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10.サンタクロースはトルコ人!?

本日は久々に2本まとめて更新しています。

コレは2話目。

「チャラリ ルラーララーラー♪ トルコ共和国。

通称トルコは西アジアのアナトリア半島(小アジア)と東ヨーロッパのバルカン半島東端の東トラキア地方を領有する、アジアとヨーロッパの2つの大州にまたがる共和国。トルコの歴史は約10000年前の新石器時代にまでさかのぼると言われ、アナトリアの大地は何千年にもわたりスメル、バビロン、アッシリアからの文明がハッティやヒッタイトのような人々を通して交わった文明の交差点として賑わって来ました。」


挿絵(By みてみん)



「なぁ、とーちゃん?」


「なんや?」


「今何月か知ってる?」


「3月やろ。それがどうかしたんか?」


「それやのにこのタイトルて……。なんぼなんでも3月にサンタクロースは無いんとちゃう?」


「うるさいな。とーちゃんは書くのめっちゃ遅いねん。」


「いや、なんでそこでいばってんのか意味わからんし、遅筆にも程があるやろ。てか、そもそもパソコンすら起動してるとこここんとこ見た覚えがないんやけど?」




 いやね。12月初旬には既にきっちりクリスマスネタを用意してたんですよ?

けど、書こう書こうと思っているうちにズルズルと日が経っていて、気がついたらいつの間にやら花粉が舞い散るシーズンになってたって訳で。



「ふーん。まぁどうでもええけど。で、今日はトルコ料理の話なん?」


「そう。」


「ってかなんでサンタクロース?サンタクロースっていうたらフィンランドとか北欧の話なんとちゃうん?モフモフの暖かそうな服着てるやん」


「そう思うやろ?けどな、実はサンタクロースこと聖ニコラウスはトルコ出身のキリスト教の司教やねん。」


「えっ!?ちょっと待って?トルコってそもそもイスラム教の国なんとちゃうん?なんでサンタクロースがトルコ人なん?」



 サンタクロースこと聖ニコラウスは4世紀頃、ローマ帝国下にあった小アジアの地中海沿岸の都市ミュラ(現在のトルコ南西部デムレあたり)の司教だったと言われている。

トルコと言えばイスラム教の国というイメージが強いので意外に思われるかも知れないが、この当時のローマ帝国はキリスト教を国教と定めており、イスラム教はまだ誕生すらしていないのだ。(イスラム教の発祥は西暦610年頃)

ニコラウスはミュラよりも少し西になるパタラという小さな町の裕福な家に生まれ育ち、親が亡くなった後莫大な資産を相続したと言われている。

彼が聖人として崇められるようになったのは、貧しさのあまり結婚の為の持参金を用意してやる事が出来ず、3人の娘達を売り飛ばそうとしていた靴屋の家に金貨の入った袋を投げ込んで救った為なんだとか。

 その後、彼はパタラの町から当時貿易で栄えていた港町ミュラへと移り住み、町の司教が亡くなったのをきっかけに後任としてキリスト教の司祭になったのだそうだ。

件のエピソード通り、聖ニコラウスは子供や乙女達の守護聖人として崇められただけではなく、港町の聖人らしく商人や船乗り達にも信仰が篤かったらしい。



「ふーん。でもさ、それやったらフィンランドって全然サンタと関係ないんとちゃうん?なんで今はサンタクロース=北欧とかトナカイのイメージになってるんやろな?」


「なんかアメリカで資本主義的サンタクロース信仰が広まった時に、サンタクロースはトナカイの引くソリに乗ってるとか、北極圏に住んでるっていう設定が付けられたらしいわ。けど、80年くらい前にフィンランドの新聞社が『北極にはトナカイの餌が無いからサンタクロースはフィンランドに引越しました』って記事をのっけたせいで、サンタクロース=フィンランドっていうイメージが定着したんやって。」


「ええっ!?嘘。マジで!? そんな勝手な記事書いて、他の国から苦情とか出んかったんかなー?」


「さぁ、その辺どうなんやろうなぁ? けど、聖ニコラウスは商人の守護聖人でもあるらしいから商業広告として使われても怒れへんのかも知れんで?」




 ++++



 さて、そろそろ料理の話に移りたいと思う。

今回のトルコ料理はさすが世界三大料理と言われるだけあって、世界の広い範囲にわたって大きな影響を与えている。

以前に作った事がある他の国々の料理でも、トルコ文化の影響を強く感じるものがたくさんあった。

オリーブオイルと野菜をふんだんに使い、中央アジアの羊など肉類やヨーグルトをはじめ、黒海、地中海などの海産物、小麦粉や米など東西の食文化を融合させたトルコ料理は多彩な味と調理法が魅力的で、今回作った料理の他にもまだまだ知らない料理がたくさんあって本当に奥深い。




 今回最初の一品は聖ニコラウスがいたと言われているトルコ南西部の地中海周辺やエーゲ海周辺で現在もよく食べられている料理「クルチ・シシ」。


挿絵(By みてみん)


クルチはカジキマグロの事で、シシは串焼きの事。

カジキやマグロをトマトやピーマン、玉ねぎ、レモンなどと共に串焼きにしたシンプルな料理だ。

焼き上げる前にマリネ液にしっかり漬け込んでいるから、さっぱりしてるのにしっかり味が染み込んでいて美味しい。



 お次はスープ。

「ヤイラチョルパス(高原のヨーグルトスープ)」と言われるスープで、ヨーグルトと米、卵、バターを使った日本人にはあまり馴染みのない不思議な味わいのスープだ。



挿絵(By みてみん)



実はこの料理、FF11にもアトルガン料理として登場しているらしいので、ネトゲが好きな人ならば知っているかも知れない。




 サラダはトルコでもっとも食べられていると言われる定番の「チョパン・サラタス (羊飼いのサラダ)」



挿絵(By みてみん)


忙しい羊飼いが手早く調理して食べていたと言われていて、野菜をざっくり切りオリーブオイルとレモンで和えただけのシンプルなサラダだ。

トルコは野菜が安い為、毎日サラダが食卓に並ぶ家庭も多い。

 この企画を初めてからというもの、北欧やアフリカなど野菜があまり食べられていない国々の料理を作る機会が多かったので、トルコ料理のレシピに登場する野菜の量の豊富さには驚かされた。

経済と流通が発達している現代はともかくとして、これらの料理が何千年も昔から食べられていたという事はちょっとすごい事なんではないだろうか?

いかにオスマン朝が強大だったのかわかるというものだ。




 もう一品、トルコと言えば忘れてはならないのがコレ。

「パトゥルジャン・イマム・バユルドゥ」。


挿絵(By みてみん)



パトゥルジャンはナスの事で、イマムはイスラム教の僧侶の事、そしてバユルドゥは気絶したという意味。

直訳するとこの料理の名前は「坊さんの気絶」ということになる。

その名の通り、この料理のせいで坊さんが気絶してしまった為についた名前なのだそうだ。

ちなみに気絶の原因は、断食中にあまりに美味しそうな匂いを嗅いでしまったが為に気絶したのだとか、美味しすぎてついつい食べ過ぎてしまったせいでひっくり返って気絶してしまったとか諸説あるらしい。

その大層な名に名前負けしないくらいとても美味しい料理だ。

じっくりコトコト煮込んだナスに、トマトと玉ねぎから滲み出したエキスがたっぷり染みて、口に含むとじゅわーっと煮汁が溢れて来るのがたまらない。

 まさに絶品のトルコ料理なのだが、残念ながら南米原産のナスとトマトが4世紀のトルコに存在するはずもないので、聖ニコラウスがこの料理を口にする事は無かっただろう。

もし、聖ニコラウスがコロンブスよりも後の時代に生まれていたのならば、ひょっとしたら彼もキリスト教の聖人ではなくイスラム教の僧侶になっていて、この料理を食べてひっくり返っていたかも知れないな。などと想像してみるとちょっと面白い。





 ++++



「とーちゃん、今回サンタクロースネタやのに、クリスマス料理が全然出て来てへんやん」


「しゃーないやろ、なんぼ調べても聖ニコラウスの時代のクリスマス料理がわからんかってん」


「えー?じゃー今のトルコのクリスマス料理は?」


「トルコは基本的にイスラムの国やろ?だからあんまりクリスマスは関係ないらしいで。最近はイスラム教徒じゃない人達を中心として大晦日にプレゼント渡したりケーキ食べたりするのが流行ってるらしいけど。」


「へぇー」


「まぁでもクリスマスネタやのに、クリスマスに関する料理がひとつも無いっていうのも淋しい気がするな。せっかくやからオマケに我が家のローストチキンレシピでものっけとくか。」


「……なんか最近そのパターン多くない?」


「気にしたら負けや負け。」



レシピ詳細


●トルコ風まぐろの串焼き (クルチ・シシ)

材料 ( 5人分 )

マグロ(カジキ等) 600g

ピーマン 3個

トマト 2個

玉ねぎ 2個

レモン 2個

■ マリネ液

玉ねぎすりおろし 大さじ1

レモン汁 大さじ1

塩こしょう 適量

オリーブオイル 大さじ1

ローリエの葉 2枚


1.タッパーでマリネ液の材料を混ぜて、一口大にカットしたマグロの切り身を漬け冷蔵庫で30分ほど寝かせておく。

2.玉ねぎ、トマト、ピーマン、レモンはそれぞれ一口大にカット。

3.玉ねぎは火が通りにくいので、レンジで少しチンして置く。

4.1のマグロと2の野菜類を串に交互に彩りよく刺していく。

5.230℃に熱したオーブンで4を約15分程焼く。焦げそうになってきたらアルミホイルで表面を覆うといい。




●高原のヨーグルトスープ (ヤイラチョルパス)


材料 ( 4~5人分 )

プレーンヨーグルト 500g

小麦粉 大さじ2

卵 1個

米 大さじ3

水 4カップ

玉ねぎ (みじん切り) 1/4個

塩こしょう 適量

バターもしくはマーガリン 大さじ2

ミント (刻み) 小さじ1/2

一味唐辛子 (チリパウダー) 小さじ1/4



1.米は洗ってザルにあげておく。

2.鍋にヨーグルト、小麦粉、卵を入れ泡だて器でよく混ぜる。

3.1に米、玉ねぎ、水、塩こしょうを加えて弱火で約20分ほど煮込む。(焦がさないようによく混ぜる)

4.2のスープを器に盛り付け、3を回し掛ければ完成。






●羊飼いのサラダ (チョパン・サラタス)


材料 ( 4~5人分 )

きゅうり 1~2本

トマト 中2個

ピーマン (もしくはパプリカ) 1個

玉ねぎ 1/2個

■ ドレッシング

レモン果汁 (もしくはワインビネガー) 大さじ2

こしょう 少々

イタリアンハーブソルト 小さじ1

オリーブオイル 1/4カップ

ミント (刻み) 小さじ2



1.野菜はすべて賽の目切りに。

2.ボウルにドレッシングの材料を混ぜて、1の野菜を加えざっくりと和える。

3.皿に盛り付ければ完成。



●坊さんの気絶 (パトゥルジャン・イマム・バユルドゥ)


材料 ( 5人分 )

ナス 10本

玉ねぎ(みじん切り) 小1個

にんにく (みじん切り) 小さじ1

トマト (賽の目切り) 中2個

塩 小さじ1半

砂糖 小さじ1

オリーブオイル 1/2カップ

湯 1カップ

イタリアンパセリ (みじん切り) 適量



1.ナスはヘタを残して、縞模様に皮を剥き、しばらく塩水に晒して水気を切る。

2.トマトと玉ねぎは0.5cm角に。

3.深めのフライパンにオリーブオイルを熱し、1のナスを焼いて一度皿に取る。

4.同じフライパンでにんにく、玉ねぎ、トマトを炒め、しんなりして来たら、塩、砂糖で味付けする。

5.ナスに切れ目を入れて、4の炒めた野菜を間に詰める。

6.4のフライパンに詰め物をしたナスを並べ、分量の湯を加えて、弱火で約30分煮込む。

7.皿に盛り付け、イタリアンパセリを散らせば完成。






●鶏皮家のローストチキン 


挿絵(By みてみん)


お腹の中にケチャップライスとうずら卵を詰めた子供が喜ぶ味付けの丸鶏ローストチキン。

宝探し気分でうずら卵を探しながら食べるのが楽しい。


材料 ( 丸鶏1羽分 )

丸鶏(大きめ) 1羽

塩・コショウ 大さじ1~くらいづつ

ハーブ類(タイム・バジル・オレガノ等) 好みのものを適量

オリーブオイル 大さじ2程度

ローズマリー 3~4本

■ 詰め物用ケチャップライス

残りご飯 茶碗2杯

玉ねぎ 小2個

パプリカ(赤・黄) 色取り程度に

ハム(もしくはウィンナー、ベーコンなど) 適量

塩コショウ 少々

ケチャップ 大さじ3~4

■ 付け合せ野菜

パプリカ (赤・黄) 1個づつ

ブロッコリー 1株

プチトマト 10個くらい



1.丸鶏を綺麗に洗って、(お腹の中も)キッチンペーパーで拭き取る。

2.ボウルに塩・コショウ・ハーブを混ぜ合わせたものを作っておき、丸鶏全体に塗りつけなじませる。

3.お腹の中も綺麗に塗れたら、ビニール袋に入れ冷蔵庫に休ませておく。(2時間~半日くらい)

4.その間にケチャップライスを作る。

子供が好きな味にする為、油にマーガリン使用。甘味を出すため玉ねぎは多目がオススメ。

5.うずら卵をゆでて、皮を剥いておく。

6.冷蔵庫から丸鶏を取り出し、ケチャップライスとゆでたうずら卵を詰めていく。詰め終わったら、お尻と首の所を爪楊枝で止める。

7.オーブンを210度に余熱しておき、その間に丸鶏全体にオリーブオイルを塗り、アルミホイルで包む。

8.200度のオーブンで、1時間から70分程度じっくり焼く。

火が通ったかどうかは竹串を刺して、出て来る汁が透明になればOK

9.中まで火が通ったら、アルミホイルを外し、周りの肉汁を全体に掛けながら表面をパリっと焼く。(約10分程度)←この時に、パプリカなどの野菜も一緒に入れて焼く。

10.ブロッコリーは茹でて、プチトマトはそのまま添えて、大皿に盛り付けたら完成。

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