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第38話:どうせそういう展開だろうって、ほんとは分かってたけどね!

よろしくお願いします!

「お願い...私を抱いて」


 ...ぬわんだってぇえええぇぇぇぇえええ!!!


 恵の突然のさらに予想外のお願いに、俺は心臓が止まっちゃうんじゃないってぐらい驚いた。


「...お願い」


 恵はそう言って、さらに抱き締める強さを強くしてきた。


「な、ななな、な...」


 ダメだ...今の俺には「な」って喋るだけで精一杯みたいだ...って、ふざけてる場合じゃねぇぇぇえええ!!い、いくら妹だからってこんなに密着されちゃうと、その...柔らかいものが背中に当たって、ものすごくドキドキしてまう。


 恵って、風呂入ったときも思ったけど意外と胸大きいよな...


 ...じゃねぇよ!とりあえず、一旦落ち着けー俺...って無理に決まってんだろ!今も、近すぎて、恵の息が俺の耳にかかるから、こんなの理性を保ってってのが無理だぁー!


 そうこうと、俺が心のなかで葛藤を繰り広げていたとき、恵はさらなる追い討ちをかけてきた。


「今日だけでいいから...一緒に寝て」


 この瞬間、俺の理性が壊れるまでのカウントダウンが始まった。


「だからお願い...」


 10...9...8...


「私が眠るまで...」


 7…6…5…


「眠るまでていいから...」


 4…3…2…


「ぎゅって抱きしめてて!」


 1...


「...えっ?」


 あ、あれ?聞き間違いかなぁ...


「め、恵?今なんって...」

「だから...寝付くまででいいから抱きしめてって...」


 ...ぬおぉぉぉぉぉおおおおお!!!


 ヤバイ、今すぐ壁に頭打ち付けたい気分...ようするに...めっちゃ恥ずかしいぃぃぃぃぃぃ!!


 最低だ俺...妹にいかがわしいことする方を想像してたなんて...今すぐ死にたい!てか、誰か俺を殺してくれぇぇい!!


「...どうしたのお兄ちゃん?なんか体暑いよ?」


 誰のせいだと思ってんだ!って、俺が勘違いしてたせいか...で、でもでも、もとはと言えば恵があんな紛らわしいこと最初に言うからじゃないか!?なーんて、ただの言い訳だよな...


「...変だよお兄ちゃん?」

「あ、あぁ...何でもない大丈夫だ」


 まぁ、唯一の救いは顔が見られてないってことだな。

 今の俺の顔どーなってんだろ?

 ひとつだけわかるのは、トマト並みに顔真っ赤になってるなこれは。


 俺は一回落ち着こうと、2、3回深呼吸をした。

 そして、俺は本題のことについて恵に質問した。


「どうして...だ?」

「えっ?」

「どうして抱き締めてほしいんだ?」


 俺には思い当たる節がなかった。

 恵がこんなこと言う原因が。

 いつものようにふざけてやっているなら、俺はすぐにでもベッドから追い出した。

 でも今日の恵は、いつもとは様子が違って、なんと言うか弱々しく感じたのだ。


 恵は、少し思い詰めたように間をあけて、こう答えた。


「...お兄ちゃんが、遠くなっていく気がしたから」

「遠く?」

「踏切のところでかなちゃんと何があったのかは分からない...けど、その少しの時間で、お兄ちゃんとかなちゃんの間に私じゃ踏み込めない絆ができたような気がしたの」


 確かに、色々あったし、あいつには感謝してる...でも、絆ができたかと言われたらなんとも言えなかった。


「そんなことないと思うけどなー...」

「見てたらわかるよ...帰ってからのお兄ちゃん、かなちゃんしか見てないもん」

「それじゃあ、ただのストーカーじゃねぇか!俺そんなことしてねぇよ!」

「そう言うことじゃなくて!かなちゃんと私が一緒にいるとき、お兄ちゃんはかなちゃんばっかで、私のこと、眼中になかってこと」


 恵の言うことを聞いていて、俺はふと思った。


 もしかしてもしかすると、こいつやきもちやいてんのか?


 そうだとしたら...ちょっと萌えるじゃねーか。

 俺は、その事を確認するために、恵に聞いてみた。ある期待と共に。


「恵...お前もしかしてやきもちやいてんのか?」

「そんなの当たり前じゃないですか。むしゃくしゃして、今にもかなちゃんをーー」

「はい、ストーップ。もういい、わかった」


 確かにやきもちをやいていたと言うことは分かった。

 でも、俺はそんな答えを求めてたんじゃねぇーんだよぉ!

 俺が聞きたかったのは...


『そ、そんなわけないじゃん!ばっかじゃないの!べ、別にあんたのことなんかなんとも思ってないんだからね///』


 ...これだよこれ!大事なのは恥じらいだろ!

 なにもわかってないなあいつは...てか、俺、妹に何求めてんだよ。

 さっきからどうかしてるよ俺。

 今なら変態のレッテル貼られても文句言えないよ...まぁ、もとから変態なんだけどね。


「...お兄ちゃん、私の話ちゃんと聞く気ありますか?」


 ...うん、ごめん。聞く気がない訳じゃないんだけど、こういうとき俺、どうしたらいいかわかんないんだよね。


「...やっぱり...私なんてどうでもいいんだ...」

 

 そう言ったと思うと、恵は急に泣き出してしまった。


「うぐっ...ぐすん...」


 おいおい、どうしてこうなったんだ?俺が悪いのか?...たぶん俺のせいなんだろうな...でも、どうしろって言うんだよ!


 恵のお願いを聞いて、抱き締めるだけでいいのか?でも、それじゃあなんか違う気がするし...じゃあ、優しい言葉でもかけるか?...だから、そんな言葉が浮かばないから悩んでじゃねぇかよ。


 俺が、どうすればいいか考えている間も恵は泣き続けたままだった。


 どうすれば恵は泣き止んでくれるのか?


 その答えが分からないまま、次回に続くのであった...






お読み頂き感謝です♪

長くかかってしまい、申し訳ありません...

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