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異世界に行ったら最強になった  作者: 志良内達夫
第五章 スラーレン法国編
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5-14.ガラス工房のイオナ

 それから数日後、トーマスから使いが来た。

「銅線も手に入ったので来て欲しいそうです」

 悠介は早速トーマスを訪ねた。

「銅線は廃材を譲ってもらった。金物は図面に合わせて作ってきたが」

「ありがとう。作業場を借りていいですか?」

 悠介は金物に銅線を巻いていった。そして金属の箱に作ったコイルを取り付け、モーターらしきものをつくった。

「これは何になる?」

「これで電気をつくることが出来るはず。便利なものですよ」

「電気とはなんだ」

「ああ・・説明するのはちょっとむずかしいな。・・出来たら見てもらいます」

 悠介は

「リサはナターシャの警護をしてもらっているから、ラッセルに頼むか」

 ナディに頼んでラッセルを呼び

「これをスミス牧場まで運んでほしい」

と頼んだ。

 トーマスにつくってもらった金属の箱をラッセルの馬車に載せ、牧場に行くと

「スミスさん、これを貯水池の排水口に取り付けさせてください」

とスミスに頼んだ。

「美緒ちゃんから聞いているから、好きに取り付けてくれ」

 スミスは美緒から話を聞いても電気というものを理解出来なかったが、美緒の言うことはたいてい聞いてくれている。

 予定通り、排水口に取り付けると、落下する水の勢いでモーターが周りはじめた。

「成功だ。これで電気がつくれる」

 悠介が水力発電装置を完成させると

「さすが悠介さん。大学生のことだけあるわ」

 美緒に褒められた。

「無能な学生だと思っていたろう」

「うん。あとはその活用ね。まず電球をつくろうか」

 美緒がアイデアを出す。

「フィラメントは何とかなるだろうが、板金屋ではガラスは作れないぞ」

「ガラス工房とかないかな。先月から1センチは鼻の下が伸びている悠介さん。ナディさんに聞いてみてくれる?」

「そんなに伸びてないって。そのうち馬面になっちゃうだろう」

とデレデレした顔で言いながら、悠介はナディに

「ガラス工房とかない?」

と聞きに行った。

「ありますけど、ステンドグラスとかもつくっているし。ただガラス工房は場所も街の西側で、仕事上も関りはほとんどないので、そことの面識はありません」

 そこで悠介はチーズを持ってガラス工房を訪ねた。これからお世話になるかも知れない。

 ◇

『ガラスの花』。そこがお店も兼ねたガラス工房だった。

 そこの店長はイオナという若い女性でガラス職人らしい。イオナもナディに劣らぬ美人だった。

「チーズをありがとうございます。売り出されたのは知っていたんですが、街の西と東。距離もあるし、いつか買いに行きたいなとは思っていたんですけど。ガラス工房は父から継ぎました。お店はあとから出したものです」

 イオナが丁寧に挨拶してくれた。

「そうですか。丸い形状のガラスも作れます?」

「コップとか花瓶もつくっているので・・」

「球状のようなものは? 中が真空なのは・・」

「私も魔術師マジシャンでもあるので、お手のものです」

「それはよかった。つくってもらいたいものがあったので」

 悠介は図面を見せた。裸電球のような形をした図面だ。もちろん、イオナは見たことも作ったこともない。

「この球体の中にフィラメントを入れて中を真空にします。フィラメントは持ってくるのでつくってもらえないかと」

「何になるんです?」

 イオナは図面を見ても理解出来るものではなかった。

「出来てからのお楽しみです」


 悠介はトーマスのところでフィラメントをつくり、イオナに持っていった。

「3日待ってもらえます? こういうものは初めてなので試行錯誤するかも知れないので」

「わかりました。よろしく」


 雅則がスラーレン法国に行っている間に、悠介は電気の明かりを灯すように動いていた。









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