# 新章 第4話 ## 「親友の願い」
# 新章 第4話
## 「親友の願い」
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「アベルは。」
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「お前にそんなこと望んでないぞ。」
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街中が静まり返った。
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ゼノスの瞳が揺れる。
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今まで。
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誰もその名前を口にしなかった。
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いや。
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できなかった。
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魔王ゼノスの唯一の弱点。
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それが。
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アベルだった。
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「黙れ。」
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低い声。
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しかし。
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怒鳴っているのに。
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どこか弱々しかった。
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シンは動じない。
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「アベルは優しかったんだろ?」
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「黙れ!」
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「友達だったんだろ?」
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「黙れ!!」
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黒い魔力が吹き荒れる。
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家が揺れる。
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人々が悲鳴を上げる。
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それでも。
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シンは一歩も引かない。
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「だったら。」
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「お前が人を苦しめることを喜ぶわけない。」
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静寂。
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ゼノスの拳が震える。
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分かっていた。
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本当は。
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ずっと。
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分かっていた。
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でも認めたくなかった。
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認めたら。
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自分が間違っていたことになる。
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親友を失ってからの十年。
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全部。
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否定することになる。
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その時。
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一人の老人が前へ出た。
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街の古い郵便局長だった。
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「魔王様。」
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ゼノスが振り向く。
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老人は震える手で。
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一通の封筒を差し出した。
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ボロボロだった。
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何度も読み返された跡がある。
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「これは……。」
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ゼノスが固まる。
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見覚えがあった。
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アベルの字。
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「なぜそれを……。」
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老人は言う。
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「届かなかった手紙です。」
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静寂。
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アベルが戦場へ向かう前。
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最後に書いた手紙。
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しかし。
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戦争の混乱で失われた。
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ゼノスは受け取る。
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震える手。
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封を開く。
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中には短い文章。
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> ゼノスへ
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> 元気か?
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> また一緒に魚釣りしたいな。
>
> 王都は大変だけど頑張る。
>
> もし俺に何かあったらさ。
>
> お前はちゃんと幸せになれよ。
>
> 世界を恨むな。
>
> 自分を嫌いになるな。
>
> お前は優しいから。
>
> だから誰かを助けてやれ。
>
> 俺の自慢の親友へ。
>
> アベル
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沈黙。
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誰も喋らない。
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ゼノスも。
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ただ。
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立ち尽くしていた。
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やがて。
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一滴。
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涙が落ちる。
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二滴。
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三滴。
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止まらない。
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十年間。
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泣けなかった。
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怒り続けた。
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憎み続けた。
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強くならなきゃいけないと思った。
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でも。
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違った。
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本当は。
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ずっと悲しかった。
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ただそれだけだった。
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ゼノスは膝をつく。
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「アベル……。」
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初めてだった。
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魔王ではなく。
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一人の人間に戻ったのは。
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その時。
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ミアが前へ出る。
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みんな驚く。
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十二歳の少女。
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才能を奪われた少女。
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彼女はゼノスの前まで歩く。
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そして。
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一枚の絵を差し出した。
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下手だった。
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決して上手くない。
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でも。
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温かかった。
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そこには。
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笑う少年二人。
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川辺。
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釣り竿。
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青空。
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ゼノスとアベルだった。
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ゼノスの瞳が見開かれる。
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「どうして……。」
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ミアは照れながら笑う。
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「私。」
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「まだ下手だけど。」
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「描くの好きだから。」
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シンを見る。
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そして。
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言う。
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「才能なくても。」
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「描けました。」
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静寂。
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ゼノスは絵を見る。
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また涙が落ちる。
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その瞬間。
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黒い魔力が崩れ始めた。
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空を覆っていた闇。
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消えていく。
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才能奪取の力。
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その根源だった憎しみが。
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消えていく。
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そして。
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奇跡が起きた。
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街の人々。
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才能を失っていた人々。
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体が光り始める。
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「え……?」
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「手が動く!」
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「魔法が使える!」
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「思い出した!」
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奪われた才能が。
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戻ってきた。
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歓声。
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泣き声。
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笑顔。
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街中に広がる。
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ゼノスは空を見る。
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十年ぶりだった。
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空が青く見えたのは。
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その横に。
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シンが立つ。
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「どうする?」
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ゼノスは苦笑する。
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「分からん。」
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「じゃあ一緒だな。」
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「何がだ。」
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「俺も分からんことだらけだ。」
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二人は少し笑った。
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そして。
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長い長い戦いは終わった。
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剣ではなく。
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心で。
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誰かを倒すのではなく。
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誰かを救うことで。
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## 新章 最終話
### 「才能の意味」
シンが異世界へ来た理由。
彼の能力の本当の正体。
そして物語最大の秘密が明かされる――。




