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お噺殺し  作者: 六甲寺
3/3

第三部 「過去と未来」


「はぁっ…はぁっ…」


華やかな街の明かりも届かない路地裏

とある男が息を切らせ走っていた

敵から逃げるため一心不乱に走りつづける


「はぁっ…はぁっ……クソッ」


走り疲れた男は近くの壁に座り込む


「何だってんだ、チクショウ



あの野郎…なんで俺の『力』が通じないんだ…!!」


男は相手の未来と過去を観ることが出来る

だが、男が逃げている敵には通じない


今まで数多の人の未来や過去を観てきた

なのにその敵は全く観る事が出来ない

それでは、まるで―――


「まるで…過去がないみたいじゃないか!!!」


そんな事はもちろん有り得ない

過去の無い人間など有り得ない


「そんなの…矛盾してる!!!」


人間としては矛盾している

だが、その敵は

存在も

目的も

過去も未来も

全てが矛盾していた


「矛盾している――か


えぇ、確かに私は矛盾している


けど―――それはあなたもでしょう?」


男の前に今まで逃げていた敵が


噺を消し続ける噺家が現れた


「ク…クソッ」


男は、無駄と知りながら噺家に力を使う


だが、噺家に過去など無い


それはとっくに捨てたものだから


噺家に未来など無い


それは―――



「私はとっくにしんでいるんだから―――



けど、そんなに観たいなら観せてやる


私の過去を――」



===========

とある所に少女がいた


少女は変わったところはない一般人だった


だが、少女はイジメを受けていた


クラスメイトから無視され常に独りだった


イジメは時がたつにつれエスカレートしていった

ある日、少女はそのイジメにより大きな怪我を負った


その頃から少女は考えていた


なぜ――私だけなのか


そして少女は遂に折れた


生きることに疲れビルから投身自殺を考えていた


その時、少女は魔法使いにあった


そして、少女は力を得た


矛盾を操る力を


だが、少女は知らなかった

この時、少女は力と引き換えに命を失ったことを

この時から少女の存在は矛盾しており


自らの存在を知った時から、少女は矛盾を狩るようになった


自らの命を取り返すために―――


===========


そして、今


男は噺家の未来が無いことを知った


それでも、無駄と知りながら透視を続ける


噺家は近付いていく


男はまだ透視を続ける


すると男の目に噺家の未来が映った


「は…はははは!!!


観えた…お前の未来が観え―――」



途端、男は切られた


男が観た未来はおそらく噺家が死んだ未来


だが、それは―――


「あなたが何を観たかは知らないけど


それは、あなたの妄想に過ぎない」


こうして男はその場に倒れ込んだ


そして誰もその男を見つけることは無かった




第三部 ―了―

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