ルーヤとの戦いの決着では
ルーヤとの戦い決着。
そして...
「...生きている!?」
始めに驚いたのはアリア姐さんだ。自分の中で高く評価していたルーヤでも、流石に生き残れないと思っていたのだろう。
そして、そのアリア姐さん後に続くかのように恐怖の入り混じった声を漏らす。
「あのウェポレスのレールガンを直接に食らっても...ピンチですよ~!」
「そ...そんな、あたしの...ウエポレスの...レールガンを.....」
何よりこの中で一番、驚きとショックを受けているのはラフィーヌだろう。
自分の自信のあった一撃を受けてなお、立ち続けている敵がいるのだから。
『ヌガガガガガガッガガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーッッッッッ!!!!!』
「な、なんだ!?」
ルーヤは雄叫びを上げた。しかし、それは今までのとは明らかに違い、まるで何かを呼んでいるかのようであった。
ルーヤの叫び声の後にその声に反応するかのように空が変化し始めたのだ。
空は紫と黒が混じり合ったような色をしており不穏な空気が漂う。
その急速すぎる環境の変化に俺を含む誰もが恐怖を覚え、体から熱が出ていく感覚に襲われる。
そして、その禍々しい空に変化が生じた。
空の中心から渦のようなものが発生しゆっくりと回転を繰り返す。
「な、何だよ!あれは!!!!」
「空が急におかしくなったですよ~!!」
「あ...あれは、<召喚魔法>....!?」
ラフィーヌだけがこの謎現象についての理解ができたのだ。いや、理解と言ってもあくまで、予想の一つとも言えるが。
ついに、回転していた渦の中からまばゆい閃光の光が放たれ、俺達は反射的に目を隠す。
恐る恐る瞳を開けてみると、巨大な生物がいた。
見た目としては、人型の体を持っているが人間のものとは比べ物にならないほどの筋肉量。
腕が膝につくほどの長さ。
全体の大きさ。
そして何よりその顔だ。
怒り狂ったシワだらけの顔で頭に生えている角から鬼をイメージさせる。
「でかすぎる....!!巨大な...鬼!!!」
「あ...ああああ....」
『ガガガガガッガガガアアアガッガガガガガガッガアアアアアアアアアアアアガッガガガッッッッッッーー!!!!』
ルーヤが声を上げた瞬間、それに反応するかのように、それがまるで指示だったかのように動き出した。
大きく振りかぶってウェポレスを殴り掛かる。
その大きさに似合わず素早い動きで見事、拳で要塞への攻撃を成功させる。
殴るというシンプルな攻撃だったが、ウェポレスには大ダメージで、とても大きく凹んでおり、あらゆるところから煙を上げている。
『エラーエラー、とても大きな損害を受けました。エラーエラー、とても大きな損害を受けました。』
「ーーっう!!!!....い...たい」
瞬間!!
ウェポレスが攻撃を受けたと同時にラフィーヌが苦しみ始めたのだ!!
「ど、どうした!?ラフィーヌ!!!」
「あ....あ..ぐっ....」
「ウル。ラフィーヌが苦しみだしたのはあの精霊がダメージを受けたときだ....つまり..」
「ラフィーヌとウェポレスはつながっているんですか~!!!??」
タムちゃんの質問に対してラフィーヌは苦しみながらも頷く。
その後、ラフィーヌは地面にへと倒れ込んだ。
「「「ラフィーヌ!?」」」
倒れる音が発生すると同時に、ウェポニックフォートレスは薄くなっていって、弾けるかのように消えたのだ。
この状況は明らかにまずい!!
「たむちゃんはラフィーヌに回復魔法を!!!ルーヤは...俺がなんとかしよう!」
「ウル!一人じゃ無理ですよ!!!!!!」
「そんなことはわかっている!!!」
「!!」
「...すまないたむちゃん。俺は...男として..仲間の役に立ちたいんだ!!」
「ウル....」
「わがままなのはわかっている。自己満足なのはわかっている...もし...俺が..帰ってこなかったら、生き残ってくれ!!」
「ウル!!絶対に...戻ってきてくださいですよ~!!!!!」
「...ああ!!!」
俺はルーヤの方へ向かって地面を走る!
全ては、仲間のため!
全ては俺自身のために!!
幸いあの巨大な鬼の化物は姿形がなかった。
どうやら、時間制限があるらしい。
これなら....俺でも時間が稼げれそうだ。
「ウル!!君一人には行かせないぞ!!」
!?
俺は走っている後ろから声をかけられて驚きを隠せれなかった!
そう、この声はアリア姐さんだ。
「アリア姐さん!!なんで...」
「それはこっちのセリフだぞ?そもそも、ルーヤは私の仲間で、私の調査団の隊員だ。私が戦いに行って当然だろ?」
「で、でも...」
「それに....ウル..君を一人にはしない!!」
その迷いなく言い切ったアリア姐さんの瞳には調査隊隊長の決意を感じ取れた!
「...分かった!なら一緒に戦おう!!」
『ガガガガッガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!』
ルーヤは開戦の合図ごとく雄叫びを上げる!
俺は手のひらサイズの罠をルーヤ目掛けて投げつける。
ルーヤは回避することなく俺の罠を正面から受けた。
俺の罠はぶつかった瞬間に爆発音を起こし、非常に濃い煙を発生させルーヤの視界と嗅覚を鈍らせる。
ルーヤは正面から受けたことについて後悔をしつつ、周囲を警戒する。
しかし、警戒したところでなにも捉えることができない!
「済まないな...ルーヤ!!」
『グッガッーーーーーッッッッ!!!』
煙に紛れてアリア姐さんはルーヤに斬りかかる!
その後すぐに煙に隠れる!
この動きを何度も繰り返して確実なダメージを与えていく。
しかし、そのうちにルーヤは両手にある二本の剣を振り、風を起こして煙を瞬時にして振り払う!
「そこだああああああああ!!」
『ヌガガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッッッッッーーーーーーーー!!』
アリア姐さんは、なんと刀を二本とも使ってルーヤへと向かう!
ルーヤは二刀流のままなのでこの状況はまさに二刀流VS二刀流だ!
今までに見たことのないような剣のぶつかり合いのラッシュ!
剣の威力により周囲の地面を削り取り圧倒的な風圧が発生する!
「ルーヤ、覚えているか?君と初めてあった日からほぼ毎日私に戦いを挑んできたな....」
『...』
「勝ち負けはあるだろう。だが君は負けたときも楽しそうにしていたな...みんなに戦い方を教えたりして...」
『...ガ』
「今だ!!『必殺奥義罠・天変地異』!!!!」
俺の不意打ちの叫びと同時に巨大な爆発が発生し、その爆発源が落とし穴となりワイヤーが出てきたり、岩や、雷が落ちたりとした。
そう、アリア姐さんがルーヤと戦っている間に、俺はありったけの罠をかき集めて配置したのだ。
俺の自慢の一撃だったが....どうやら罠の数が少なかったらしく、今だルーヤは立っている。
「私が...彼女に...最後を...」
「わかった...アリア姐さん。」
アリア姐さんはルーヤに近づき剣を握る。
「ルーヤ....君を..救えなかったこの無能な隊長を......許してくれ...」
『....ッ』
「すまない....そして....安らかに....」
『....タ.....イチ....ョウ.....ァ...り....ーーーーーーーーーー』
アリア姐さんの剣はルーヤの体を貫いた。
貫かれたルーヤは涙混じりの震えるような声を出し息絶えた...
その瞬間...アリア姐さんに調査隊の時の思い出のフィルムが流れる。
「あ、あ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
仲間たちの思い出が最後によみがえったアリア姐さん。
街には平和が戻ってきたが.....
続きは次回になります。
23話『部屋違いでは』にレンヤ・サンナイトの挿絵を入れました!
私、焼き鳥は集中力がないのですぐに描きましたw画力が低いので頑張りたいです!
次は...次こそは女子キャラ描きます!多分w
では、ゲ砂焼き鳥でした!




