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おるすばん組の解説ターン

「おい!なあ!何なんだよありゃあ!いきなりあの二人が黒い幕かなんかに包まれたと思ったら、キョウヤどこ行っちゃったんだよ!?」

エルルが慌てふためいてオタオタしている。

「大丈夫。魔術で別の空間に飛ばされただけ」

説明する。が、それでもおたおたは止まらない。

「別の空間って……!それじゃあいつ1人かよ!?なら俺らもそこに行くぞ!行かせてくれ!お前なら出来るだろ!?なあ!」

私にすがってくるエルル。本気の目をしている。

この人、ほんとに仲間思いの人だなあ。

でも、それでも。

「……出来ない。私の専門外」

苦い思いだけど、そうとしか言えない。

「……でもね……!」

だから、私はエルルに駆け寄って、小さな身体でその大きな体に抱きついた。

「な!?」

こんなチビに顔を赤らめるエルルさん。ほんとに嘘も偽りもない単純なやつ。

「大丈夫。主はきっとすぐ戻ってこれる。倒してこれるから。待ってよう?」

そのまま少しの間を経る。

だんだんと落ち着きを取り戻してくるエルルさん。

「……そうだな、信じるか」

そう。それでいい。

離さないで、そのまま考える。

創造魔術。又の名を「顕現魔術」だとか「降臨魔術」とかとも言われる、魔術解明の原初より存在するとされる古魔術の一つ。

ちなみに本物の創造なんてこんな生半可なものではない。創造の定義について今ここで一から語ると五年くらいかかりそうだけど、まあ所詮馬鹿な人間共が何も考えずに付けた名前。黙っておこう。

話を戻せば、この魔術。名の通り魔術によって創造を行う動作のこと。

「創造」と一口に言っても、神々の行う「創造・変化・破壊」の三輪環とは訳が違う。もっと低レベルなものであり、制限は多大。人間が許されるギリギリの輪環干渉権限までを最大限に活用してもなお、戦闘面でしか使用出来ない。これですら恐らく魔術の原初にして最終形となるものだと言うから鼻で笑ってしまう。

さらに負荷は絶大。まして、その創造する存在の正確さと巨大さを求めるならば、さらに強い負荷を必要とする。

創造可能なものは主に四つ。

まず「武具」

そして「使役獣、使役魔」

さらに、「戦闘使用用の物体」

そして、先ほど展開された「領域」。もとい「優勢干渉領域」。

起句はまず共通の「ファクトリア」。これは創造、工場を現す。

そして繋げて四種の起句。

武具は「アムド」、使い魔は「クリツ」、物体が「オブジ」

最後に領域が、「エリア」。

「ファクトリア・エリア」。

創造者の心の内を映し出し、具現化して領域へと変える創造魔術。その最大の集大成。

そこで創造者には「優勢干渉」の権限が付与される。

優勢干渉……すなわち、魔術や剣技などシステムに働きかける動作への干渉が優先的に行われる。つまり、こちらの魔術などの攻撃が全て防御無視攻撃になる。そして、相手の動作干渉が殆ど無効化される、といった具合だ。

相手と干渉権限の差があまりなければ意味はなくなるが、でなければほぼ無双状態。

言ってしまえば、見た目はほとんどお飾り。

優先度の強さは術者の魔力の強さに比例して変わるが、ほとんど優先度カンストほどだと思っていていい。

これ全部をまとめると、元々レベル1対レベル1だったのが、領域を創造することによりレベル80くらいになって一方的にボコボコに出来るってことだ。

ちなみに、優勢干渉領域「エリア」の攻略方法は……

殆どない。

あるとすればまったく同じかそれ以上の干渉権限で、同時にまったく同じタイミングで領域創造を発動するか、領域内であっても干渉権限が上であれば領域は意味をなくす。

余程干渉権限が強くなければ基本的に太刀打ち出来ずに死ぬ。

そもそも、創造魔術を修得している人類自体歴史上に3桁いたかいなかったかくらいなのだ。

まして最も魔力消費と負荷の大きいエリア創造、現在の世界、修得者は二桁もいないのではないだろうか。

勿論馬鹿みたいに強いのは当たり前。

そんな奴らと対等に戦うことすら難しいというのに、さらに強くなられるとなれば、最早神しか倒せないのではないかというほどだ。

だからこそ、主は大丈夫だろうか。

あの死霊、生前は相当の騎士で魔術師だったろう。

死霊となって多少弱くはなっただろうが、それでも創造の使い手。

主の干渉権限がずば抜けてでもいない限り、負ける。

で、その可能性は……

皆無。

……無理かもしれない。

きっと大丈夫って言ったけど、わからない。

お願いだから神様、私の主を助けて下さい……

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