25/37
25 湖底の葉っぱ
その言の葉は落ちて
水面に浮かんで
掬い上げられなければ
湖底へと沈んでゆく
美しい葉は拾われて
緑なだけの葉や
枯れてしまった葉は
深く深く落ちてゆく
水底の世界は波もたたず
ただ、紺の砂と
落ちてきた葉や枝だけが
音もなく
存在し続ける
湖はきらきら輝き
季節の色どりを
鏡のように映し出す
沈殿してゆく言の葉は
けれどその湖の底に
晴れた日も、曇りの日も
風が薙ぐ日も、雨の日も
嵐の時でも
じっと存在し続ける
誰かが
その存在を思い出した時
言の葉は
音もなく浮かび上がってくるだろう




