第39話:これでも考えてるつもり...なんだけどね
よろしくお願いします!
どのくらいの時間が経ったのだろう。と言っても、5分くらいなんだろうが、俺には30分は経ったかのように長く感じていた。
お互いに何も言わない時間が続き、恵のすすり泣く音だけが部屋の中に響いている。
俺はそんな急展開に、頭がついて行けなくなっていた。
それでも俺は、どうしたら恵が泣き止んでくれるのかを必死に考えていた。
まずひとーつ...無言で抱きしめる。
たぶん、これが一番妥当なのではなかろうか。何故なら、これが恵のお願いだから。
しかし、今となってはやるタイミングを失ってしまった。
この状況でやろうものなら、俺なら絶対嫌だ。
だって、「はいはい、分かったから泣き止めよ」みたいな情けをかけられている気がして、所詮その程度なんだって恵なら確実に思うだろう。やきもちやいちゃうぐらいだからな。
てことでふたーつ...なんか言って、もしくは言いながら抱きしめる。
だから、そんな言葉が思い付かないの!
俺はイケメンのように、気が利いて、優しくて、リア充レベルマックスではないのだから...こんなスキル俺は持ってない。なので却下。
んでもってみーっつ...なにもしない。
どれだけ俺がヘタレでもさすがにそれはしない。
あり得ない却下。
お前兄貴なんだからしっかりしろよ...なんて自分に言い聞かせる。
無理だろ...と俺は心のなかで即答した。
いや、それじゃだめなんてことは分かっている...分かっているつもりだ。
でも、どうしても恵を泣き止ませる方法が俺には思いつかなかった。
そんな俺は、恵に一言だけこう呟いた。
「...ごめん」
その時、一瞬だけ恵の泣いてる声は聞こえなくなった。
が、しかしまたすぐに、恵は泣き始めた。
それと同時に、ガサッガサッと音が聞こえてきて、どうやら恵は体をおこしだしたようだ。
たぶん部屋から出ていくんだろう...当然だ、俺はそんだけのことをしたんだからな。
俺はそう思った...でも、それは違った。
「...お兄ちゃん」
震えた声で恵は俺を呼んだ。
俺はその声に、反応して顔をあげて恵の方に目をやった。
恵の方を向いた俺は...驚いた。
「私のことも...見て」
いつもなら閉めているはずのカーテンが、開いていて、無防備な窓から明かりが照らしていた。
俺はその時初めて気づいた...今日は満月だったんだな。
そう、窓から照らしていた光は月の光だったのだ。
その光にちょうどよく照らされた恵は、一瞬見ただけで見とれてしまうほどに、魅力的だった。
そして、恵の悲しげな表情はさらに俺の心を魅了して、俺の鼓動はどんどん激しくなっていった。
天使だ...俺は天使を見た。
いや、ほんとに見たわけではない。ただ、恵を見て俺はそう思ってしまった。
そんな俺は無意識のうちに....
...ぎゅっ
「...えっ?」
...恵のことを抱きしめていた。
お読み頂き感謝です♪
最近、面白い小説を見つけて、読むのに夢中になっちゃってました...
書いたのはいいですが、短いし、遅くなってほんとに申し訳ないです。




