第13話 エピローグ 余韻はいつまでも
外国語の本読めるの憧れる。
語学は日本語もふくめて苦手ですけれど。
旅人だった男は読み終わった本を閉じるとふぅと一つ息をついた。
なんだかそわそわして、家を出て行きつけの酒場へ向かった。
俺はテーブルに座って店員に酒とつまみを頼むとふと手が重い事に気がつく。
慌てていたせいか本を持ったままだった。
「おや、この国じゃ珍しい本をもっていますね」
急に話しかけられて前を見れば、吟遊詩人が座っている。
相席の許可はしていないが、この店じゃ気が向けば知らない相手でもいつの間にか一緒に酒を飲んでいることもある。
別に珍しいことではないのだが。
あっけにとられぼんやりしていれば吟遊詩人は酒を飲みながら勝手に話し出していた。
「その話の王様の最後しってます?」
男は知らないので首をふる。
「王妃の墓の近くで倒れてたんですって。
キノコがこう輪になってる中に綺麗に寝てるみたいに」
吟遊詩人は手で輪をつくってみせる。
「フェアリーリングは妖精の世界の入り口さ。
見つけた時は気をつけて。
どんなに可愛らしく見えても近づくのはお気をつけて。
アイツら気に入ったら何でもあちらに持っていくからね」
そう、気に入った人間もね。
吟遊詩人はそう言って笑うとテーブルを離れて歌い出した。
からかわれただけだろう。
来た酒とつまみを急いで食べきるとすぐに店を出た。
店を出ても頭の中にはあの吟遊詩人の歌声が響いている。
そして茶色いおかっぱ頭に安い人形みたいな笑顔。
弧を描く瞳は怪しい金色が。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
楽しんでもらえたらとても嬉しいです。




