Episodio 32 負の式 ~研究所ノ指令ニヨリ直チニ帰還セヨ。
連続で書いてみました。この世界観好きです(自分の小説)
今頃になって思い始めます。
これ満足のいくエンドが来る気がしません。まぁいつものことか。
では、本編をお楽しみください。そして、おやすみなさい。
「あなた、はやくどうにかしないと...」
「ああ、まずいな...うちにこのまま『死体』を置いておくなんて...」
『ゲーム中の子供が突然倒れ、そのまま“意識不明”になる事件が多発しています』
「まさか...香美は死んだんじゃ...無い...?意識不明ですって...!?」
『現在、電子病研究チームの研究も終わり、「この装置にゲーム機と共に入れれば意識を取り戻す」とのことです。では、電子病研究チームより○○さん...』
『治療はできるだけ急ぎましょう、善は急げです!手遅れになる前に!!』
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「ではみなさん!三列に並んで!!」
「押さないでください!治療は急がなくても間に合います!!」
けたたましいガイドの声と、大人たちの叫び声。大人たちはみな小中学生程度の子供を抱えている。
こうやって大混乱を招くから、こんな商売は辞めて置こうって言ったのに...
「うちの子供は!うちの子供は助かるんですよね!?まだ死んでいないんですよね!?」
死んでいるにきまっているじゃないか。TVゲームをやっていた子供たちが突然動かなくなる事件から早2年は経つ。二年間も体が動かない状態なんだから、死んでいるにきまっているじゃないか...最初は皆同意見だったというのに。みんな頭がイカれていやがる。
『だから!これで!動かなくなった子供たちを元に戻せるんですって!』
『馬鹿を言うな!そんな道具があるはずないだろう!』
『そういうんなら確かめてきてくださいよ!!』
『良いだろう、少年院内の電子機器系身体不動病児を連れてこい。今ここで実験してやる。』
あの実験でも、成功なんてしていなかった。だというのに、皆は感動し拍手喝采、今すぐに広めようとTVですら取り上げられている...皆洗脳されたんだ。俺だけ、俺だけ精神が強くて、洗脳を受けなかったんだ。きっと、この物語では俺が主人公になる感じなんだろう。研究所のみんなの洗脳を解いて本当のことを教えて回る物語...
「成功...した...!!」
「成功したぞぉぉ!!!」
...あれは...高校生の父母か。まさか本当に...?
「やめろ...!離せ...!セシダリアが...ガルシアアーミーが...!タービン!アイシル!メイプル!みんな!みんなはどこなの!?」
「あなたは永い夢を見ていたの...ほら、もう心配ないわよ...」
「嘘だっ!!そうだ...これが夢だ...!早く戻らなきゃ...ゲームの世界が...世界が滅びるッ...!!」
「辞めて!!もう辞めて、香美...!!」
どういう事だ、さっきまで、普通に、タービンと、アイシルと、メイプルと、パスラーと、皆と一緒に居たはずなのに...普通に...ただ普通に...
早く戻らなきゃ...今頃強敵と戦ってたりいないかな?タービンが居れば大丈夫だろうけど...、もし賢者なんて現れてたら...
「...あれ...ッ!?カミュ!?皆!?」
隣から叫び声が聞こえる...!間違いない、タービンだ!
「タービン...タービン!そこにいるのね!!」
「カミュ!!これどういう事なんだよ!!」
「カミュ、だめ、もうしゃべっちゃダメ...何もしゃべっちゃダメ...!!」
「仕方がない...これを投与しましょう。」
「...!!!」
四方八方から叫び声が聞こえていた。大半は...恐らくユーザーネームを呼んでいたのだろう。
冷静になってからやっと考えることができるようになってきた。ここは現実世界。バグを裏利用して精神を現実世界に戻す技術でもできたのだろうか?あれからおおよそ10年は経ってるからそれぐらいは...って...あれ?
カレンダーを見上げた。まさかとは思った。
「2017年...あれからまだ...2年目...?」
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Episodio 32 負ノ式 〜研究所ノ指令ニヨリ直チニ帰還セヨ。 END
次回話にご期待ください!




