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目覚め

僕は、研究室に着くと、静に今日あったことを話し、(怪我こそ、この時代の美智

子さんが回復してくれたので、ないものの、)疲れたので、寝ることにした。翌朝

、またしても、布団を剥ぎ取られることで目を覚ました。昨日のように、おっは

よう、お兄ちゃん、とくるかと思ったら、そこにいたのは意外にも、光秀だった

「飯、だとよ。しっかし、あの眼鏡美人が未来の静ちゃんだってな、びっくりし

たよ」

「怪我もう、大丈夫なのか!?」

光秀は二の腕をだすと、力こぶをだした。

「この通り、ピンピンしてらぁ。だいたい、怜の攻撃で俺が死ぬわけないだろ」

僕はそうだな、と相づちをうち、ホッと安堵の息をついた。ところで、と、

「何で僕の布団を剥ぎ取ったんだ、それが会田流なのか?」

と、やや怒り調子で聞くと、

「いや、静ちゃんから、それが、うち(今河)の流行りだ、ときいて」

(あいつにとって)何年前の流行りだよ! と、光秀につっこんでしまった。


いつも通り、静による、ミーティングが始まる。光秀の話によると今までの大

体の概要は静から聞いたらしい。白板を教鞭のようなものでペシペシとたたきな

がら、

「いい! 今日はお兄ちゃんが手に入れた(グランドマスター達のいる)天使界の

鍵を使って、天使界の閉ざされた世界に行ってもらいます。今からの目的は、二

つ。まず、グランドマスター達に実力を示し、認めてもらった上で、協力を頼み

、あわよくば、邪影石の破壊と神聖石の捜索の手伝いをしてもらうこと。……そ

れとグランドマスターの美智子さんの復活もしてあげたいんだけど、同時に邪影

石の意思も復活するのよね。そこも、グランドマスター達と協力して。大丈夫、

お兄ちゃん達なら。もうひとつは閉ざされた天使界にいる間は、来ない、と思う

けど、またしても操られてる怜さんがお兄ちゃんを狙ってくる可能性は高いと思

う。だから、今度こそ、怜さんを連れて来て! 私達が、絶対、なんとかするか

ら!」

光秀が、ポリポリ、と頭をかくと、先生、と手を挙げた。

「はい、光秀君」

「天使界の閉ざされた世界ってのと、鍵って何ですか?」

静はふむ、と言うと、説明し始めた。

「天使界には、いくら調べても絶対に行けない世界があるらしいの。身近なもの

で言えば、グランドマスター達の世界や、神聖石のある場所、ね。それには、鍵

が必要。鍵は物であったり、言葉であったり、いろいろなんだけど、それがない

と、閉ざされた天使界は開かないことが判明している」

あー、なるほど。と、僕と光秀。どうりで僕達の時代では神聖石が見つからなか

った訳だ。って、この時代でもか。僕も質問する。

「その神聖石の場所へと導く鍵を探すための手がかり、とか、ないの?」

静は即答した。

「ないわ。だから、閉ざされた天使界に行き、グランドマスター達に会えるのは

、好機! 同じ閉ざされた世界である、神聖石の場所に近づけるかもしれないし

、グランドマスターの力を得られるかもしれない。とりあえず、行ってみて」

静に地下の天使界に行く前に、呼び止められ、何かを二つ渡された。二つとも同

じ物で何か、黒っぽく、丸みを帯びた、細長い……。何かきいたところ、

「両腕にフィットして、装着できる強化プレートシールドってところかしら。厚

みはそれほどでもないけど、カーボンの強化版プレートだから、だいぶ、衝撃を

緩和できるはずだし、軽いはずよ? お兄ちゃんに合うと思って」

僕は素直にありがとう、大切に使うよ、と言い、光秀はちぇ~、俺にはスーパー

グッズがないのかよ、と言っていたので、なだめようと思ったら、

「それがね、あるのよ、光秀君。同じ素材なんだけどね」

と、静はその強化なんたらの靴(片方だけ)をとりだし、光秀に渡した。グラビテ

ィ・バウンドに使え、ということだろう。光秀は、うわっ、ありがとう、静ちゃ

ん。と、言って、静の両手を握った。……、シズカニテヲダシタラコロスヨ、ミ

ツヒデ。

 そして、今、僕と光秀は研究室の地下の天使界にいる。石になっている美智子

さんが、そこにあった。光秀は、未来の美智子か、お前を助けてもらった借りも

あるし、今度はこっちが助けてやろうぜ。なりより、未来の美智子だろうが、過

去の美智子だろうが、俺達の仲間だもんな! 僕は静かに頷いた。そして、僕が

、美智子さんに何かを書いてもらった右手を掲げ、グランドマスター達のいる世

界、と念じると、光の扉が出てきて、僕らはそれに入った。



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