ドラゴンの尻尾の一撃では
ドラゴンの尻尾による攻撃で身体に苦痛が走る!!
まずい!やばい!!です!!
「まさか...始まった瞬間とはな...」
俺は地面に伏せた状態のままつぶやく。
現在の俺はと言えば、ドラゴンの尻尾によって飛ばされたため、仲間たちとの距離が大きく開いている。
そして何より、尻尾そのものの打撃によるダメージと吹き飛ばされた際に地面を転がった事による二次的ダメージもあり、俺自身の動きが大幅に制限されている。
そんな俺に対して無慈悲にドラゴンが光を蓄え始める!
『ォォォォオオオオオオオオオオオオーーーッッ!!!!!』
まるで雄叫びをした時のようにではあるか、今度はその光に熱が帯びているかのようである。
そう炎が口の所々から溢れ出ようとしているのだ。
これは炎の息!!
『『息・炎』カッアァァァァァァァァァァァァァーーーッッ!!!!!』
ドラゴンの口から放たれた炎は俺の方へ向かってくる!!
目の前の地面が次から次へと確実に炎に呑まれて行く様子を眺めている俺は自分の番が近づいて来るのを直感する。
俺はこのまま焼かれてゲスな焼き狼になってしまうのか?
今まで、この世界に来て本当にいろんな事があった...。
熊と戦ったり、サバイバルしたり、恐竜みたいなのと戦ったり、船に乗って旅して、蟹と戦って....
本当に楽しかったなぁ...
たむちゃん、ラフィーヌ、アリア姐さんと言った仲間たちに出会えて本当によかった...
....
.....?
「あれっ?ちょっ!!助けてくれるようなフラグ立てたんだが!!マジで死ぬの?ちょっ!!助けてぇぇええ!!!」
「大丈夫か?ウル!!」
丁度、俺が叫んだ時にアリア姐さんが駆けつけて来てくれた!!
助かります!!
やはり、これは助けてくれるフラグなんですね!!
死にそうな時に毎回このフラグを立てよっと!!
「あぁ、大丈夫だ、問題ない...っと言いたいとこだが、今は非常にやばい!!とにかくまずは炎の攻撃範囲内から逃げよう!!」
しかし、気になることはアリア姐さんがドラゴンの炎の息よりも速く俺の近くにこれたことだ...
まぁ、助かるならこれに越したことはないんだが...
「じゃあ、少し捕まっててくれ!!」
「わかった!!頼むぞアリア姐さん!!」
俺はアリア姐さんの肩に負ぶさって貰った。
アリア姐さんは俺が背中にいるのを確認した後、全速力でドラゴンの炎から逃れるために走る。
だが、俺を背負っているためか、俺を助けに来てくれた程の速さはない!
なんとかギリギリ逃げ切れるといった速さである。
俺はと言えば、アリア姐さんの背中に載せてもらっている。
そんな俺は両手を前に出していると、アリア姐さんの胸にちょくちょく当たってしまうのことに気づく。
少し、幸せな気持ちとそれ以上に罪悪感が込み上がってくる.....
「危ないなあ!!ウル、後ろで燃えてないかー?」
「えぇ、お掛け様で!!」
何とかドラゴンの炎をアリア姐さんは逃げ切って、たむちゃんがいるところへと運んでもらった。
「ウル!!大丈夫ですか!?今、回復するですよぉ〜!!!」
「すまないな..たむちゃん!!」
俺の顔を見た瞬間、たむちゃんは空気が変わったかのように雰囲気が一変し、焦りの表情の状態である。
俺、そんなにやばい顔しているのかな?
「『魔法・回復ですよぉ!!』」
たむちゃんの魔法の発動した後、俺の周囲に光が宿る。
そして、身体中傷だらけだった見た目も少しづつ元に戻り始め、熱を帯びていたような苦痛も薄れていった!!
気持ちも心も何だが清々しくスッと軽くなった気がする!!
俺は素直に感謝の気持ちを伝える。
「ありがと、たむちゃん!!」
「はいですよぉ〜!!」
俺の感謝に対してたむちゃんは元気に答えてくれる。
いつもありがとうな!
しかし、和んでいる空気ではないのは俺でもわかっている。
「....でも、これで振り出しね」
ラフィーヌの一言の後、ドラゴンは大きく構えて王者の余裕の表情をーー正確にはわからないが多分そうだろうーー示している。
何とかファイアブレスから逃げ、回復することができたわけだが、これだけでは振り出しに戻っただけだ!!
さぁ、どうする!?本当に誰も気づくことがなかったのか!?
それは次回になります!!
すみません!!明日、授業でテストがあるので、今日は勉強に時間を使います!!
ではっ!ゲ砂田焼き鳥でした!!




