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異世界に行ったら最強になった  作者: 志良内達夫
第一章 まさか異世界に
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1-8.魔力検査

 雅則が翌朝になっても来ないので、悠介と美緒はルセールにギルド協会に連れていかれた。

 そこは街外れの二階建ての木造の大きな建物だった。玄関も大きな木製の扉で、開けた状態になっている。

「ここはなに?」

「仕事を探すのを手伝ってくれるところさ。ギルドハンターとして登録すれば、

魔物などを退治すると報酬がもらえるし、他にも家事代行業のようなものまで

いろいろ扱っている」

 ルセールの説明に

「ハローワーク兼冒険者協会のようなものか」

と悠介は思った。

 悠介はRPGとかゲームにも慣れ親しんでいるので、異世界ものに魔物とか

冒険者が出てくることは知っている。

「ここエランデル国は山に近いこともあって、周りには魔物も多い。だから衛兵隊が宮殿ばかりでなく街の警護も担っている。でもそれだけでは不安なので魔術師など魔物を退治してくれる力のある者をギルド協会が募っている。そしてハンターとして登録、採用されると仕事に応じて報酬がもらえる。

 しかし誰でもなれるわけではない。力のない者は命を落としかねない。そこで魔力検査をあらかじめ受けてもらって魔力のレベルや使える魔法を調べてクラス分けをしている。二人には、その魔力検査を受けてもらおうと思って」

「魔力検査?」

「この世界の人族は、多少は魔力を持っているもの。そのレベルと魔法の種類を

確認するんだ」

「俺たちの世界では魔力を持っている者は実際にはいない。・・はずだ」

 悠介は自分や雅則が不思議な能力を持っていることは自負しているが、それは

特別なものだと思っている。


 ルセールは受付に行くと

「ナルーシャは居る?」

と聞いた。それから悠介と美緒はルセールに二階に案内された。

「ルセールさん、おはようございます」

 職員らしい女がルセールに挨拶した。悠介は彼女を見た瞬間

「美人だ」

と思った。

「今日もいい顔をしているね。彼とは上手くいっているようだね」

「いいえ。振っちゃいました。さっぱりと」

「そう。・・何人目だったかな」

「今年はまだ二桁にいっていません」

「何という会話」

 悠介はルセールと職員であろう女の会話に、見た目とのギャップを感じた。

「今日は、この二人の魔力検査をしてほしいと思って」

「え? ルセールさんとどんな関係の・・」

「大魔獣が現れただろう。それを倒してくれる勇者を異世界に探しに行って

連れてきたんだ」

 ルセールの話に

「話、つくってないか?」

と悠介は突っ込みたくなった。

「それじゃ、お二人は異世界の勇者なんですか?」

 勇者と言われるのは悪くない。

「この二人の魔力を測ってもらおうと思って」

「わかりました。私はナルーシャといいます。よろしく」

 ナルーシャに笑顔で挨拶されて

「俺、いや私は倉田悠介」

と悠介はいつになく緊張した。魔力を検査するからではない。ナルーシャに

惹かれたのだ。

 歳は幾つだろう。自分よりは上に見える。年上でも30歳にはなっていない

だろう。悠介は推測した。悠介にも姉が居る。お姉さんタイプも悪くない。

「私は神崎美緒といいます」

 美緒も自己紹介すると

「ではまず、この魔法常盤石に手をかざしてもらえますか?ひとりづつ」

とナルーシャが言うと、ルセールが

「彼女のほうが魔力は強いと思うので彼女から」

と美緒が先になった。

 美緒が定盤石に手をかざすと雷光のような光が出て、それが広まっていった。

 熱とか痺れとかは感じない。ただ見た目に驚いた。

「手を離してください!」

 ナルーシャが危険を察知したような声を発した。

「計測不能です」

「どういうこと?」

 悠介も驚いて聞いた。

「魔力が強すぎます」

 普通なら定盤石の上に光が発するくらいらしいが、美緒が手をかざすと、光は

定盤石を溢れるように大きく広がって、その大きさにナルーシャは驚いたようだ。

「計測不能なくい強いということか。召喚獣を出せるくらいだからな」

 ルセールの言葉に

「召喚獣なんて出したことありません」

と美緒はこたえた。

 ナルーシャも困惑した顔で

「レベルは500を超えると思います。ここにあるのは、そんなにレベルのある

人は来ないだろうと、予算を削って500までしか測定出来ないものを置きまし

たから」

と言った。

「せこいのはどこも同じか」

と悠介は思った。

「やはり彼女は只者ではなかったか。じゃあ、ついでに彼のも・・」

「俺はついでか!・・」

 悠介が定盤石に手をかざすと、また雷光のような光が発生し広がった。

「離してください。彼も500を超えています」

 ナルーシャが危険に見舞われたような声を上げた。

「嘘だろう。俺に魔力なんかあるのか?」

 そうこたえながら、時間を止める能力は持っているな、と思い出した。

「どんな人族でも、多少はあります。ゼロではありません。でも・・」

 ナルーシャが戸惑っている。

「人族って?」

 悠介が聞き慣れない言葉に聞き返すとルセールが

「悠介の世界で人間と呼ばれる種族を、こっちの世界では人族という」

と教えてくれた。

「定盤石が壊れていなければ間違いない」

 ルセールも悠介たちのレベルをあらためて確認した。

 悠介はあらためて思った。自分の持っている特殊な能力は魔力なのか。

「ちなみにナルーシャさんはどのくらいですか?」

 悠介は興味を持って聞いた。

「私は2です」

「2?」

「はい。ただの2です」

 え?・・と思って

「ルセールは?」

と聞くと

「女性に聞くな」

と言われた。

「歳じゃないんだから」

「私で50」

「50ってことは?」

「Aクラスになります」

 ナルーシャがこたえた。

「ということはレベルは歳相応ということかな?」

「だから年寄り扱いあうるんじゃない!」

「レベル幾つと言われても、それがどのくらの強さかわからないけど。じゃあ、俺たちの500越えは?」

「悪魔レベルです」

「悪魔になっちゃたよ!」

 悠介は悲観した声を上げた。

「ちなみに昨日、お城の近くに現れた魔獣でレベル100ですね。魔獣に測らせてもらえないので、上位魔術師が魔獣を倒したのを参考に推測しているだけですけど」

 ナルーシャも城に魔獣が現れたのは知っていた。

「あれが?・・じゃあ、俺でも倒せたか?」

「どうやって?」

 美緒に聞かれて悠介は返答に困った。

「じゃあ、魔力色素も見てもらっちゃおうか」

 ルセールがナルーシャに言った。

「わかりました」

「魔力色素って?」

「魔法にもいろいろジャンルがある。それを色素で判断するのさ」

「こちらの水晶玉に来てください。色が変わるだけで火花は出ないと思います。美緒さんからみましょうか。水晶玉に手をかざしてもらえますか?」

「はい」

 美緒が手をかざすと、水晶玉が光りはじめた。それはいろんな色に輝いた。

 ナルーシャは、また唖然とした。そして固まった。

「起きてますかぁ?」

 悠介がナルーシャの目の前で手を振った。

「異世界の人ってどういう種族なんでしょう」

「え?」

「火星、水星、木星、金星、土星はもとより、数えきれないほどの魔力を秘めています」

 それを聞いて悠介は

「美緒ちゃんはセーラームーンか?」

とマジに聞いた。

「セーラービーナスがいいかな?・・ミニスカート姿は想像しなくていいから」

 美緒は悠介に釘を刺した。

「あと、召喚獣を呼び出せるか調べてくれる? 念のため」

 ルセールがナルーシャに言った。

「はい。恐ろしくなってきたわ」

 ナルーシャが別の水晶玉を出してきた。

「同じように手をかざしてもらえますか?」

「はい」

 水晶玉が曇り始めた。それを見ていたナルーシャが

「何かを召喚出来るようですけど・・魔獣?・・」

と水晶玉を見て驚いた貌をしていた。

「来る前もゴジラを召喚出来るとか言ってなかった?」

「見てくれたのはルセールさんでしょう?」

「私も少しは水晶を見ることが出来る」

「占いはあたらなかったけど」

「こっちの世界には、ああいうものはないから」

「こっちの世界では占いはないんだ。・・つまり美緒ちゃんはゴジラを呼び出せるということ?」

「呼び出したことないけど」

 美緒は念のために言った。

「じゃあ彼も・・」

「ではこっちの水晶から」

 悠介が魔法色素をみる水晶に手をかざしても、いろいろな色で光りはじめた。

「彼も同じです」

「嘘だろう」

 悠介も自分を信じられなかった。

「セーラームーンになるなんて言わないでよ。気持ち悪いから」

「言うか!」

「ではこっちの水晶玉で。・・」

 水晶が曇ることもなかった。

「はい終了です」

「あっさりだな」

「召喚出来る獣はいません」

「居なくていいよ」

「ハンターの資格はEからはじまってAまでいき、最高位クラスはSになりま~す。

エランデルではしばらくSクラスはいませ~ん」

 ナルーシャは既におかしくなりはじめている。

「大丈夫?」

「お二人にはSクラスの称号を与えます」

「別にいらないけど」

「もらっておいたら? いろいろ有効よ。いつ戻れるかわからないし」

 ルセールは平静な顔をして言った。

「戻してくれ!」

「費用は全部、私が持つから」

「出せと言われても、こっちの金はまだないから」

 ナルーシャが

「すみません。Sクラスのプレートはしばらくなり手がいなかったので取り寄せになります。お渡し出来るのは早くて来週になるかと」

と言うと

「別に急がないからそれで・・」

とルセールがこたえていた。

「いつまで居させる気だ」

「じゃあ、申請書に記入してもらえます? 字の書けない方に代筆も行っています」

「それも金をとるのか?」


 ルセールの家に戻った悠介が

「俺も美緒ちゃんも魔法が使えると言われたけど、使ったことなんかないぞ。どうやったら使えるんだ?」

と聞くと

「魔法には使えるものによってそれぞれ呼び名があって、例えば炎に特化したものは火星魔法。水に特化したしたものは水星魔法と呼び、他に土や光などに特化したもののあり、それらをまとめて属星魔法と言う。その出し方は人によって違う。簡単な魔法なら私でも詠唱なしで出せるし、中位魔法や上位魔法は魔法陣を出して使う者もいる」

「ふうん。で、実際、どうやってな法を発動するか教えてくれる?」

「今言ったように、魔法の出し方、扱い方は人それぞれだ。それに私は属星魔法はあまり得意ではない。悪いけど自分で学んで」

「ルセールも雅と同じようにずぼらな性格なのか?」




















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