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31 熱い衰弱
なんでもない平日の 中途半端な昼下がり
家に戻る車の中で ハンドルを握っていた
知っている道だから
信号の赤、青だけを見て事務的に帰る
ちょっと前なら気になってた
前の車の急なウィンカー
ほとんど赤で交差点に飛び込む輩
小道から飛び出してくる馬鹿は
この所気にならない
そういえば、帰ってみれば
帰りの景色を思い出せない
駐車場をぼんやり横切りながら
この一時間ちょっとの記憶が飛んでいる
椅子に座り続けた腰の硬さと、右足のしびれの他には
──俺は何を見て帰ってきたのだろう
俺のこの役職は望んだものじゃない
いっそ潰れてしまえば楽になるのに
潰れないように奔走している俺がいる
全部放り出したら楽になるのか
失うものと同じくらいの安息は手に入る
とんだ貧乏くじをひいちまった
洗いざらい全部ぶちまけられれば
少しは楽になるだろう
真実は墓場まで持っていくしかない
俺に向けられる無数の矛先
矢面に立たされた案山子
寝てない、食ってない
それでも動けるってどういうことだ
吐きそうだ、泣きそうだ
心臓がずっと不自然に鳴っている
ふざけんな 俺が何をした
俺がつぶれれば全部おしまいだ
どうして破滅を選ぶんだ ふざけんな




