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異世界マニアのおしかけ召喚者  作者: 伊部九郎
第4章 北部冒険編
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第216話 造兵局見学

 持病の腰痛が悪化しまして、立ってるのも座ってるのもしんどいような状況になり、完全に機能停止しています。

 なんとか1話だけ書きましたが、また、数日お休みすると思いますので、申し訳ないですがご了承ください。

「まったく、お前が変なこと言うからフラビアに誤解されちゃったじゃないか」

 トキオは、魔法訓練室に来るとクロアを睨みながら言った。


「だから誤解じゃないって言ったでしょ。自業自得よ」

「お前なあ・・・」


「なんだ、もめ事か?」

 そこでモルナール魔導士と一緒に訓練室に入って来たシュミュード魔導士長が、二人の様子を見て少し離れた位置から聞いた。


「あ、いえ!」

「なんでもありません!」

「そうか?・・・それでは、訓練を始めるぞ」

 トキオとクロアの返事に怪訝な顔をしながらも魔導士長が言った。


「はいっ!」

 二人は声を揃えてそう言うと、魔導士たちの方へ歩いて行った。




「俺は、これから少し造兵局で打ち合わせがあるんだけど、お前はどうする?先に帰ってるか?」

 魔法訓練が終わり、訓練室を出たところでトキオがクロアに聞いた。


「うーん・・・それって長いの?」

「たぶん30分か、長くなっても1時間はかからないと思う」

「それなら、私、前から造兵局の中をちゃんと見てみたいと思ってたから、一緒に行って見学させてもらうわ。別に構わないでしょう?」

「まあ、仕事の邪魔をしなきゃいいんじゃないか」

「なによそれ!失礼な言い方ね!・・・でも、大丈夫なら行きましょ」

 そうして、二人は並んで造兵局へ歩いて行った。



 造兵局に来るとトキオは、フーゴとウェスター、それに2人の30歳半ばと思われる局員が作業場にある会議卓で打ち合わせをしているのを見つけたが、そこに行く前にそばにいた若い男性局員のロルフに言った。


「クロアが造兵局の中を見学したいって言ってるんだけど、いいかな?」


 その言葉を聞いたロルフは、途端に嬉しそうな顔になった。

「もちろんですよ!私が案内しますね」


「え?いいの?」

 クロアは驚いて聞き返した。

「クロアさんならいつでも大歓迎です!では、こちらから行きましょう」


 そう言われて、クロアはロルフのやや斜め後ろをついて作業場の右の方へ歩いて行った。


(おや?ここでもクロアは人気者か?でも、ここには結構な女性局員もいるからちょっと不思議だな)


 トキオは、そう考えながらフーゴとウェスターたちがいる会議卓へ歩いて行った。


「遅くなりました」

 トキオは、会議卓のそばまで来るとそう声をかけた。


「ああ、トキオさん。訓練でお疲れのところをすみません」

 ウェスターが、トキオに頭を下げながら言った。

「おう、お疲れ」

 フーゴは軽く手を上げながら言った。


「いえ、大丈夫ですよ、お気遣いなく」

「おや?おまえでも、そんな殊勝な物言いをするんだな。アティムじゃ聞いたことないぞ」

 トキオの言葉にフーゴがそんな突っ込みを入れた。


「えー?普通でしょ、普通」

「そうかあ?」

「まったくもう・・・あ、ウェスターさん、クロアがここを見学したいって言うので、ロルフに案内してもらってますがいいですかね?」

「それは全然かまいませんよ。むしろ、ロルフは喜んでるんじゃないですか?」

「そうなんですか?確かにそういう風に見えましたけど」

「だって、ヒドラを一人で倒しちゃうような魔女で、このお城の中じゃ有名人ですからね。ここの若手局員は、男女問わず、皆クロアさんとお近づきになりたいと思ってますから」

「ああ~、そういうことか~」

 その言葉で、トキオは納得がいった。


「え?クロアってそんなに有名人になってるですか?」

 フーゴが驚いてウェスターに聞いた。

「そうですよ。魔導士長様ですら一人では倒せないヒドラですからね。それを一撃で倒したとなると、有名にならない方がおかしいです」

「そうか~・・・言われて見れば確かにそうですね。見た目はただの可愛い女の子なんですけどね。まあ、性格はあんまり可愛くないですが」

 フーゴのその言葉には、フーゴと一緒になってトキオも笑った。


「そうなんですか?」

 逆にウェスターは、少し驚いた顔をして聞いた。他の局員も驚いた顔をしていた。


「そうなんですよ。まず、なんと言っても常に自信満々な態度。それと、思っていることをそのまま口に出しますからね」

「それじゃ、アティムでは嫌われてるんですか?」

「あー、最初は少しそういう感じもありましたけど、あいつの実力が認識されてからそういうことはなくなりましたね。それは、複合魔法を使う前からです」

「ほう。ということは、他の魔法もレベルが高いということなんですね」

「そうです。少なくとも、攻撃魔法ではアティムで一番の実力でしたから」

「そうなんですか~。やっぱりすごい人なんだ」

「間違いなく魔法の天才だと思います。本人に言うとさらに増長するので言いませんが」

 そう言ってトキオは笑った。


「へえ、お前、クロアをそんなに買ってたのか」

 フーゴが意外という顔で聞いた。

「ああ、性格には色々と問題があるけど、これだけは間違いないよ。特に、複合魔法をたった4日で完成させた実力は本物中の本物だよ」

「ふ~ん」

 フーゴは感心たように軽く何度か頷いた。



 ガシャーン!


 そこで、左手から何かが倒れたような大きな音がした。


「すみません!大丈夫ですか!」

 すぐに、慌てたような男の声もした。


「なんだ!?」

 皆は驚いて、音のした方へ速足で向かった。



 すると、倒れた自転車の脇にクロアが尻をついて座り込み、左ひざをさすっていた。


「痛った~い」

 クロアはそう言うと、右手を開いてその左ひざを包み込むように触れ、目をつぶって口の中で何かを唱えた。

 どうやら、治癒魔法をかけているようだった。


「これでよし!・・・あれ?みんなどうしたの?」

 膝の痛みが取れたのか、クロアが明るい表情に戻って顔を上げると、そこにトキオたちが集まって来ていたので驚いた。


「どうしたのじゃないよ!大きな音がしたから何事かと思って来たんじゃないか!」

 トキオが、クロアを睨みながら言った。


「あ、そうか。ちょっと自転車に乗ろうとして転んじゃって」

「え!?お前、これって、まだ2台しかできてない貴重なものなんだぞ!壊すなよ!」

「え~?でも、壊れてなさそうよ」

 クロアは、サドルを掴むと、少し持ち上げてペダルの方を見ながら言った。


「あ、すみません!私が乗ってみたらどうかと勧めたんです」

 ロルフが頭を下げながらそう言った。

「あ、そう」

 そのため、トキオはそれ以上何も言えなくなった。


「これって、乗れるようになったら走るよりも速く移動できるんでしょ?それを聞いたら、乗れるようになってみたいって思うじゃないの」

 クロアは、悪びれずそんなことを言った。


「だからって、ここでやることはないだろ?まだまだ、貴重品なんだからな」

 トキオは、クロアをさらに睨みつけながら言った。


「それなんですが、実は今日、トキオさんにお願いしようと思っていたんでよ」

 そこで、ウェスターがトキオに言った。


「え?何をです?」

「実は、本日3台目が完成しましたので、それを使ってトキオさんのお屋敷で耐久試験をしていただきたいと思っていたのです。先日、一輪車の試験をしていただきましたが、トキオさんのお屋敷のメイドの二人がすぐに乗れるようになったおかげで非常に良い情報がとれました。そこで、この自転車もすぐに乗れるようになるのではないかと考えまして、また、試験をお願いしたいと思ったのです」

「あー、確かに彼女たちはかなり運動神経が良さそうなので、その可能性は高いですね。わかりました、お引き受けいたします」


「え?じゃあ、しばらくお屋敷にあるってこと?」

 クロアが嬉しそうな顔になって聞いた。

「そういうことだな?・・・もしかして、自分も練習しようと思ってるか?」

「二人が練習するのを私も手伝うからいいでしょ?」

「まあ、二人の邪魔をしないなら構わないけど・・・お前は、すぐには無理なんじゃないかなあ」

「あ!また、失礼なこと言ってる!」

「だって、お前、運動神経良くないだろ?」

「さらに失礼ね!これでも、バランス感覚はすごくいいんだから、すぐに乗れるようになるわよ!」

「ホントかなあ・・・」

「まったく、腹が立つわね!いいわ、ちゃんと乗れるようになって証明してあげるから!」

「そうか?期待してないけど、まあ、頑張って」

「うわっ!ホントに腹立つ!」

 クロアは、かなり不機嫌になっていた。


「俺も練習していいか?」

 そこで、フーゴがぼそりと言った。


「え?・・・まあ、いいけど。やっぱり、乗ってみたい?」

「そりゃ、こんなもの見たら誰だって乗ってみたいだろうよ。それと、設計図を持ち帰ってアティムでも作ろうと思ってるからな。そうなった時に俺が乗れないんじゃ誰も買ってくれないだろ?」

「ああ、そうか。確かにそうだね」

「まだ、時間はあるからな。帰るまでの間に乗れるようになるだろ」

「そうだね。早ければ2、3日で乗れるようになるから」

「そうか!よし、頑張るぞ!」


 そこでトキオは、「お前は無理だろうけど」と、クロアに言おうと思ったが、これ以上不機嫌にさせるとあとが面倒くさいと思って言わないでおいた。



「自転車は大丈夫なようです」

 皆が話をしている間にロルフが点検していたようで、そう言った。


「あ、そう。良かった」

 トキオは、ホッとして言った。


「それじゃ、戻って続きをやりましょう」

 ウェスターがそう言ったので、皆は会議卓の方へ戻り始めたが、トキオはクロアの方を向くと言った。


「あとで屋敷で乗れるんだから、もう、ここでは乗るなよ!」

「わかったわよ!」


 そう答えたクロアは、また不機嫌な顔になった。

 前回の後書きに書こうと思っていて忘れました。

 合気道の受け身に関する動画です。これを観ると、前回の話にイメージが沸くと思います。

 https://www.youtube.com/watch?v=3aKJRC54DRM

 https://www.youtube.com/watch?v=DlPCwBm_gp4

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