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水鏡五国志 [第二部 烈日之巻]  作者: 子志
章之弐 業火
12/115

決着

 翌日、私達は兵を分けた。

 私が五十騎の精鋭を率い、残りは春覇が統率して紅軍に向かっていく。

 私は紅軍に気づかれないように、大きく迂回して駆けた。それでも、選び抜かれた五十騎の速度なら直進する本隊に追いつける。馬を駆けさせながら、私は額から伝う汗を拭った。

 残雪はさすがに良馬で、まったく疲れを見せずに軽やかに走る。時折手綱を絞らないと後続の兵を置いて行ってしまいそうなくらいだった。



 日が中天にさしかかる頃。


 ついに、紅軍と碧軍は対峙した。私と春覇が読んだ通り、平地だ。但し紅軍の側面に森がある。その場所で止まるように、春覇に調整して貰った。

 春覇と章軌が軍の代表として紅軍の前に出る。紅軍からは爾焔と、もう一人武将が進み出た。

「久しぶりだね、覇姫」

「炎狂……」

 この時、私達はまだ戦場に到達していない。紅軍の側面の森を駆け抜けていた。

 開戦の布告が終わり、代表者が陣に戻る。

 進軍を告げる太鼓が鳴ると同時に、爾焔が手を翳した。碧軍の側に炎が巻き起こる。

 しかしそれは、兵士達に触れる前に何かに阻まれた。

「なるほど……水の加護か」

 呟いた爾焔は目を細める。

「しかしこの為に覇姫は全力を費やしている筈……方術は使えない。覇姫を討ち取れ!」

 指示に応じて、わっと兵が群がる。春覇は動じた様子も無く、手にした剣を横たえた。

「息吹たる木、同胞たる風を呼べ」

 言霊が風を巻き起こす。吹き飛ばされる兵士達を見て、爾焔は目を瞠った。

「馬鹿な……どこにそんな余力が……」

 丁度その時、私の率いる五十騎が紅軍の側面を襲った。

「依宰相!横から敵が……」

「兵を分けていたのか」

 私達は紅軍の脇腹を抉るように攻め込み、錐の先端のように陣を引き裂いていった。

 私は先頭を駆けながら槍を振るい、一直線に爾焔に向かう。舌打ちした爾焔がこちらに向かって手を翳した。

「清めの水よ、炎を打ち消せ」

 春覇の鋭い言霊が飛び、蛇のように細い形を成した水が爾焔の腕に絡み付く。今の内にと馬腹を蹴る私の前に、紅の武将が立ちふさがった。

「この先には行かせない!」

 その槍を矛で受け止めた私は、槍を弾くと矛の石突きで相手の鳩尾を突いて馬から落とした。

「悪いが、構っている暇は無い」

 そのまま馬を走らせる。

 今回は歩兵が居ないから、倒した相手を生け捕る役目をする者はいない。真っ直ぐに本陣を目指すだけだ。


 兎に角、私は進む。

 ようやく春覇の放った水精霊を振り払った爾焔に、矛を突きつけた。爾焔はそれを剣で止める。

「やってくれる……君の名前を聞いておこうか」

 緋色の瞳が不機嫌に私を映す。兜のせいか、私が朱宿だとは気づいていないようだ。

「碧の大将軍、鴻宵だ」

 名乗った次の瞬間、矛を弾かれる。爾焔の左手が私に向いた。起こった炎を、私の周りにいた水精霊達がわっと群がってかき消す。

「何……?」

「やめておけ、爾焔」

 呆然とする爾焔の首に矛を突きつけながら、私は低く言った。

「あんたに朱雀は無理だ」

 はっと私の顔を凝視した爾焔が、目を見開く。

「君は……」

 その瞬間、私は突きつけていた矛を引いた。横から斬りつけてきた剣を防ぐ。

「お下がり下さい、依宰相!」

 兜で顔はよく見えないが、若い武将だ。叫んだ声はまだ大人になりきっていない。

 続けざまに斬りつけてくる刃を防いでいる間に、爾焔が遠ざかる。私は舌打ちした。不意を突かれて混乱していた紅軍が持ち直し、人数の少ない私の隊を包囲しつつある。

「退け!」

 長居すれば全滅しかねない。

 指示を飛ばしながら、私は矛を回して敵将の手から剣を叩き落とした。間を置かずに柄で首筋を強打し、崩れた体を抱える。

 若いが、身につけているものから見て身分はそれなりのようだ。

「退け!」

 紅軍側にも退却を報せる鐘が鳴り、双方が退く形でひとまず戦は終わった。

 私は春覇達と合流し、生け捕った敵将を部下に預ける。すぐに春覇に会った私は、片膝をついて頭を下げた。

「申し訳ございません。炎狂を取り逃がしました」

 ここで爾焔を捕らえなければならなかった。爾焔を捕らえてしまえば後は純粋に人間の戦いに持ち込めたのに、取り逃がした。

 この戦の策を無にしてしまったに等しい。

 うなだれる私に、春覇は首を振った。

「確かに無念だが、将軍はよく戦った。お陰で損害は少ない」

「もったいなきお言葉」

 一度深く礼をしてから立ち上がった私は、ぐらりと視界が揺れるのを感じた。

「将軍!?」

 ふらついた私を、後ろにいた漣瑛が支える。

 少し力を使いすぎたか。

「……暫くゆっくり休まれるがいい」

 驚きを一瞬で収めた春覇が言う。私は一礼して引き下がった。

「大丈夫ですか、将軍。どこかお怪我を……」

「いや、少し疲れただけだ」

 気遣う漣瑛にそう返して、私は深く息を吐いた。


 やはり、三千とはいえ一隊の軍を独力で加護するのは体力を消耗する。


 章軌の力を借りて軍を水の結界で護ると言った春覇に、自分がやると申し出たのは私だ。春覇が結界に全力を使ってしまうと爾焔の動きに対処出来る方士が居なくなってしまう。私は方士だと知られていないから、いきなり力を使えば無用の混乱を引き起こすことになりかねない。公に方士として術を行使するのは、春覇の方が良かった。

「少し眠る。後を頼む」

「はい」

 兵の取りまとめを漣瑛に託して、私は幕舎で仮眠をとることにした。



 私が目を覚ましたのは、辺りが暗くなってからだった。幕舎を出ると、すぐに漣瑛が駆けつけてくる。

「お体の具合は……」

「大丈夫だ。もう何ともない」

 そう答えて、私は視線をめぐらせた。異常は無いようだ。精霊も普段通り漂っている。

「将軍が捕らえられた敵将なのですが……」

「ああ」

 漣瑛が切り出した話題に、私は若い武将を思い出した。そういえば、捕まえたんだった。

「何かあったのか」

「それが、どうにも強情な子どもでして……」

 何を訊いてもだんまりで、名前すら言わないのだと言う。顔を知っている者もおらず、何者なのかわからないらしい。

「会ってみよう」

 なかなか面白そうだと思った私は、彼が捕らえられている幕舎に向かった。


 見張りの兵士の挨拶に応えて、幕舎に入る。件の武将は、鎧兜を取られた上に縛られて幕舎の中に座っていた。

 憮然と虚空を睨んでいる顔立ちに見覚えがあって、私は目を瞬いた。

 人払いを命じて、漣瑛を下がらせる。武将は私を見ようとしない。

「ふてくされていないでこちらを見たらどうだ」

 私が声を掛けても、無視だ。

 成程、強情だ。私は少し笑った。

「お前、錫雛だろう。いつからそんなにひねくれた」

 私の記憶よりも少し大人びた顔が、訝しげに私を見る。碧に自分の顔を知っている人間が居るとは思っていなかったのだろう。

 私の顔を数秒眺めた錫雛は、目を見開いた。

「朱……っ!」

「静かに」

 私が指を唇の前に立てると、はっとしたように口を噤む。その様子は年相応に見えて、私は微笑んだ。

「私はこの軍の帥将、碧の大将軍、鴻宵だ」

「貴方、が……」

 錫雛が呆然と呟く。

 無理もないのかも知れない。朱雀を拒絶して紅を去り、後に白で捕らえられ忽然と姿を消した人物が碧で将軍になっているなど、誰が想像するだろうか。

「詳しい話はまたの機会にしよう。お前に訊きたい事がある」

 錫雛がはっと表情を引き締めた。私もそれまでの馴れた雰囲気を収める。

「一年前……爾焔は何故乱を起こした?」

 一年ほど前、爾焔は将軍錫徹と組んで紅王を殺し、国の主導権を握った。

 反乱自体はこの乱世では別に珍しい事ではない。

 しかし、私の見る限り、爾焔は変わり者ではあるが王を殺して政柄を握るような野心を持っているようには思えなかった。寧ろ王と反りが合わないなら合わないなりにうまく立ち回って影から国を操る方が余程似合っている。それが、どうして突然あんな強硬手段に出たのか。

 私の問いに、錫雛は目を伏せた。

「どうしてそんな事を訊くのですか」

 返ってきたのは、低い声だった。

「碧の将軍として訊くなら紅の軍備や内情でしょう。その問いは、貴方個人のものですね」

 私は一瞬言葉に詰まった。確かに、将軍が捕虜に向ける問いではないのかも知れない。しかし。

「……そうでもないさ」

 私の脳裏に、緋色の瞳が甦る。

「今回の戦の鍵は朱雀だ。爾焔が朱雀を宿した事とあの反乱……恐らく、関連があるのだろう」

 錫雛は暫時無言で私を見据えた。強い視線がぶつかる。

「一つ……一つだけ、答えて下さい」

 意を決したように、錫雛が言った。その視線はまだ、私に据えられたままだ。まるで僅かな偽りも見逃すまいとするように。

「貴方は、まだ私の知っている朱宿様のままですか」

 その問いは、どこか縋るように私の耳に届いた。

 かつて朱宿だった私に、伝えたい事がある。しかしあの頃のように私を信用していいものかどうか、わからない。

 そんな葛藤が伝わってきた。


 私は、ゆっくりと首を動かした。

 左右に。


「人は変わるものだ」

 諭すように、私は言った。

「私もあれから色々な事を見聞して、変わった」

 固い表情で私を見ている錫雛の目を、真っ直ぐに見詰め返す。

「しかしそれがお前の信用を裏切るような変わり方ではないという事は、保証しよう」

 私を信じるか、否か。あとは錫雛次第だ。

 私は黙って彼の判断を待った。

「……依宰相は、変わってしまったのです」

 長い時間を隔てて、ようやくぽつりと錫雛が言う。呟くような声に、私は静かに耳を傾けた。

「朱宿様が消えた事で、王は依宰相を責め、官位を落としました。しかし依宰相にとってそれは別に大した事ではなかったようです。特に何事も起こりはしませんでした」

 しかし、と逆接を口にした錫雛は、回想するように目を伏せた。

「数ヶ月して、白で朱宿様が捕らえられたという噂が聞こえて来ました。その報せに、王が激怒したのです。白が朱宿様を利用するのではないかと懼れたようです。そんなわけないのに」

 最後の言葉に、私は深く頷いた。

 白の人々は朱宿を恨んでいた。利用しようとするよりも、殺そうという意志の方が遙かに強かったのだ。

「王は依宰相の職を免じ、神殿に幽閉しました。どうやらその時に、依宰相は朱雀を宿されたようです」

 王の猜疑と八つ当たりにも等しい厳罰が、爾焔に非常の手段を選ばせた。

 愚かしいと思う。朱宿と言ってもあの時の私に朱雀の力は無かったのだから、白の出方を窺ってから対策を練っても決して遅くはなかった筈なのに。

「そして、反乱が起こったのです」

 爾焔は様子を見に訪ねてきた錫徹に反乱計画をもちかけ、軍に王を攻めさせた。凡愚な紅王に兵士達の同情は無く、身を賭して守るような臣下もおらず、追いつめられた紅王は遂に神殿を脱出した爾焔に焼き殺されたと言う。

「私が依宰相にお会いしたのは、その後でした」

 その時の感覚を思い出したのか、錫雛がぶるりと肩を震わせる。

「あの方の目を見た時、直感しました……正気ではないと」

 私は暫し沈思した。

 反乱以来、狂気に憑かれた爾焔。否、恐らくその狂気が反乱を起こさせたのだ。だとしたら、その狂気はどこから来たか。

「何故依宰相はあのように……」

 呟く錫雛に、私は思慮を終えた目を向けた。


「狂っているのは依爾焔じゃない」

 ようやく、事の全体像が見えてきた。

「朱雀だ」


 爾焔は朱雀の力を体内に取り込むには力不足だった。だからこそ朱宿を、私を利用する必要があったのだ。それを無理に取り込んだから、爾焔は朱雀の狂気に染められてしまった。

「となると、私が決着をつけるべきか……」

 朱雀をそこまで追い詰めたのは私なのだから。

 私は立ち上がった。

「済まないが、暫くは捕虜として陣中に居て貰う。悪いようにはしない」

 それだけ約束して、幕舎を出る。配下の兵に元通り警備を命じ、漣瑛を連れて自分の幕舎に戻った。

「漣瑛、覇姫様と、それから朝廷に使いを出せ。紅の大将軍錫徹の息子を生け捕ったとな」

「錫徹の……!?」

 漣瑛が目を丸くする。私は肩を竦めた。

「あの少年だ。名は錫雛。以前顔を見た事がある。間違いない」

 それだけ言うと、すぐに地図を広げる。

 この一戦で紅軍の侵攻をひとまずくい止めたものの、まだ一撃を加えただけで、撤退に追い込んだわけではない。これから奪われた土地も取り返さなければならないし、出来ればここで爾焔を捕らえてしまいたい。

 私は周辺の地形を睨みながら頭をフル回転させた。檄溪率いる残りの兵が追い付くのが、恐らく七日後。それまでに朱雀への対策だけは立てておく必要がある。

「平地は駄目だ。狭い……水場……」

 報告されている紅軍の現在位置と自軍の居場所を書き込み動きを考える。

 私は過去に一度朱雀を追い払っているが、あれは自分に宿っていたものだ。他人の体内にある力を追い出すというのは、それよりずっと難しい。


 久しぶりに、あれの力を借りなければならないかも知れない。


「申し上げます」

 不意に、漣瑛の声が来客を告げた。

「覇姫様がお見えです」

「お通ししろ」

 私が答えると、すぐに春覇が入口の幕を潜ってきた。

「突然済まない。もう体は大丈夫か」

「はい。御陰様で」

 社交的な挨拶を交わし、席に座る。

「錫徹の子を捕らえられたと聞いた。大慶至極」

「覇姫様のご加護のお陰です」

 型通りの受け答え。

 春覇が周囲の耳を気にしているのだと気づいた私は、漣瑛に誰も近づけるなと命じた。

「残りの兵が来る前に炎狂を何とかしたい」

 地図を睨みながら言う春覇に、私は頷いた。

「俺もそれを考えていたんだ。でもこの戦い、相手は炎狂自身よりも朱雀だ。俺達の手には余る」

 私が正直な所を言うと、春覇は鋭い目を上げた。

「ならばどうする」

 手が無いわけではないだろう、と無言の内に問われ、私は意を決した。

 実現するかわからない、かなり思い切った策だが、やるしかない。

 こと朱雀の件に関しては、私が全力を尽くす義務が有るのだから。

「あいつに頼んでみる」

「あいつ?」

 もう、迷っている暇は無い。



 翌日、両軍は再び動いた。

 敢えて私が軍を率いて紅軍に攻撃を仕掛け、数に圧された振りをして退却する。算を乱して逃げる碧軍を、紅軍は追って来た。同時に朱雀の炎も追ってくる。私の命令を待つまでもなく、碧軍は泉に向かって逃げた。

「来たな」

 私は味方の兵の最後尾で紅軍が追ってくるのを確認した。

 漣瑛を始めとする配下の兵には、前に行って兵士達を先導するように言ってある。単独で危険な位置に留まる事になるから猛反対を受けたが、私が押し切った。


 表向き、碧の大宗伯鴻宵は方士としての力をもう持っていない。そういうことにしなければ、大きな力はそれを利用しようという人間を引きよせかねない。

 誰の目にもつかないように、やらなければならない。


 私は泉に近づいた所で進路を逸らして疎らに生えた木の陰に入った。あちらでは、泉に待機していた春覇が紅軍に向き直っている。

 私が方士であると敵にも味方にも思わせないために、悪いけれども春覇に全て被って貰う事になる。

「清き水、育む水よ、我が敵を滅せよ」

 春覇の声が鋭く響き、泉にいた多数の水精霊達が追ってきた炎を止める。紅軍の先頭にいた爾焔の馬も止まった。それを確認して、私は意識を集中させる。

「お前の同胞を救う為だ。力を貸してくれ」

 遠くにあった気配が、私の呼びかけに応えたのがわかる。

「――青龍」

 瞬間、私の傍らに淡い光が生じ、人型を形作った。

「来てくれたか」

「ああ」

 短く言葉を交わすと、青龍は爾焔の方に目を向けた。軽く眉を寄せる。

「朱雀……哀れな……」

「とにかくまずはあいつから引き離す必要がある」

 私が言うと、青龍は頷いた。私は手綱を引く。

「行くぞ」

 短く言って馬の腹を蹴り、駆け出す。

 他には目もくれず、一直線に爾焔に斬りかかった。私の剣を、爾焔の剣が止める。

「君は……」

「観念しろ、爾焔……いや」

 朱雀、という言葉と同時。


 長大な青い龍が、春覇の放った大量の水精霊と共に爾焔に襲いかかった。

 奔流が爾焔を呑み込む。

「馬鹿な……!」

 そう呻いたのは爾焔だったのか、朱雀だったのか。


 馬を引いた私は、じっとその顛末を見つめていた。


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