自分の異能
三,
身長が120㎝になった。私は7歳になった。まだ自分の異能がわからない。村の子達は次々と自分の異能を見つけていく。大体は実用性のないものだが、使い用によっては人を殺せそうなものもあった。まぁ、本人は気づいていないのだが…。
私はいつもの草原の一本の木の下で本を読む。最初の方はなんて書いてあるかわからなかったけど、今じゃ難しいものもスラスラ読めてしまう。すると、アルマ姉さんがぴょんと飛んできた。何かニコニコしている。…何を企んでいるんだ?
「…どうしたの?姉さん」
「なんだと思うぅ?」
本当に何を……?
「じゃんっ!」
そう言って姉さんの手が差し出される。その上には、クマのぬいぐるみだ。
「…可愛い…」
「でしょっ?!」
相変わらず姉さんは私のことを子供扱いをする。なんだか、このぬいぐるみ見ていると昔考えたことを思い出す。
動いたらどんなに可愛いんだろうなぁ…。
ん?動いたら……?もしかして…
私はそのぬいぐるみを自分の足元に置いた。自分は顔がつくんじゃないかと思うくらいに地面に近づけた。
「何しているの?」
「…ムムムムムムムム……」
するとどうだろう。ぬいぐるみはひとりでに動き始めた。姉さんは驚く…
「ヤッタァ!成功だ!」
「何?何?何が起こったの?どうして動いているの?」
戸惑う姉さんに私は元気よく説明してみせる。
「私の異能だよ!これが!私の異能は、
『人形を操る能力』
なんだよ!」