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至れし其の処

旋回、見事に一回転し、その遠心力が殊更俺を加速させる。

ダンスのように軽やかな着地、そこから始まる真逆なほど重々しい加速。

続く静かな情報戦闘の中、牽制し走る俺。

そう、まだ戦闘は終わっていない。

ここはもう上層の目と鼻の先。

ここを突破されれば、それすなわち事実上の敗北と同じ。相手の戦力が総動員される可能性も十分に考えられる。

つまり、これで終わる訳がないのだ。

案の定、加速していく俺を阻むように浮かび塞がる黒の魔方陣共。前方の行く手を黒く覆って行き、増殖して俺に対する防殻のようになる。

上で、空軍の出撃かくやの勢いで魔方陣から飛び出すのは死霊。それが、凡そ十機ときた。かつ、これまでとは打ってかわったかのように速い速度で俺に向かひて突貫する死霊共。

このまま両者がぶつかれば、確実に有利なのは死霊。数の暴力には逆らえない。

しかし、それはあくまで「このまま」の話。

このまま……つまり常識的な場合の話だ。そんなもの、非常識の俺にはまったく縁のない話。

「ぎぃぃぃぅううううあえああ!!」

叫び散らかし突進してくる一体。それを、無言で斬り伏せた。

黒く爆散する体、なさすぎる手応え。

あっけなく、その一匹が完全な消滅を迎える。

その1つの消滅が、彼のライターを着火させた。

気付けば鬼の形相へと変わり果てたような顔のキョウヤ。

手当たりに自ら群れへと突撃した。

もう一体、もう一塊、必要とされて斬り伏せられる。

もう一体、もう一塊と黒く爆せて消えていく。

怒りの剣には、勝てない。

このまま両者がぶつかった場合、非常識な俺はどうなるのか。

答えは明白だった。

突撃する2体を肩をずらして回避。そのまま刀で追い討ち。

そのままもう一体が来るので、刀を楕円描くその形で高速旋回。回転する刀の速さでパリイする。

弾かれてよろけた死霊を、すかさず刀でもってして心臓を貫く。

胸元から炎が拡がり、死霊は燃え上がった。

それを見届ける暇もなく、次の相手を追撃しに移る。

俺を中心にして大きく旋回する三匹の死霊。

おそらくは三匹同時に迎撃しなければいけない。

しかし、タイミングが分からない!

集中しろ、集中しろ……

もうすぐ、もうすぐ……


一匹の死霊が、ふいに減速し。


「ここだッ!!」

叫んだ刹那、軌道を読まれた三匹が突した。

速い。速いからこそ、簡単!

刀を右脇構えに。そのまま腰を落とし、刀が蒼の光に包まれる。

「リューゼ・ノル!!」

死霊が間合いに入ったと同時に、俺の剣術が発動。

青の光がリングを描き、三匹のその腹を一刀両断に絶ち斬った。

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