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第三視点より

二人同時にまた地を蹴って、かと思ったら次の瞬間には斬り結んでいる。そう思ったけど刹那にはもう2撃目が回っている。

ここまで無駄がない、でもこんなに激しい剣戟は見たことないし刀として経験したこともない。

きっとこのヨルオルって騎士は、刀の技量だけで言えばサクラ様やリアシュルテよりも優っている。

勿論、基本のステータスとかを勘案したら天つ国の最上部と地底の奥底地獄門ほどの差があるだろうけど。

それでも、正確すぎてむしろ怖いほどの正確性、極限まで鍛えられた無駄のなさ、一撃一撃に込められた重みは本物。スキルを一切使ってこないのも、きっと誰かが決めたスキルよりも自らその場で放つ剣の方が強いからだ。

正直、このヨルオルと戦った場合無傷で帰ってくる自信は皆無。

少なくとも胸に大穴くらいは空いているだろう。

それは女神お二方にも言えること。まあ女神だから大穴は空かないだろうけど、掠り傷程度で帰ってこれるか危うい気がする。

エルルさん?論外。


鋼と鋼が撃ち合う音。不規則なそのリズム。

目で追うのも面倒だと感じ出したこの頃。一手一撃理解しようとすると脳みそが壊れそう。

……ちなみに元々の体で脳みそは既に破壊経験済み。どれだけの痛みかは分かってる。

って、この話別に必要なかった。


彼がリアシュルテと斬りあっていた時も思ったけど、この子は格上に自ら挑んでしまう子なんだなーと思った。

サクラ様と一緒に居れば分かるけど、神の上では格上に挑むこと=死ぬだった。

なのにね、彼はその常識さえ覆してる。

負けるどころか、引き分けるどころか、勝っているのだから。

剣戟の音だけを追いかけつつ、端に映る剣光に目を輝かせながら立ち尽くす。


と、気付いたら戦闘が始まってしまったので確かめそびれたことがある。

ていうか、何で今まで不思議に思わなかったんだ?一番謎なのに誰も口にしなかったじゃないか。

そう。初歩にして最大のご質問。

ヨルオル、何者?

何故この廃城に、何故中枢付近に、人間が何故。

この城は数十年前からニズリスもろとも峡谷の中で閉ざされていたはず。

死霊共が巣喰っているのは頷けるにしろ、何故ここに人が?


実は、あらかた予想はついている。

そう。きっと彼も、死霊なのだ。純粋に「戦いたい」という思いを宿した、普通のとは少し違う死霊なんだろう。

彼の言葉のなかに「ゼアネラ」というのがあった。

ゼアネラ、それは百年前の言葉。ゼァネール建国の前身なのだから。

つまり、彼は……

百年前の人間にして、無念と共に残された死霊。

詳しく言えば、ゼァネール側で戦い続け、無念のまま散った若き天才指揮官。それがヨルオルだろう。

死霊として化けるにはもっともな死に様。

しかし、死霊とは思えないほど、その体は現実味がある。

実体を持った死霊など、聞いたこともない。

どういことか。一体、死霊とは。お前とは。

斬り合うその姿を目に映す。何処からどう見ても、それは人間。

私の知らない事象が、どうやら起きているみたい。


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