新たな冒険者パーティー結成…?
この世界にも色んな趣味趣向の人間がいるのだなぁと感心しながら、馬を再び走らせる事約3時間。
今朝方出発した【ブラウの街】に到着する。
「……ホントについたのか。こりゃ移動が楽過ぎるな」
「シャンプーも出来て馬車の揺れも気にせずに移動とか、もう自堕落の極みね」
「ふわぁぁああ……寝てたら着いちゃったんだけど…寝心地が良すぎる」
街に着いて、冒険者ギルド前にて全員を外に出せば、俺の【アイテムボックス】が如何に快適だったかを絶賛しまくる冒険者達。
ミント達は以前からこの寝心地を知っているからか、妙に鼻高々な顔をしていたが、シャンプーの話題になると他の冒険者達と一緒にワイワイ盛り上がる。
一部の冒険者からは『一緒に仲間になってくれないか!?』と懇願されたが、移動と荷物持ちの為に危険な冒険者になる意味もないので、丁寧にお断りさせてもらった。
「―――おぉ!王都からの冒険者様方!これほど早くご到着されるとは…ささ、皆様方にお願いしたい【魔の森】の場所と現時点で分かっている魔物の規模などをお伝えいたします!どうぞこちらへ!」
冒険者ギルド前で騒いでいると、中から中年の職員が出て来て王都からの応援に来た冒険者だと理解するとすぐさま案内を申し出て、冒険者達をギルドの中へ誘導する。
「コナー、君はこの後どうするんだ?【魔の森】攻略はそれほど簡単に出来る物じゃないし、最短でも3日は掛かると見た方がいいが、その間ずっと【ブラウの街】で待っているのか?」
「いや、馬の様子を確認して明日にでも一旦王都に戻るよ。向こうにリルットさんも置いてきちゃったし、【ブラウの街】に居てもする事ないし」
冒険者ギルドに入る前に、俺の動向が気になったミント達が声を掛けて来たので、一旦王都に帰る予定なのを伝えておく。
「なるほどな。だが、オレ達が王都に帰る時お前が居ないと騒ぐ連中も居そうだし、そのタイミングでこちらに来てくれると助かるんだが」
「そうよ!コナー君の【アイテムボックス】じゃなきゃ私達、帰らないから!!」
「……メメ、コナーが居なきゃダメな体にされた…責任もってね?」
「そのぉぉ…ごめんねコナー君、私も出来たらコナー君の【アイテムボックス】で…帰りたいなぁー?なんて…」
「えっと…あはは」
ミントに続いてヘーニア、メメ、アイリスが駄々をこねる様にそう発言するので、思わず苦笑いが出てしまう。
ヘーニアとメメに関しては王都に来るまでの道程でも同じような感じだったが、アイリスもかなりシャンプーにはまったようだ。
「大丈夫だよ。リルットを【ブラウの街】へ送りに戻ってくるから、その際は【魔の森】攻略が終わるまで待ってるし」
「すまんな…っと、そろそろオレ達も行かなきゃ……またなコナー」
「うん、ミント達も気をつけてね!」
そうして、冒険者ギルド前は俺とルイだけが残され、辺りに静けさに包まれる。
冒険者達が居なくなったと言っても街のど真ん中でこれほど静寂に感じるのは【魔の森】の所為で住民に元気がないのか、もしくはそれほど冒険者達がうるさかったのか……多分両方かな?
「……それじゃ今日泊まる宿を探しに行こうか?ルイはこの間泊まった宿でもいい?」
「オレは大丈夫!っていうより、オレはご主人の【アイテムボックス】の中でいいよ?そっちの方が落ち着くし」
「そうなの?俺は出来るだけ街にいるなら宿に泊まりたい派だけど…」
【アイテムボックス】内だと光源が無くとも部屋の隅々まで影が発生せず、まるで真昼の様にすべてを視認出来る不思議空間になっているのだが、俺は寝る時は出来れば部屋を暗くしたいタイプの人間なので【アイテムボックス】では無く、光源が無ければ暗くなる外の宿屋で寝泊まりする方が好きなのだ。
光源がないので、目をつむれば瞼の裏が明るく透ける訳では無いので眩しくは無いのだが……なんというか、気になってしまうのだ。
「そうなの?ならご主人の好きな方で!」
「うーん……いや、今回はルイの言う通り【アイテムボックス】で寝ようか?今さらながらフォルンもいるし、今日はお風呂に入りたかったから。ちょっと馬で6時間移動は汗かいちゃったし」
「お風呂!!入る!!」
お風呂を理由に【アイテムボックス】で寝る事を決める訳じゃないが、今回の一番の功労者は誰でもないルイなのだから、ルイが【アイテムボックス】の方が落ち着くというならそちらを優先したいと思うのは当然だろう。
お風呂に関しては冒険者達がシャンプーの為にある程度水を使ってはいるが、それを見越して王都でペペットの追加の水をもらったのだ、お風呂一回分は余裕で溜められるので問題ないし、ルイもお風呂は大好き。
宿屋にお金をかけるより、少しいい店で良い物を食べつつ、ルイの事を労うのもいいなと考えた俺は「よし!」と気合を入れ、ルイを連れてこの街でおいしくて有名な食事処はどこかを探し出しに行くのだった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
≪とある女性冒険者視点≫
――私は、冒険者になる為に10年前に王都にやって来た。
なんで私が冒険者になろうって考えたのは、スキルが≪身体強化≫っていう戦闘向きのスキルだったって理由もあるけど、小さい頃から一緒の幼馴染の男の子が『冒険者になるんだ』って言ってたのが一番の理由。
……幼い心で、ずっと一緒に居たアイツの事に恋してたんだと思う。
アイツと一緒に冒険者パーティーを組んで、恋人になって、歳を取ったら冒険者を卒業して田舎の街で幸せな老後を過ごす……そんな幸せな未来を歩めればいいなぁって考えてた。(何故かアイツは私の事を男友達と同じ扱いをしていたのは気になったけど…)
……まぁ王都にやって来て1年もしない内にアイツは『魔物とか強すぎて無理!痛いのは嫌だ!』と情けなく冒険者を引退し、王都の夜の店で出会った女に一目ぼれし、大金を貢いでいるのを知ってすぐに恋の熱は冷めてしまったけど。
そんな小さな初恋に何ともいえない終止符を打たれた私は、故郷の田舎に帰る事も考えたのだけれど、案外私は冒険者という職が自分に向いていた。
≪身体強化≫自体はレベルの上昇と共に筋力が強化されたり、視力や聴力も強化される便利なスキルだが、強化された身体について行けるかどうかは個人のセンス次第。
噂では自身の脳を強化する事によって人外並みの動きをする化け物も歴史上にいたらしいが、やりすぎれば脳のキャパが追い付かずに廃人になったりもするので、基本的に脳へのスキル使用は非推奨なのが一般常識。
その点、私は脳へのスキル使用をしなくともそれなりに身体を動かせ、魔物も多く狩る事が出来た。
今では王都の冒険者ギルドでも上位の冒険者であると自信を持って言える。
おかげで私はソロで上から2番目のAランク冒険者になれたし金だってかなり稼いでいる、ある意味私を冒険者と言う道に進ませてくれた幼馴染のアイツには感謝している。(今どこで何をしているか全く知らないけど)
「さて、今日はどんな依頼が……ん?」
~『ブラウの街にて【魔の森】出現。高ランク冒険者急募』~
「【魔の森】……発生してそれほど時間が経ってない故の完全攻略が目的か…何度か【魔の森】に入った事はあるが、完全攻略は未経験。放置出来る問題でもないし、参加するべきか」
【魔の森】はこの国で数か所存在しているが、そのどれもが強力な魔物が住み着く危険な場所。
貴重な魔物の素材が取れるメリットはあるが、そもそも狩れる魔物の数が少なく、危険というデメリットが大きい為、出来れば無くなって欲しいと願われる程度には厄介な場所。
しかし【魔の森】が発生し、成長しきってしまえば並みの冒険者では深部へたどり着けさえ出来ない状況故に、表層の魔物を出来るだけ間引き、外に魔物が出てこない様にするぐらいしか対策が出来ないのが現状。
だが、今回の【魔の森】の様に発生して間もない成長前であれば、深部と呼ばれる中心に存在する【魔の森】の本体である核を破壊しに向かえるので、依頼書にも書いてあったように【急募】なのだろう。
恐らく明日の朝までには出発するだろうから急ぎ受付に行った方がいいなと判断した私は、この依頼を受ける為受付の元に話をしに向かうのだった。
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「…私は構わない。別に中で仲良しこよしとしなくていいんだろう?私は部屋の隅に居させてくれるだけでいい」
「は、はぁ……私達も……別に大丈夫です…他のガトラーに乗れば相乗りは基本ですし…ね?ユイ」
「う、うん…お姉ちゃんと一緒だし、文句はないよ!」
依頼を受ければ、なんと出発は今日なのだとか。
なんでも私達を連れて行く馬車…いや、ガトラーの人が使うスキルがなんでも噂になってるのだとか。
やれ『シャンプーは女の夢その物』だとか『女はシャンプーに勝てない』だとか。
意味はよく分からなかったけど、ひとまず依頼は受けたんだし、集合場所に向かってみれば出迎えたのは中々可愛らしい褐色肌の少年ガトラーのコナー君。
なんでもこのコナー君のスキル【アイテムボックス】で私達を運んでくれるらしく、私はギルドで偶に見かけていた大人しめの姉妹の冒険者パーティーと一緒の部屋に割り振られる事になった。
【アイテムボックス】で部屋割り?と少し疑問が浮かんで、少しそっけない態度を取ってしまったけど、まぁガトラーで移動する際は相乗りが普通なのだし、似たような物かな?って気にしても意味ないかと思い直した。
そんな訳で、私はコナー君の『じゃ、こちらにどうぞー』という案内で≪ゲート≫くぐったら……もう唖然としたわ。
「な、何これ…?ここが【アイテムボックス】の中…?まるで高級宿じゃない」
「お、お姉ちゃん!こっちにも≪ゲート≫がある!こ、ここを出てシャンプーしに行くんじゃ…ないかな?」
姉妹たちは恐らくシャンプーの噂でこの依頼に参加した口なのだろう。
妹の発言で姉の方も『そこね!荷物置いたら向かいましょう!』とそそくさと荷物を部屋の端に置きに行く。
私は未だこの部屋…というか状況に驚いていて、その場から動けずにいた。
照明らしきものは見当たらないのに部屋全体が見通せて、窓も無く≪ゲート≫の外の様子もわからない事からここが【アイテムボックス】の中だという事は何となくわかる。
でも何故家具を誂える?【アイテムボックス】は物を大量に入れて運ぶスキルのはずで、客を招き入れる物じゃないはずだけど…。
しかもこの一部屋でかなり広いのに用意されてるのはベットとソファ、それに洋服や下着を入れるタンスのみ。ベットに関しては少し大きめではあるが1つしか用意されてない。
前に【アイテムボックス】持ちの知り合いに聞いたが、基本的に【アイテムボックス】持ちのレベル上げは荷物を大量に入れるか、大量に入れた状態で時間が経つ、もしくは移動すると言った方法なので、こんな空間がスカスカな状態で放置するのは非効率過ぎる。
「……いや、もしかしたらコナー君は従来の【アイテムボックス】持ちとは違った経験値の取得方法なのか…?」
だとすればどんな…?いや、それを知った所で私に得はないのだけど…。
それにレベルを上げる事を目的にせず、ガトラーとしてやっていくのならこれほど優良なスキルは他にないだろう。
私ならスキルのレベルを上げないなんて選択肢は今の所ないけど。
「…あれ、姉妹の2人はもう出て行ったのか」
私が【アイテムボックス】について考え込んでいる間に、姉妹冒険者の2人は恐らく【シャンプー】とやらをしに、この部屋に入った場所の≪ゲート≫とは別の≪ゲート≫をくぐって他の空間に向かったのだろう。
「……そういえば、ギルドでも噂になっていたか…『女はシャンプーに勝てない』だったか?同じ女として勝てないと言われると気にはなるし、様子を見るだけなら別にいいかな?他の部屋も見ておきたいしな」
どんなものなのかも知らないけど、恐らくこの【アイテムボックス】を生かした何かだというのは予想できる。
もし変な物なのだとしたら途中でやめて帰ってくればいいのだしと軽い気持ちで私も荷物を置いて≪ゲート≫の向こうへと足を向かわせるのだった。
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――――――
「…………………………」
“はわぁぁぁぁぁぁ………”
うん、シャンプーは正義。アレに勝てる女はいない。
「ヤバイよお姉ちゃん…シャンプーヤバイね…」
「もうここに住みたい……いくら払えばここに住まわせてくれるかしら…?」
同じくシャンプーを経験した姉妹の2人も蕩けた顔を隠す事も無く、真剣にここに住む計画を話あっている。
……もしかして、私もあんな蕩けた顔をしてるのかな…?だとしたら流石にヤダな…。
確かにシャンプーは気持ちよくて、髪も驚くほど艶々のサラサラになって気分は高揚するけど、流石によそ様に恥を晒すのはゴメンなので、浮ついた思考を落ち着かせる為に『ふぅ』と深呼吸を入れる。
思いの外声が大きくなってしまったけど、別にただため息を吐いただけなんだし、気にするような事じゃないかな。…なんか姉妹の2人の方から視線を感じるけど。
「…………」
「………………」
な、なんかずっと見られてる…?よくわからないけど、変な事はしてないはずだし用があるなら声を掛けてくるはず。
何となく居心地の悪さを感じた私は、しっとりと濡れた髪を手で払いながら姉妹達の方から顔を逸らす。
「おぉふ…」
「はわわわわわわ」
『……すいませーん!聞こえますか』
――――ビクッ!!
「「わきゃッ!?…だ、誰ですか…?」」
び、びっくりした……いきなり男の声がしたと思ったらコナー君が≪ゲート≫を開いて話しかけて来たっぽい。
っぽいって言うのも私は未だ姉妹達には顔を逸らしてる所為で聞こえてくる声で状況を判断してるからなんだけど……なんか今さらそっちに顔向けるのは妙な気まずさがある。
「―――ッ!―――」
「―――って!―――です!」
姉妹の2人は興奮気味に話しているっぽいが、詳細な内容はここからは聞き取れない。
一体何を話しているんだろう?私に話を振ってこないという事はあの姉妹2人に用事なのかな?
「―――ユリさん……めちゃくちゃカッコいいんです!」
「…ッ!?……え?」
はい…?
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「すごいすごいすごい!前からキレイだとは思ってましたけど、すっごい!まつ毛長い!肌しっろ!鎖骨がめっちゃセクシー…ってかエロい」
「お、お姉ちゃん!ユリ様に失礼だよ!ご、ごめんなさいユリ様。気を悪くして無いです…か?」
「え、えと…あの…別に?」
何故かあの後、姉妹達が興奮気味に私を褒め…褒めたたえて?いるのをずっと聞かされ、いつの間にか話を聞いていたはずのコナー君は居なくなって(逃げた?)、姉妹は興奮したまま私ににじり寄って来ていた。(何故?)
というかなんで名前知ってるの…?一応話した事もないし、見かけた事はあっても初対面のはずなんだけど…。
「えと、どうして名前…」
「え…………ハッ!!つい興奮して…」
「ご、ごめんなさいごめんなさい!!悪気はないんです!!!」
私の質問に何やらまずい事があるのか姉妹の2人は少しだけ表情を青ざめさせ、少し冷静になったのか申し訳なさそうに弁明をし始める。
「あ、いや…そのユリさんっていつもソロじゃないですか?実は前からユリさんとパーティ……とか組めないかなぁー?って……ほら!パーティ集めで優秀な人の事調べたりするじゃないですか!?あんな感じです!」
「は、はぁ…なるほど」
確かにパーティに勧誘する際、相手の事を調べるのは良く聞く話だし、私の名前を知っている理由としては妥当な話。
…何故かこっちは納得の表情を浮かべているのに姉妹の2人が『ま、まぁ嘘は付いてないヨ?』と言いたげなのは疑問だけど。
「…ならユリ様ってのは?」
「…?ユリ様はユリ様ですけど…?」
「……?……え、あ、はい…」
妹の『え?それがどうしたの?』と言わんばかりのキョトンぶりに思わず『あれ?私が間違ってる?』と焦る。
確かに人を様付けで呼ぶのは貴族のメイドやら使用人やらでいるのは知ってるけど、この子もそっち関係の子なのかな?姉は普通に冒険者肌の女性っぽいけど…。
「えっと……パーティの件は…その、別にソロにこだわってる訳じゃないからいいんだけど…私基本的に前衛で特攻する戦闘タイプでパーティー向きじゃないんだけど…」
「寧ろ私達が支えますし、怪我しない様に私達がユリ様をお守りします」
「大丈夫!私も一緒に特攻するし!」
あ、いや……それじゃ何も解決してないし、なんならどう見ても後衛職の妹が私を“守る”ってどういう事…?
「…合わないと判断したら普通にパーティーは抜けるけど…」
「じゃぁ入ってくれるんですね!?言いましたよ!?言質取りましたからね!!」
「やったぁー!!今日は祭りだぁー!!」
「え、いやちょ――」
姉妹2人は私がセリフを言い切る前に興奮した様子で詰め寄って来て、姉に関しては無造作に私を捕まえるかの如く抱きついてくる。
「むふふぅ……ええ匂じゃぁ……スンスン」
「お、おい!匂いを嗅ぐn―――「お姉ちゃんだけズルい!!私も失礼します!!」っておい!?」
姉妹2人に抱きしめられ、力で剥がそうにも予想以上の力で上手く剥がせない。
「こ、この…≪身体強……ひゃんッ!?」
匂いを嗅ぐのをやめない2人にスキルを使って緊急脱出を試みようとした瞬間、姉の鼻息が首筋をなぞり、変な声を上げてしまう。
「ユ……ユリさん……今の…」
「ち、違う!?少し鼻息がくすぐったかっただけだ!!」
「ユリ様……じゅるり」
おい妹。涎を拭くな!妙な顔でこちらを視るな!
「ユリさん……私達、新たにパーティーを組むんだし、やっぱりお互いの事を良く知っていなきゃ駄目だと思うんだよ」
「何故に今このタイミングで言う!?絶対に今じゃないだろ!?」
「ユリ様、ユリ様、ユリ様、ユリ様、ユリ様」
「姉ー!?妹が壊れてないか!?と言うかジリジリと手が私の服に伸びて来てるんだがッ!?」
「やだなぁユリさん、私の事はユウでいいよ?そっちは妹のユイね」
「今その自己紹介要らないぞ!?――くっそこうなったら…≪身体強――あッ!?」
くっそ!?こいつら私が≪身体強化≫しようとするタイミングでちょうどよく耳に息や手を摩ってくる!?力が抜けてスキルが……。
「仲良くしましょうユリさん…」
「ユリ様……末永くよろしくお願いします」
「いぃぃぃやぁぁぁぁぁぁあああああああ―――――――」
なお、何とか貞操は守り切りました。




