夢
処女作になります。
あったかい目で見ていただけたらと思います。
基本主人公が無双することになります。
子供のときに描く夢。
本気で誰もがなれると思い、憧れ、目指す。
そして、大人たちから「それは無理だ」と抑えつけられ、成長し無理だと諦め、目標を失い、日々を無駄に過ごしてゆく。
吉良 優もその1人。
テレビアニメの中で憧れた英雄。
しかし、悪役などは存在せず、剣や魔法も怪物もない。
去年、大学を卒業後、中小企業に就職し真面目に働いていた。
時刻は23時を過ぎた頃、優は仕事を終え、家路を急ぐ。
「あー、今日も疲れた。あのクソ上司いつか絶対ギャフンと言わせてやる。帰ってアニメ見て寝るか。」
家の近くの路地を曲がると、1人の女性がこちらに歩いてくる。
優の大学の時の同級生の宮崎 真奈である。
茶髪のよく似合う普通の女の子。
優とは、サークルが同じで仲も良かった。
お互いに想いあってはいるが、どちらも行動に移すことはなく、付き合ってはいない。
彼女は優を見つけると、
「あ、優!今日も仕事遅かったの?」
「真奈か。そうだよ。クソ上司にこき使われてきた。」
「優も大変だねー。私は高田先輩に呼ばれて会ってきた。あの人、いやらしい目で見てくるから嫌なんだけどしつこくてさ。もう連絡してこないでって、さっききちんと言ってきた帰りなの。」
高田 博司。
ガタイが良く強面であり、優たちのサークルの先輩で真奈に執拗に迫っていた。
優も真奈と仲がいいこともあり、高田から嫌がらせを受けることがあったが、うまくかわしていた。
「あの人もまだ真奈のこと追いかけてるんだな。その一途さだけは尊敬するよ。」
「優はいいの?いつか私が高田さんに取られちゃうかもよ?」
真奈はそう優におちょくるように告げる。
優は負けじと返す。
「そうなったらそうなったで面白いからいいよ。」
「そこは、僕が守るよーとかかっこいいこと言えないの?ダメダメなんだから。」
優と真奈はそこから、そんな調子で夫婦漫談を続けていた。
優自身、仕事の疲れがなくなるような、楽しさを感じていた。
優はそう真奈に悟られまいと背を向けて立っていた。
ドスッ‼︎
突然、その音が優の耳に鳴り響いた。




