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初めて会ったティナはいきなりアルフォンスという俺の本当の名を口にした。なぜ名前を知っているのかと尋ねると、自分の家は貴族で俺の事は他の貴族から聞いたと言った。
そして自分は婚約者が嫌で逃げてきたのだと話した。
確かに貴族の中にはまだ俺の事を知っているやつもいるだろう。
だが俺の事を知っている貴族が居るとすれば、それは隣国のシュゲイザー王国の貴族のはずだ。ティナはシュゲイザー王国の貴族なのだろうか。
しかしもしそうなら、貴族の令嬢がたった一人で隣の国まで来れるだろうか?それにもし本当に令嬢だったならティナは冒険者として戦えるのだろうか?
いくら令嬢の嗜みとして護身術を学んでいたとしても魔物相手にそれが通用するとは思えない。
そんな疑問を持っているとは思っていないだろうティナは俺に、自分から魔物の見張り役をやると言った。
なぜこんな自信満々に言えるのだろうか。
ティナに対する不安は募るが、ティナの提案を断る訳にはいかない。
何せ、この街には知り合いは一人もいない。そんな街で俺とパーティを組んでくれる冒険者を探すのは不可能に近かった。
それでも俺の本名を知っている人間だ。こいつにバレずに、ティナという人間の本質を見極めなければ。
とりあえず、ティナが戦えないことが分かったら、俺が戦うことにしよう。
俺はそう考えて、いつの間にか俺よりだいぶ先を歩いていたティナの後を追うのだった。
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