入学式2
誤字脱字等ありましたら御手数ですが御知らせください。
「髪型よし、制服よし、靴下よし、靴よし。よし!完璧!う〜高校楽しみ!!あっ!もうこんな時間だ!!」
今日は待ちに待った高校登校日です!
「いってきまーす!!」
「「いってらっしゃい〜」」
ちっ!相変わらずラブラブだな、うちの父と母は!
そんなことは置いといて、梅はまだかな…?と思っていると…
「お〜いー奈乃ーごめーん遅れた!」と言いながら梅が走って来た。
「大丈夫だよ、」
「奈乃の家はいいね!!駅が近くて羨まし〜」
「へへーん!!いいでしょ〜!!ところで寮にはいつから入るの?」
「えっとねぇ〜あたしは明日からだけど他の子達は3日位前から入ってるんじゃないかな?」
「へー!!ところでなんで梅は明日から入るの?」
「えっ?めんどくさいからだよ〜だってね3日は自分で御飯作ったり、掃除、洗濯しなきゃいけなくなるんだよ!嫌だよそんなの!!明日からは御飯寮で作ってくれるし、楽チンじゃん!!ってことよ〜」
「……な…成る程」
そんな他愛もない話をしながら電車に乗って、降りて、歩いているともう学校の校門のところまで来ていた。
奈「やっぱり綺麗でしかもデカイ学校だね、何回見ても驚くよね…」
梅「うん!」
奈「寮も綺麗なんでしょ?」
梅「そうなのよ〜羨ましいでしょ♪…あっ奈乃!クラス表見に行こうよ!!一緒のクラスだといいね!!」
奈「うん!なんかドキドキする〜うちら中学のとき人数少なかったからクラス替えなんてしたことないでしょ?」
梅「た…確かに!!」
奈「あっクラス表あったよ!!…藍塚、藍塚…あっあった!うちは1の4だよ!梅は?」
梅「えっとねぇ………あった!やった!!あたしも1の4だ「イェーイ♪」」
私たちは思わずハイタッチをした。
梅「んじゃぁ体育館行きますか〜」
奈「そだね!!」
そういう訳で体育館に移動した。
奈「体育館もやっぱり綺麗だね!」
梅「うん!…でもこの学校校舎と他の設備にどんだけ金かけてんのかな?」
奈「えっと、まず温室プールでしょ、レストランみたいな食堂、でかい図書室、体力トレーニングルーム…とかたくさん金かけてそうな設備が大量…」
梅「あっあとねぇなんと『薔薇園』もあるらしいよ!!」
(うへ〜薔薇園て…)
あとね、と梅がまた続きを話そうとしたのとちょうど同じくらいに『新入生の生徒は自分の名簿順に座って下さい』と体育館内で放送が入った。
奈「あっうち女子の一番目だ」
梅「あたしはこっち(右の一番端)」
奈「じゃぁまた式の後で」
梅「あいあい!!」
そんな会話をすると私たちは指定された席に座った。
間もなくして式が始まった。
(……ね…眠い…ヤバイ瞼に重り付いてるみたい…校長の話長っ!!でも春の日和は最高だなぁ〜窓から入ってくる暖かい日差し…あ〜眠い!)
私はウトウト、ウトウトしてしまい、ついには……寝てしまった…
私はいい気分で居眠りを堪能していた…なのに…なのに!
キャーーーーー!!
というたくさんの大きな悲鳴(主に女子)で安眠を妨害された。
(いったいなんなんだ!!静かにしてよ…君たち『人が寝てるときは静かにしなさい』って教わらなかったのか!!)
などと悪態をつきながら悲鳴あげてる女子たちの目線の先を辿ると…
(ひぃぃぃぃぃ!!あ…あの…あの男は!)
忘れたくても忘れられないくらいの綺麗な顔をしたやつ!出会い頭にいきなりキスしてきたやつ!そう…
そいつが今ステージの上で新入生代表の言葉をあのフェロモンたっぷりの声で朗読している…
(イケメン変態ドスケベ男!!えっ!?なんで!?なんであの男がいんの?えっ!?も…もしかして…同じ学校…なん、か、な…ふざけんなよ!あんなドスケベ男と(まぁある意味ひとつ屋根の下で)生活してみろ!!大変なことになるぞ!!) などと考えていると、ふと視線を感じたので視線を感じた方を見ると……
(み…見てる!!見てるよ!!あの人こっちガン見しながらスピーチしてるよ!こえーよ!!てかよう見つけたな!!新入生はざっと500人はいるよ!)
私は新入生代表のスピーチが終わるまで自分に向けられている視線から耐え続けた…
---15分後〜
『これをもちまして入学式を終了します。新入生の皆さんは教室まで移動して下さい。』
(は〜やっと終わりましたよ!!こんな冷や汗かいた入学式なんて初めてだよ…)
「奈乃奈乃奈乃〜!!新入生代表の男の子めっちゃかっこよかったね!!」
「………………うん。そだね…」
「えー!!なにそのテンション!!」
「ははは…」
「どったの?」
「はは…なんでもないよ…ってか早く教室移動しよ!」
「……うん!でもなんか話そらされたような気が…」
「気のせいたい!!」
そんな会話をしながら体育館から移動していたところ急にグイッと腕を引かれた…
「うわっ!!ブフッ!!」
私は誰かに腕を引っ張られたせいでバランスを崩し、ポフッと温かくて硬い何かに鼻をぶつけてしまった…
いや、正確に言うなればギュッと包み込まれた…
「いたた…鼻痛!!………ん?ギュッ?………………い、いやーーーーー!!でたーーー!!」
「……奈乃うるさい…」
(でたでたでたでたでたーーー!!イケメン変態ドスケベ男!!しかもまた抱き締められてる!!)
「離して離して離して離して離して〜!!」
「………ヤダ」
く、くそう!!こいつは『ヤダ』だの『駄目』だの『うるさい』だの単語でしか話せんのか!!
(し、仕方がない…こうなったら実力行使じゃ!)
などと考えていると…
「あはは!ほんま蒼龍の奈乃ちゃんセンサーの鋭さには驚かされるね〜」
「!!」
いきなり聞き覚えのある声が聞こえてきたので私はビックリした…
「……っち…宝か…ってか隠れてるなら隠れてるで出てくるなよ…」
「(にこっ)?な〜に蒼龍?僕に何か言いたいことでも?」
「…………いや……何も」
「そっか〜」
(な…なんか今の会話でこの人たちの上下関係がわかったような気がする…
そ、そんなことよりも早く解放して欲しい…どうやったら解放してくれるかな?…………あっ!!)
と私はこの人たちの上下関係を思い出し、私はこの間助けてくれた紳士的イケメンに助けを求めたのだが……
「あっ!!そう言えば自己紹介が未だだったね〜。僕の名前は祓崎宝だよ〜よろしくね、奈乃ちゃん♪そして、今君に抱きついてるむっつり助平の名前は拝蒼龍だよ〜。
僕のことは好きに呼んでいいからね〜あと、そのむっつり助平は自分の気が済むまで離れないと思うよ〜だから我慢するしかないんだよ〜我慢だよ、我慢〜」
と話をそらされた…
しかも『我慢』ってなんで私が我慢せなならん!!
そう思ったのだがいくら足掻いても離してくれそうもないため私は諦めて『我慢』することにした…
---10分後
(やっと解放された!渋々だったけどね…そんなことよりも早く逃げよ!!)
私は前回同様教室までダッシュしました…
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「あはは!また走って逃げちゃったね〜蒼龍が抱きついたりして気持ち悪いからだよ〜(ケラケラ)」
「(グサッ)!!………………うるせぇ…」
「あ〜れ〜蒼龍なんか涙目なってるよ〜(ケラケラ)」
「………………」
「あはは!」
「………………」
宝は一頻り笑うとスッと顔から笑みを取り去った…
「蒼龍も気づいてるよねこの"気配"」
「……もちろん。結構な量なんじゃないか?」
「そうだね…まぁこの間の生き霊より能は弱いし雑魚の集まりって感じかな〜でも油断大敵って感じかな〜」
「そうか…」
「蒼龍が一番分かってると思うけどこんな雑魚が集まって来てるのは蒼龍のせいでもあるし奈乃ちゃんのせいでもあるんだよ。蒼龍の能は今まで受け継がれてきた"陰陽師家(拝家)"の先祖の中でも1、2を争う程強い。しかもその近くに"あの"奈乃ちゃんがいるんだ。能を付けたい雑魚どもがよってこない訳がない。それに雑魚だけでなく奈乃ちゃんは"上の奴ら"にも目を付けられてたよね。」
「あぁ。」
「君が奈乃ちゃんを守るしかないんだよ。前世で"あんな"ことがあって奈乃ちゃんとずっと触れ合っていたいと思う気持ちも分かるけど気抜いてるとあの悲劇が繰り返されることになるよ。」
「わかっている!!今度こそ守り抜いてみせる!!」
「ふっ当たり前さ!もし奈乃ちゃんを守りきれなかったなら僕が君を殺すことになる…そんなのは真っ平御免だからね〜」
「はぁ〜、じゃぁ教室行くか。」
「いや、今更行っても遅いでしょ?サボろーよ〜」
「はぁー…お前は真面目なんだか不真面目なんだかよく分からんな…」
「えーー!!蒼龍知らないの!!今は真面目男子よりも不真面目男子の方がモテるんだよ〜奈乃ちゃんも蒼龍みたいな真面目君よりも僕みたいな不真面目君の方が好きだったりして〜」
「…………サボるか!!」
「(ブフフ!!)う…うん…ぷっ!!…ゴホンゴホン!!……そうしよう!」
(蒼龍は相変わらず騙しがいがあるね〜ぷぷぷっ〜
これからどんな風に物事が進んで行くか楽しみだなぁ〜)
「おい、なにニヤニヤしてるんだ帰るんなら帰るんで早くしろ。」
「はいはい〜」
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たぶん蒼龍がヘタレになるのは宝の前だけです。たぶん…
やっと陰陽師っぽい会話が出てきました!
次もイケメン変態ドスケベ男出てきますよ〜
ですが…色々忙しくなりますので亀更新になると思います。