葬式
俺は親族席で小鳥遊陸の葬式に出席していた。
「双子ちゃんも片方だけ先に亡くなって残念ね〜」
親戚のおばさんがいう。
空と陸は双子だった。
仲間は全然違ったが外見はまるでクローンのようにそっくりであった。
小鳥遊陸の葬式は厳かに執り行われた。
クラスメイトは誰1人としている来ることはなかった。
あいつの死因は他殺。
自宅に彼しかいなかった時強盗に入られた。
そしてその強盗に殺された。ということだ。
そしてそれを最初に見つけたのは俺だった。
大きく荒らされた家の中で俺はあいつの死体を見た。
俺たちの家は街から少し離れた辺鄙なところにあった。周りには住居がいくつかあるだけ。誰も強盗には気づかなかった。もちろん防犯カメラなんてものもなく犯人探しは難航しているようだ。
周りでは未だ大人たちが悲しそうにしている。しかし俺は全くそんな気持ちはなかった。
俺はあいつが大嫌いだった。周りは俺たちのことを仲の良い双子と思っていたようだが事実は全く違った。
あいつは死んで当然の人間だったのだ。
正直あいつの葬式に出るのも嫌だった俺は、仮病は装って1人式場を出て帰宅した。
周りはどうも双子の片割れが死んだことで相当参っている。そう捉えたようだ。
式場を出た俺が考えていたことそれは空腹を満たすことだった。
長い葬式で腹が減ったのだ。
幸いにも金には余裕がある。
1人豪勢に外食でもしようか。そんなことを思いながら俺は足を進めた。
あいつの死はもう忘れた。忘れようとしていた。




