ドラゴンを倒す者⑧
首の痛みが治らない。
兄は小さくうなずいて「確かに魔法特に、この世界の人間のつかう魔術はどこかで飛躍があった。ブレットは実は2次魔法に近い魔術を使えたんじゃないかという説がある。そうでなければドラゴンを10匹も倒せるわけがないという話だね。もちろん魔術師にまで広まったのは大勇者エリーが学園に通いだしたことが大きい。エリーは結局、マナと一緒に卒業するといって、強引に3年間で卒業したらしいけれど、魔術師は引き留めたかっただろう。」といった。いつもなら大勇者エリーの型破りな話と思って聞いただろう。今は我がまま少女エリーとうつってしまう。私は長年の疑問を口にする。「大勇者エリーは何で学校にいったんでしょう」錬金術師は魔法学園に行かない人が多い。普通の学校に通った後特定の師匠に弟子入りし、人里離れて暮らす、といっても魔法が使えれば大抵のものは作れるから不便はない。だからあまり錬金術師の暮らしというのは伝わっていない。「もちろん当時でも魔法学園い行く錬金術師はたくさんいた、魔術師がほとんど全員行くのに対して、錬金術師は3割くらいといわれている。珍しいとまでは言えない、ただ大勇者エリーは実は普通の学校のほうにあまり通っていない、12歳まで普通の学校に行って、3年以内くらいに魔法学園に通い始める。エリーは天才だった絵と歌だけは苦手で、それ以外は完璧。教師もかなわない。それが教師の面目をつぶすような形で発揮させていた。だから皆から腫物を触るような扱いを受けていたそうだ。そして学校に行かなくなる。」初めて聞く話だ。マナと出会う以前のエリーはあまり誰も語らない。普通に学校に行っていたなら、エリーは魔法学園にいかなかった。兄はそう示唆している。歴史は大きく変わる。錬金術師の性格の悪さは子供には受け入れられない。ある意味変人ばかりの魔法学園にこそあっている。エリー以降は錬金術師も多く学園に通うようになった。
エリー以前の魔法学園は何を教えていたのだろうか、私の興味は尽きない。
錬金術師何して暮らしてるか決めてなかった。