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31/37

31 熱い衰弱

なんでもない平日の 中途半端な昼下がり

家に戻る車の中で ハンドルを握っていた

知っている道だから

信号の赤、青だけを見て事務的に帰る

ちょっと前なら気になってた

前の車の急なウィンカー

ほとんど赤で交差点に飛び込む輩

小道から飛び出してくる馬鹿は

この所気にならない


そういえば、帰ってみれば

帰りの景色を思い出せない

駐車場をぼんやり横切りながら

この一時間ちょっとの記憶が飛んでいる

椅子に座り続けた腰の硬さと、右足のしびれの他には

──俺は何を見て帰ってきたのだろう


俺のこの役職は望んだものじゃない

いっそ潰れてしまえば楽になるのに

潰れないように奔走している俺がいる

全部放り出したら楽になるのか

失うものと同じくらいの安息は手に入る

とんだ貧乏くじをひいちまった


洗いざらい全部ぶちまけられれば

少しは楽になるだろう

真実は墓場まで持っていくしかない

俺に向けられる無数の矛先

矢面に立たされた案山子

寝てない、食ってない

それでも動けるってどういうことだ

吐きそうだ、泣きそうだ

心臓がずっと不自然に鳴っている

ふざけんな 俺が何をした

俺がつぶれれば全部おしまいだ

どうして破滅を選ぶんだ ふざけんな

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