テイルズテイル ~Tale's Tale~

サーベラス編 ～The Beginning of Farlesia～

始原の章《彼ノ者タチノ記》

世界というものは一冊の本である。

人々が生きた人生を物語として、その全てを記した一冊の本。無限にページを増やし続ける、そんな生きた書物である。

そして、その物語を見つめ編纂する《私達》もまた、その本(せかい)の中に存在している。

――何者に命じられたわけではなく、ただそれが役割であるが故に。

これから語るのは、ありとあらゆる可能性の中に生まれた、一つの少年(せかい)の人生(ものがたり)。

《私達》が唯一交わる事の赦された、そんな存在(ゆうしゃ)の物語。