エピローグ
「ノースウルヘン教授ですか?
お時間を取らせて申し訳ありません」
ケイトリンの両親は明るくなって、何度も娘を探したが見つからなかった。
『カザリン大学のノースウルヘン教授を訪ねて!』
荒唐無稽な話だとは思ったが、娘が過去に帰りアルフレッドという城主と結婚出来たのか? その子孫の教授に尋ねに来たのだ。
ケイトリンが何度も会おうとしても、何か邪魔が入って面会できなかったのに、両親はすんなりと会えた。
「ハモンドさん、こんな奇妙な話はありませんね。
私がこの古文書を発見した日に、貴方達が訪ねて来られるとは……」
ノースウルヘン教授に見せられた手紙の宛名を見て、両親は泣き声をあげた。
『500年後にハモンド夫妻へ渡して下さい
二人の娘、リサ・ケイトリン・ノースウルヘン』
その手紙には、無事にアルフレッド様と再会して、結婚したと書いてあった。
「あの子はアルフレッド様と結婚できたのね!」
「子供にも恵まれたと書いてあるが……」
抱き合って泣いているハモンド夫妻から不思議な話を聞いた教授は、自分の祖先がこの時代から花嫁を娶ったのかと驚いた。
「アルフレッドはノースウルヘンの城主としてだけではなく、リアノン王の家臣として活躍したのですよ。
確か、その夫人はアン王妃の側近として仕えて、貧しい子供達にも教育の機会を与えた賢夫人です」
両親は娘がアルフレッド様と幸せな人生を送ったのだと涙にくれた。




