プロローグ
どちらかといえば、ほのぼのした作品ですが、登場人物に一部残酷な発言がある為、一応R15指定にしています。
作品中、妊娠・出産に関する内容が出てきます。
赤ちゃんを産まない選択をした方を非難したり、傷つけたりする意図はありません。
中高生の性交を助長する気もありません。
(そして、性的描写は一切出てきません。)
「起きなさい!」
もう少し寝かせて。あと5分否、3分でいいから。
心の中の言い訳しながら、布団をかぶって耳を塞ぐ。
どんな夢を見ていたのだろう。
忘れたが、幸せな夢だったような気がする。
思い出したくて、続きが見たくて、目を瞑る。
「今日から学校でしょ!」
放っといてくれよ。
「うわっ寒い。」
勝手にドアを開けたらしい。
「またクーラーつけっぱなしで寝て。」
ピッとリモコンで消される。
「ほら、雑巾。」
布団から出した顔に、ボロ巾が降ってくる。
「何すんだよ。」
ムッとして、母親を睨む。
「今日、持っていくんでしょ?」
しれっと返される。
「うるせえな。」
「いいから起きなさい。」
言葉と同時に布団を剥がされる。
寒さに怒りが勝り、立ち上がる。
「どういう神経してんだ、てめえ。」
「親に向かって何、その口の利き方。」
「着替えるから、出てけよ。」
母親は何も言わず、部屋を出た。
視線を落とすと、握ったままだった雑巾が目に入る。
派手な花柄の、古いタオルから作られたそれ。
ぐちゃぐちゃな縫い目、マジックで大きく書かれた名前。
「こんなもん持っていけるかよ。」
小さく呟き、ドアに向かって投げつける。
それでも怒りは収まらず、乱暴にハンガーから制服を外した。
「隼人!ご飯は!?」
着替えが終わると鞄を掴み、リビングからの声を無視して家を出た。




