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錬金術師と魔術師は仲が悪い (0次魔法シリーズ①)  作者: sisousi.kenta


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大勇者と勇者①

某年某月某日 天使長兄妹

「100年ちょっとぶりかしら」

天使長の妹カティアはタリアに話しかける。タリアは震えが止まらない。今になって後悔をしている。

錬金術師となった勇者タリアはやはり錬金術師らしく後悔をし続ける。後悔するかもしれないと思いながら進みやはり後悔するのが錬金術師。タリアについて来たサラも震えが止まらない。天使長の兄オマールに押さえつけられ動けない。自分が死ねば月の民は絶滅の危機に瀕する。やはり彼女の心を支配するのは後悔だった。タリアは

「オマール様、カティア様、お久しぶりです。」と震えながら答える。初めて天使長と会うサラに比べタリアにはすでに心に恐怖が刻まれている。怖くてしかたがないということろだろう。覚悟ができているなど嘘でしかない。サラは自分が仕組んだこと、殺すなら自分をとは言いだせない。背負うものがある。そして単純に恐ろしい。どんな考えをもっても、どんな行動を起こしももお。その意見を天使長の二人が○○だからそれは許されないといえば終わる。沈黙でさえも咎められそうだけれど声が出ない。カティアがサラのほうを見る。タリアから一瞬意識をそらす。それだけでタリアは消滅するだろうことを感じる。ひょっとするとそれさえせずとも・・。2次魔法に達したものは世界より丈夫になる。誰でもという訳ではないが、人族や魔族で2次魔法に達したものは、その傾向が強い。達しにくい分強くなる。結果世界がなくなっても生き続けられる。そんな存在だったはずだ。

タリアが消滅するよりも早く、その攻撃とも言えない所作を防ぐ者がいる。

「カティア、やめてもらえるかしら。」大勇者エリーがその姿を現す。カティアの顔に笑顔が浮かぶ。久しくあっていなかった親友を見つけたような。

「エリーよく来たね。」サラはおまわずオマールをみる。オマールはカティアを見ている。タリアは生きてはいるけれど立ち上がる力も残っていない。何もしていない。そしてされてもいないのに。カティアが楽し気にエリーに駆け寄る。オマールは

「エリーはカティアの初めての友人だ」とつぶやいた。これから二人が敵対することは想像に難くない。エリーはカティアを止めに来た。それを心配げに見守る。世間知らずな妹を心配する兄。

2次魔法でも最上位のもの以外では意識を保つことさえできない空間。人族、魔族で歴史上最強クラスの私やそれ以上の実力のタリアでも。オマールが緩和していなければ厳しかっただろう、オマールは3女神にあって人族や魔族に口ではともかく実際には甘くなった。カティアは違う口では甘いことを言うようになっただけ。カティアはエリーの敵対をいったん目を背けているだけ。エリーはちらりとオマールを見た。カティアは

「どういうつもりかしら」と問う。

エリーは「その子は私にあこがれてるそうだから、助けてあげてほしいんだけど。大体ちょっと名前使われたくらいで怒りすぎ」といった。訣別の言葉だ。本来カティアの味方のはずのオマールがカティアに味方をすることを拒んでいる。丸く収めたいと願っている。エリーはローブの中で剣を握っている。宝剣、エリーが100年魔力を注ぎ育てた宝剣。過去11本の宝剣があり、1本はシエルの国に、1本は剣聖ケインに、手元には3本。6本はそれぞれ1次魔法者との戦いで砕けた。戦いで使用したことは10回を超える程度。そのうち6回で砕けた。砕けるまで戦った勝負ではすべて勝っている。


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