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第六花 感謝 そして今後

幽香「PV40000 ユニーク10000突破ですって。良かったわね。」


六天金剛「まじでか!このグダクダ小説に!?」




「着いたよ!ここが私達の家だ。ゆっくりしていきな!」


「ゆっくりしていってね!」




あれから十分。彼女達の家に着いた。


他の家の例に漏れず、木造建築の家だった。少しだけ違いがあるとすれば、僅かに大きいことだろうか。



「いい家だな…。では、お邪魔します。」


やっぱ木造建築っていいよね。匂いがいいっていうか…。


「はい、いらっしゃい。…さて、晩御飯を作らなきゃね。どっかの誰かが迷子になっちまったもんだから、探すのに手一杯で作る暇がなかったんだ。」


「むゆぅ…。もう!それはもういいでしょお母さん!」


「言い訳あるかい、このばかたれが。

言ったろう、全員総出で探したって。村人みんなくたくただよ。少しは反省しな。」


「むぅ…はぁい。」


母の言葉を聞き、眉尻を下げながら返事する千百合。


「まあまあ、遅くなった理由は俺にもあるんですよ。許して上げてください。

お詫びといってはなんですが、晩御飯を作るのを手伝いますよ。」


こう見えても、料理は得意なのだ。流石に料亭に出るようなものは作れないが、一般家庭に出てくるようなものは一通り覚えている。



「あらあらあら、いいのかい?助かるねぇ!」


「やったー!幽香お姉ちゃんのつくったごはんが食べれるー!」


「ははは…。まあ、期待していろ。」


こうして俺は、千百合の母と共にご飯作りに励むのであった。










あれから四十分。

料理が完成した。


献立はご飯、味噌汁、白菜の漬物、魚の塩焼き、といったわりと質素なものだった。


この世界の文化レベルだとこんなものかと思うが、文句は一切ない。むしろありがたいくらいである。なんと言っても、白米が食べられるのだから。


最近は朝食をパンにするという風潮が強まっている様だが、そんなものはくそ食らえだ。

やっぱ日本人ならご飯だよね!


「ちょっと、幽香?ぼーっとしてないで早く食べちゃいなよ。冷めちゃ飯が不味くなっちまうよ。」


「はやく食べようよー!」




む、いかん。思考の海に耽ってしまった。この世界に来てから少し癖になっているな。直さなきゃな。


「んじゃお二人共、お手を拝借して。

…いただきます。」



「「いただきます!」」










「自分で作っておいて言うのもなんだが、美味いな。」


「いつもと違う味だけど、とってもおいしー!」



どうやら千百合には好評のようだ。

最近は受験勉強が忙しくて母の料理の手伝いをしていなかったから腕が鈍っていないか心配だったが、上手くいって良かった。




「ほんと、あんたにはお世話になりっぱなしだねぇ、幽香。家に泊めることしかお礼が出来ないのが歯痒いよ…。」


「だから、これで十分ですよ。泊めてもらえるのに加えてご飯まで頂いてるんですから。感謝仕切れないのは俺の方ですよ。」



この人達には、いつかお礼をしなきゃな…。




「そうかい…。ありがたいねぇ…。

…ところで、あんたに聞きたいことがあるんだけど…。」


「…なんですか?」



悪いが、今の俺に答えられることは少ない。この【風見 幽香】の身に起こった出来事など【俺】が知るはずもないのだから。


「答えられる範囲ならいいですけど…。」


「じゃあ、遠慮無く質問させて貰うよ。

ーーあんた、なんで男みたいな口調なんだい?自分のことも『俺』って言うしさ。

そんな綺麗な見てくれなのに、勿体無いんじゃないかい?」




…うげぇ………。




「あー!それわたしもきになったー!」



千百合も反応して聞いてくる。



はあ、やっぱりね…。


この口調である限りいつか来ると思っていたけど、いざ質問されると答えに困るな。

実は中に別の人が入ったんです!とか言えないしなあ…。

まあ、ここは無難な答えていくか。




「俺は生まれた時から多分こんな感じだったんですよ。」


「ええ!?そうだったのかい?」


よし、上手く食いついたな。



「ええ、妖怪っていうのは人の様々な感情が具現化されたようなものですからね。何も無いところからポンッと生まれることもあるんですよ。


俺は生まれた時のことは覚えていませんが、そんな感じで生まれたからではないでしょうか。」


「…ほえ~~?」


千百合には理解できないようだ。当たり前だがな。




「へえ、そうだったのかい。道理で…。」



よし、上手く誤魔化せたみたいだな。


「…じゃあ、残りを食べようか。まだおかずが残っている。」


「おっと、そうだったね。千百合、あんたも食べな。残したら拳骨だよ。」


「はーい!」




食事の時間は三人の会話が途切れること無く、穏やかに過ぎていった。












「よし、じゃああんた達はここで寝てくれ。」




あれから二時間。


千百合と共に風呂に入り、寝る時間になった。寝間着は千百合の母に借りました。

え?入浴描写?残念ながら作者には文才が無かったようで、書けなかったみたいです。(まじすんません…。)


ちなみに、スカートは仕方無いとして、ぱんつやらぶらじゃあなんかは身体の違和感が半端無いのでもう着ません。

ならどうするかって?

上にはサラシ、下には適当に布を巻いています。


「しかし、いいんですか?一人で寝させてしまって…。」


「なに、しょうがないじゃないか。千百合があんたと寝たいって駄々こねるんだから。」



そう、千百合は寝る前になった時突然、俺と寝ると言ってきかなかったのだ。



「…まあ、いいか。

…じゃあ、そろそろ…。」


「あいよ。

ーーー千百合っ!」



母が大きな声で千百合を呼ぶと、廊下の奥から桃色の寝間着を着た千百合が小走りでこちらに向かって来ていた。



「可愛い寝間着だな、千百合。」


「えへへ…。」



千百合の格好をほめてやると、顔を赤くした後に恥ずかしがりながらも、花のような笑顔ではにかんでくれた。やっぱり汚れを知らない少女の笑顔は可愛いな。


…いかんいかん。思考がそっちに行ってしまった。




「じゃ、寝るか。」


「うんっ!!」


もう夜も遅いというのに、千百合は元気一杯に返事した。








「さて、明日からどうするか。」


千百合の母が用意してくれた布団の中で俺は考えていた。

隣の千百合は既に夢の中である。



今の俺には特にすることが無い。妖怪である俺には仕事も、それをする義務も無いのだから。


つーか今気付いたんだが、幻想郷の住人って基本的に暇人が多いよね。たぶん。

そして【風見 幽香】もその例に漏れず、結構な暇人なのである。

一年中花探してるだけだしね。



「当面は観光、か。」


まずは、幻想郷を見て回ろう。

地図が無くても幻想郷を自在に移動出来るようにならなきゃな。



そう心に決め、静かに瞼を閉じる。

流石に、今日は色々なことがありすぎて精神的に疲れた。


今は、しっかり休もう。




眠気が、襲ってくる。




こうして、俺の幻想郷での生活の初日が終了した。





願わくば、明日は平穏でありますように。

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