3章②
「ん?あッ!」
あのですね、彼には言ってなかったんですよ。「友達」の好きな相手が誰かって。でもなんか口に出ちゃってましたよね?うん。出てますね。なんか答え出たかもっていう高揚で。え。うわ。さ、さいあく……。
「ま、薄々気づいてたけどね。君たちが何かしらの関係だってこと」
「へッ!?」
「だってバンくんさ、すっごくベアちゃんにデレデレしてたよ最近。かと思えば急になんかちょっと目で信頼し合ってる感じになって」
「うッ!」
「テトラさんも気づいてるだろうね。まぁそもそも二人は同じ部屋借りてるし、ベアちゃんからテトラさんに何か言ってるかもしれないけど」
「おごぉッ!?」
しかしよくよく聞いてみたらバレバレだったようです。え、あ、い、いや、な、なんか照れますね。へへっ。へ、へへっ。はぁ……。うわ、恥ずかしいななんだこれ。い、いやでもそんな恥ずかしがることじゃないだろ!人の事好きになるなんて良い事だろ!だから堂々としてりゃいいだろ!!!なんて虚勢張ってもやっぱりハズいです。
しかもテトラさんにもかぁ……。俺、彼女になんて思われてるんだろう。まぁベアさんの事だから悪くは言ってないんだろうけど、それからどう思うかは彼女次第だし、うぅ。次顔合わせるのがちょっと怖い。
「とはいえまぁ、まさかそういう関係だとはあんまり、そこまで?思ってなかったけどね。いや~バンくんも隅に置けないね。このこの~」
「や、やめてください。恥ずかしいので……」
今でさえ、オーリー相手だけどまともに顔も見れません。手で顔を覆って隠してしまう。はぁ~っ……。こうなるならもっとちゃんと「友達」ってとこを強調しとけばよかった。いやまぁすぐバレたろうけど。一応そういうていでいればこうはならなかったんじゃない?
「いや、恥ずかしいことじゃないよ。いいじゃないか」
「そ、そう……?」
ちらりと彼を見る。やっぱり自信満々で、見てるこっちもちょっと自信が湧いてくる。そ、そうだよね!?良いことだよね!?それにここ、愛の女神の世界だし!どんどんやってナンボでしょ!!!
「まぁパーティ内での恋愛は若干嫌がられるけどさ」
「うぐッ!?」
あすいません調子に乗りましたそうですよねやっぱり人間関係崩れちゃうし良くないですよね。いやまぁ最初に誘ってきたのは彼女なんですがとはいえ好きになっちゃったのは俺だしなそもそもえっちするだけの関係だったはずだしな。
「でも、僕らのパーティなら大丈夫だよ。僕と彼女がそういう風になったりは絶対ないし」
「そ、そうだよね!?」
あ、だ、だよね~!?大丈夫だよね!?って、ん?なんだこのオーリーの余裕は。あのベアさん相手になんでそんな自信あるんだ?
「え、な、なんでそんな言い切れるんだ?」
「え?だって彼女、僕に全く興味無いからね。あ、もちろんそういう対象としてってだけだけど。あと僕もそうだし」
「へ?へぇ~?」
え、そうなんだ。あんなえっち大魔神の魔力に抗える人間がいるのか。あ、種族的なものか?それともこれが経験の為せる技?
というかベアさんもベアさんでそうなのか。サキュバスだから誰でもいいってわけでもないんだな。うわ、なんか安心した。正直コイツと戦ったら勝てない。イケメンだし、明らかに女の子の扱い慣れてるし、そもそも底抜けに良い奴だからな。俺みたいにひねくれたやつとは違って。
ん?でも、えっち大魔神だからってイケメンに飛びつくってわけじゃないんだな。……っていうか、そもそもなんで俺だったんだ?オーリーじゃなくて。
「というか、最初に声かけてきたのもそれを見越してだと思うよ。ま、僕が明らかに強そうだったってことも絶対あるけどね!」
「あ~はいはい。……?え?」
それにそうなると割と俺を選んだって感じじゃないか?パーティを組んだ時からこうなるつもりだったって事じゃないか?え?うそ?どうやったらあんな美少女が俺を選ぶんだ?考えてて悲しくなってきたけど今度聞いてみるか。いや聞けるか?そんなこと。ちょっとがんばらなきゃっぽい。ていうか無理かも……。
「だからまぁ、もっと仲良くなったらデートとか誘っていいと思うよ。今の関係がどうとか考えたりせずに。だって彼女、多分こう言う事の要領もいいし、それぐらいでパーティがぐちゃぐちゃになったりしないでしょ」
「へ?」
で。
「デートォッ!?」
「うわびっくり」
「あ、ご、ごめん。で、でもデート!?で、デートってあの!?仲の良い男女が二人っきりでするあの!?」
「うん。そのデート。……っていうか、そろそろお店変えようか。せっかくバンくんが大声出してちょっと居づらくなったしね」
「うッ」
いやすみませんねオーリーさん。で、で、でもこちら、彼女いない歴=年齢なもので……。っていうか辛辣だな……。ごめんて……。次の店奢るからさ……。




