損はないだろ」
「痺れるナァ」
そして練習試合当日―――
俺たちロボット同好会には自前のバトルフィールドがないため、丸菱高校にお邪魔して試合を行うことになった。
「来たね。今日はよろしくね」
丸菱高校ロボット部の監督である、東堂諌さんが挨拶してくれた。
「こちらこそよろしくお願いします」
木山先生も挨拶を返す。
「創部してまだ2ヶ月程度だったかな?」
「はい、そうです」
「まだまだ鍛え甲斐のあるチームというわけだね。話ししててもつまらないし、早速試合を始めようか」
試合を始める流れになったので、俺はバトルフィールドにつき、キーボードのセッティングなどを開始した。
「へぇ、彼がメインファイターというわけか。マニュアル操作とはこれまたユニークだね。上野!相手をしてやりなさい」
「はーい」
東堂さんの声に呼ばれてバトルフィールドについたのは、190ぐらいはありそうな長身の男だった。
「で、でかっ」
「上野正樹。よろしく」
「ふ、藤崎綾二っす。よろしくお願いします」
上野のもコントローラーをセッティングし、ロボットをロードした。上野のロボットはファイターと同じようにパワー重視といったロボットで、見た目はゴーレムといったところで、装備は大ハンマーだ。
「タイタック、ロード完了」
「いくぞ、ラブリーワン!」
俺もラブリーワンをロードし、いよいよ両者の準備が整った。丸菱の部員が審判をやってくれるようである。
「それでは試合開始!」
審判の合図で試合が開始された。開始されたと同時にタイタックが攻撃を仕掛けてきた。俺は攻撃を読み、回避した。
「今のを躱すか。彼、名前は?」
「藤崎君です」
木山先生が東堂さんに言う。
「タイタックは攻撃力は当然のことながら、それでいて俊敏性を備えている。見かけによらないということだね。だから、タイタックと対戦したファイターはそこで読み違えて先生でダメージを受けることが多い。しかし、彼は初見でもあの反応力。見応えのある、いいファイターだね」
東堂さんは俺を観察しているようであった。
タイタックの連続攻撃をなんとか躱していく。この機体、見かけによらず、とても速い。一体どのようなパーツや調整を行えばこのような機体になるのだろうか。
「今度はこっちの番だ!」
俺は攻撃コードを入力し、反撃に転じる。しかし、ゴーレムのような装甲はそれ自体が盾のような役割を成しており、いくら攻撃を入れようとも全くダメージが入らなかった。
「えー!効かないの!?」
試合を観戦している川端から驚きの声が上がる。
「はっはっは!驚いたかい?これがタイタックだよ。見かけによらないと俊敏性と見た目通りの超装甲。うちはこれで全国狙うからね」
東堂さんは高笑いした。
しかし、これから地区大会、県大会、甲子園と勝ち上がっていくにはこの程度の相手はごまんといるだろう。ここで躓いていては全国なんて夢のまた夢になってしまうだろう。
「意外と強いな!」
「なんだと?」
「だけど、倒すぜ」
「いいだろう。こい!」
丸菱倒して俺は先に進むんだ。
続く。
今回は「やったれ魔法少女」より上野正樹が登場しました。やっぱりこいつも澤木と同じで「やったれ魔法少女」での設定を少し引き継いでいますよね。ゴーレム的なロボットを使うあたりなどなど。次回は緑の人が登場するかも!?
それでは今回も読んでいただきありがとうございました!次回をお楽しみに!!




