第10夜
ฅ(º ロ º ฅ)《大変遅くなりました。申し訳ありません風邪って引きたくない時に引きますよね…。皆様も風邪には充分お気をつけください。
何時ぞやのトネリコの木にやって来ました!
相変わらず木の周りには黒いモヤモヤが漂ってるし、広場みたいになってるのに誰も人が寄り付かないんだよねー。
取り敢えず魔力注いでみますか!
数分後…。
「あーもう無理!!!」
私の魔力はもう空っぽで、魔力欠乏症一歩手前まできてた。ここまで魔力減ったことがないからちょっと新鮮だけど、貧血みたいにふらふらする。気持ち悪い…。
それにしても何も起きない。
じーちゃんの口ぶりから何か起こるのかと思ってたのに残念。もう帰ろうかなー。
と思ったその時。
トネリコを中心に、取り囲むようにして複雑な魔法陣が黒く光り出す。それは広場1面に広がってゆき、妖しくも幻想的な空間を創り出す。
「綺麗…。」
って!見惚れてる場合じゃない!ど、どうしよう…凄いやってしまった感がある。に、逃げたい…。嫌な予感しかない。
私が逃げるかどうか迷っているうちに、溢れ出していた黒い光がおさまる。
トネリコの根元に黒い塊を残して。
木に魔力を注ぐために木の近くにいた私は黒い塊が動いてこちらを見た途端に後ずさりをはじめた。だって怖い!!く、熊は死んだ振りしても意味無いらしいから!ゆっくり後ずさるのかが正解らしいし!ヤバイちょっとテンパってる。
「お呼び頂き有り難うございます。----主。」
私の体は魔法にかけられたかのように固まった。
黒い塊をよく見ると、私の背丈(110cmくらい)より少し高く、ルビーの様な真っ赤な目をした
猫?
「おそれながら主。私は猫ではなくギルロットと言う魔族です。」
あっ。そうなんだ。ごめん…。
「って!魔族!?」
魔族ってあの人族と対立してるあの魔族だよね!?
「はい。長い間この木の下に封印されておりましたが、今の多量の黒の魔力により力を得て封印を破り、魔力の持ち主に惹かれやって参りました。
これからよろしくお願いいたします主。」
「よ、よろしく…?」
何か今さらっと重要な事を喋っていた気がする。
封印?それ破ったら駄目なやつじゃ…。
「早速ですが主。私に名前を付けて頂けませんか?」
私を主人にする事は決定なのね…。それにしても名前?名前か…。
「んー。……クロノワール…とか?ダメかな?」
「クロノワール…。これから私はクロノワールと名乗ることにいたします。有り難うございます主。」
クロノワールがそう告げると
「ウッ!?あああああ!!!あがっ……がはっ。」
右目が!右目が痛い!痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ痛いイタイ痛い!!!
クロノワールも痛みで動けないみたいだけどそっちを気にしてる余裕も無い。
数分かそれとも数十分かは分からないけど永遠と続くかと思った激痛も引き、痛かった右目を見てみると、薄らと虹彩に魔法陣が浮かんでる。よく見ないと分からないくらい薄いけど…。
「それは契約紋でございます。」
クロノワールも痛みが引いたのか話せるようになったみたい。
「契約紋…。」
「魔族を使い魔にする際、魔族が主人に名前をもらいそれを魔族が受け入れると契約が執行されます。」
「それじゃぁ、クロノワールは私の使い魔ってこと?」
「その通りでございます。主」
どうやら私は知らない間に魔族の使い魔をゲットしたらしい。
「そういう事は名前をつける前に言って欲しかったなー?ね?クロ?(ニコっ)」
「ッ!!申し訳ありませんでした。」
分かればいいよ分かれば。
よくよくクロの(呼びにくいから縮めた)話を聞くと、クロは元々人に対してあまり興味が無く、魔族の中でも変わり者だったらしい。それでも魔族としての位が高かった(強かった)クロは人間に狙われて罠にはめられ、ココに封印されたのだと言う。トネリコは黒い魔力以外の魔力を食べて溜め込む性質が有るらしく、封印された上に魔族にとって生きていく上で最も必要な魔力を吸い取られこのままだとほんとに死ぬ!って時に多量の魔力が流れ込んできたため、それを糧にした所元々自分が所持していた魔力量より多く、これなら!と思い封印を破って出てきたんだと。
因みにクロは元々は目と同じ燃えるような赤い毛並みだったらしいのだけど、多分私の魔力で変質して黒い毛並みになったっぽい。
「主。私にもステータスがありますので、ご確認ください。」
使い魔のステータス!!!気になる!ゲームの旅の仲間のステータスが見れるのに近いのかな?
「あっ、でも、宝珠がないや。よし!クロ、おばあちゃんの家まで行くよ!」
「了解しました。」
ฅ(º ロ º ฅ)《補足ですが、今の段階でミヅキは魔族の中堅クラスと同等以上の魔力があります。本人はその異常性に気がついてませんが。