表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヴィー、君は聖女だ  作者: 湊つぐむ
2/2

後編



…物語りは少女が産まれる前から始まっていた。

七つの大罪と呼ばれる悪魔は様々な世界に飛ばされ

その世界で魔王となるもの契約するものがいた。


この世界の魔王…”サタン”もその一人。




「…サタンってクソ重いよね☆」


亡国の男爵令嬢を思わせるピンクの髪を

たなびかせながらボヤく魅惑的な雰囲気の美人


「…あ”?」


「お~怖い怖いっ。さすが”憤怒のサタン”だな~。」


「煩いぞ、女装癖。」


「誰のせいだよぉそれと女装じゃないぃ

俺が魔力使って女になっただけだろ~!」



男爵令嬢アスリア・ミリタリー…

その正体は、”色欲の悪魔 アスモデウス”

七つの大罪の一人で淫魔の始祖で

彼自身、インキュバスである。



「仕方ないだろう。

使えるのがお前くらいだったんだから。」



その悪魔を顎で使うのが

この世界の魔王”憤怒の悪魔 サタン”


「しかし、七つの大罪が”3人”も揃うなんてな~」


「ああ。もしヴィーが違う世界にいたら

この世界を滅ぼしていたからな。

そこだけは神は正しい判断をしたな。」


ラースは平然とした表情で世界の有無を語る。

それにアスモデウスは渋い表情を隠すように

別の話題をふる。


「でもさぁ~レヴィアタンは可愛いけど

あの嫉妬深さは異常だよねぇ重いっ重いっ☆

俺は淫魔だからかなぁ軽い女の子のが好きぃ~」


「お前のことはどうでもいいがヴィーは重くないぞ?

”嫉妬”させるまでもなく愛せばいいだけだろ?」


「…いや、あのレヴィアタンに

重くないとか言えんのお前くらいだぞ~

インキュバスの俺でさえレヴィアタンはヤバイと思うもん☆」


レヴィアタン…今の名前はレヴィア・ヴィー・ランズ。

公爵令嬢で今は神父ラース…もとい魔王サタンの妃。

彼女の生前は女勇者だった。

…だがその前は…七つの大罪の悪魔の一人だった。



「そもそもあの伝説の内容ってなんか違うよねぇ~」


”聖女が魔王を倒し封印した。”


女勇者が魔王を倒したことにより

聖女として崇められ彼女の死後、

彼女の家は爵位を受けた…それがランズ公爵家。

彼女の愛称、”ヴィー”を残す唯一の者。

その愛称を付けたのも目の前にいる魔王だった。


聖女と呼ばれる女勇者は貧しい家の出だった。

生きるためには危険な道を進むしかなかった。


彼女は生まれながらに”嫉妬心”が強く、

それは彼女の特性でもあった。


彼女は嫉妬心により多くの人間を殺めた。

自分より可愛い人間や

自分より恵まれてる人間に嫉妬して殺した。

そんな彼女が好いた人は殺された。

だけどそれは彼女が殺した訳ではない。

人間如きが彼女に好かれた憤怒により殺された。


”作られた孤独”


それに気づかず彼女は

魔王に狂おしいほど愛され生涯を終えた。



「ヴィーが死んでから数百年…

やっとヴィーを悪魔の身体に戻す程の魔力がついた。」


「でも消耗激しいよぉ~?

”嫉妬の悪魔 レヴィアタン”の復活なんてさぁ

スライムくらいの体力しか残んないよ~いいのぉ魔王様ぁ?」


「また、置いてかれて拗ねて眠るよりいい。」


聖女と呼ばれた女勇者…

嫉妬により多くの人間を殺めた罪人”エンヴィー”

彼女が欲しい故に憤怒の悪魔は、

彼女の好いた者を殺し彼女の唯一を手にいれた。

しかし、当時の彼女は人間。

人間と悪魔の時間は差がありすぎた。

だから次に見つけた時は彼女を悪魔に…



嫉妬(エンヴィー)憤怒(ラース)…ほんとにお似合いだねぇ~」






▼聖女エンヴィー(罪人エンヴィー)

女勇者。嫉妬故に多くの人間を殺した罪人。

己の嫉妬深さをも受け入れた魔王を愛し添い遂げた。

生前はレヴィアタンという嫉妬の悪魔だった。


▼レヴィアタン

七つの大罪、嫉妬の悪魔。

憤怒の悪魔サタン(ラース)の恋人。

嫉妬深くラースに他の女が近づくだけで

その女性を殺める…それも残酷な手法で…。

憤怒の悪魔サタンをラースと呼び、

彼女もまたラースにはヴィーと呼ばれていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ