あとがき
『ハロー二〇二〇年前後を生きる皆さん。こちらは二〇五二年だ。
今、目の前には信じられない光景が広がっている。そう、VRギアを外している人がちらほら見られるのだ。
あの戦いの前ではありえない光景を見ることができて今更ながら達成感を感じるよ。それもこれも皆仲間の、イオリのおかげだな。
具体的な変化を調べたところ、どうやらDW及び、同会社の配信しているゲームサービスが停止したらしい。そのおかげでゲームを辞める人も増えたって訳だ。
さらにその影響は経済市場も変えたようだ。ゲームから離れた人々はVRギアを着けるのが面倒になり、連絡やインターネットは一昔前の携帯電話を使うようになったらしい。これで俺の仲間が増えたな。
それだけでなく、テレビを見てもVRについて否定的な意見を出す人や警鐘を鳴らすコメンテーターもかなり増えたようだ。今まで誰一人としていなかったのが異常なのだが、これからVRに対する危険を煽って行けばいずれは更に現実と向き合う人が増えるだろう。
あの電脳世界を通じてゲームも悪くないなと思ったが、やはり現実には勝てないと感じる。こんなゲームに逃げたくなるようなことばっかりでも、それに勝る喜びや楽しみが沢山あるのだ。
それにやっぱりあんな色をした空で戦うよりは、青い空に浮かぶ白い雲を数えて、遠くに臨む山を見て、エメラルドグリーンの海を描いて。そんな人生を歩みたいと思う。そしてそんな仲間が増えたら最高だ。
VRによる事故もこれから減っていくだろう。これで俺の両親も浮かばれるかな。だといいが、それよりもこれから事故で死ぬ人が、悲しむ人が減る方が大切だ。俺らは被害者を減らすために一役買えただろうか?
最後に、身近なところで永遠の両親がVRギアを外したらしい。どうやら今までの異常さに気づき、泣きながら永遠に謝ったそうだ。今は永遠が作っていた料理も一緒に作ったりして楽しいと永遠も言っていた。永遠がお礼をしてきた時の喜びに満ちた顔を忘れることはないだろう。
今後はイオリにこの世界の楽しさを見せつけるように生きていこう。
願わくば、あの電脳世界が二度と現れませんように』




