ヒィジム王とレンヤの会話では
レンヤ・サンナイトの考えとはいったい...
前書き アリア・ファンフィール・ネイサ
アリアはレンヤに言われた通りに、近くに座っているヒィジム王にトランシーバーを渡す。
その見た事のないものを受け取ったヒィジム王はこの物体のことについての質問をする。
「アリア隊長...。これは...いったい?」
「トランシーバーと言うものです。これで会話が可能です。」
遠くにいても会話することが出来るもの...。
不可思議な物であるということから錬金術で作り出した物であるということを理解する。
とは言っても、始めて見たものであり、そのまま言っていることを鵜呑みには出来ず、若干戸惑い気味で、そのトランシーバーを受け取る。
「えーと、ヒィジム...」
『やっと喋る気になりやがったか、ヒィジム王。』
トランシーバー越しではあるが、身分が上の者に、対する言葉遣いとは到底思えないようなセリフがヒィジム王の周囲に鳴り響く。
そんな無礼な者の存在に対して真っ先に近くの兵士が声を上げたのだ。
「な、なんて失礼な奴だ!!ヒィジム王に向かって!!」
それもそうだ。
この国はヒィジム国。
で、この方はこの国の国王に当たる方。
つまりは、最も身分が上の方となる。
そんな方に対して失礼な言葉遣いをする奴をヒィジム国の兵士として許して置けないのだ。
しかし、そんな、兵士の怒りはその忠誠を誓っているヒィジム王の左手によって抑えられる。
「いや...よい。相手は、レンヤ・サンナイトだ。その、話とは?」
『あぁ、スィーハへ支援、及び、救助の依頼をするのなら、オレの仲間たちを連れていった方がいいんじゃねぇのか?』
「仲間...とな?」
『あぁ、オレの仲間だ。』
確かに、レンヤ・サンナイトの仲間となれば心強い。
スィーハ国王に頼みに行く際に、あのタイラント帝国に狙われるという可能性が無くもない。
もし、タイラント帝国に襲われた場合に戦える者が誰も居なければ、それは絶望的だろう。
しかし...
「しかし、それなら、レンヤ・サンナイト自身が来てくれた方が安心感が...」
『...馬鹿かテメェ?オレが付いて行ったら、本命のここは誰が守護すんだ』
「流石、レンヤ・サンナイト...。では、早速、私...」
「いや、僕が行こう。」
ヒィジム王の言葉を遮った馴れ馴れしいセリフは隣りの少年の口から放たれた。
少年の見た目は、金髪で顔立ちは整った方であると言える。
しかし、この傍から見ると無礼極まりない行動であると言える。
が、あの兵士は大人しくしている。
それは何故か?
答えは簡単だ。
ヒィジム王の息子...つまり、この国の王子だからだ。
「いや、しかし、お前にこんな危険な事は...」
「父さ...いや、王は今この国のみんなを助けないといけない。だから、僕が行って、役に立ちたいんだ!!王子として!!」
「無理に行く必要は無いんじゃないのか?そのレンヤの仲間たちだけに任しておけば...」
『...正気か?ヒィジムの王か王子が行かねぇと、偽りだと思われちまうだろ?それに、向こうの王に会えるかどうかわかんねぇようになる』
むむむ!!
なら、我が息子を信じるとしよう!!
「...色々と大変かもしれないが頑張るのだぞ?」
「わかったよ!!父さん!!あ、ヒィジム王!!」
王子の決意のこもった返事が聞こえたのか、レンヤはすぐにトランシーバー越しに声を上げる。
『決まりだな、さぁ、とっとと準備をするぞ。おい、アリア隊長。その王子を連れてこい。ウルたちのパーティで出発するんだからな。』
「なるほど、わかったレンヤ・サンナイト。なら君がこの国を守ってくれ!!」
『...当然だ。』
そう言って、レンヤとのトランシーバーでの通信は終わったのだ。
では、早速、準備を始めますか。
「では、王子くん。よろしく、頼むぞ?」
「えぇ、宜しくお願いします。アリア・ファンフィール・ネイサさん!!」
・
俺とラフィーヌ、たむちゃんは現在、このヒィジムの出口の所で仲間が来るのを待っている。
仲間と言うのは、今回、スィーハへと向かう際に、いつものパーティに+で王子がいるというメンバーだ。
これはレンヤから言われた事で、急に決まった事なので移動手段は持っていない。
だから、その移動手段を王子とアリア姐さんが用意して来てくれると言われていたため、待機している状態だ。
いや〜しかし、いつ見ても、このヒィジム国を囲んでいる壁。
本当に頑丈そうで、とても大きい!!
...ん?
待て...よ。
俺は壁を隅々に見回すと、不可思議な事が1つ合った。
そう、壁が異常な程に綺麗なのだ。
全くヒビが入っていない。
これ程までに美しい建築物を建てるのは...いや、そこではない!!
タイラント帝国がどのようにして攻めてきたのか...だ。
壁を壊さずに、このヒィジムを攻めるというのは...
空からか?
それとも...
「ウル!!アリアが見えて来たですよ〜!!」
たむちゃんが指さす方へと俺は振り向くとそこには確かに俺の仲間のアリア姐さんと、変なナルシスト野郎ふざけた何でもかんでも好き放題欲しい物はすぐさま手に入る甘ちゃん環境で生きてきたっちゅー顔をしている少年...いや、青年が馬車を連れて来ていたのだ。
その馬車は、馬2匹が横に並んでいる状態であり、その組が3組あることから、合計馬は6匹である。
そして、俺たちパーティメンバー4人+王子、計5人が乗ったとしても、余裕のある大きさであることが外見からも確認できる。
「なるほど、これでスィーハ国へと向かうんだな?」
「そうだね!この馬車に乗ればすぐに着くことが出来るよ!!」
随分と馴れ馴れしく話しかけてきたぞこの王子野郎。
初対面だろ?
「えーと、あんたが王子?」
どうやら、ラフィーヌはこのヘンテコ野郎のことを王子だと理解して無かったのか、それともわざとか、素直に問う。
そのラフィーヌの質問に対して、王子は笑顔で答えるのだ。
「うん、僕が、一応、このヒィジムの王子...になるかな!!自分で言うのもあれだけど」
「そう。あたしはラフィーヌ!錬金術師よ。」
「そして、私はルシュタムですよ〜!!」
「なるほど、ラフィーヌさんにルシュタムさんですね!...それで、そちらのあなたは...?」
たむちゃんとラフィーヌの自己紹介を受けて、それでちゃんちゃんでも良いのに、俺の名前も聞きにきやがった。
ちっ、俺はこういう奴はあんまり好きじゃないんだが...
「俺は、ウル。ウル・ファントム!よろしく〜!!」
俺も満面の笑顔で自己紹介をする。
そう、満面の...ね。
「ウルさんだね!よろしく〜!!」
次回はいよいよ、スィーハへ!!
そして、サービスシーン追加か!?
現在、昨日からサービスシーンのイラストを描いております!!
頑張ります!!
では、ゲ砂焼き鳥でしたっ!!




