第四話 『核』
第三話で登場したセルリ・クーナの容姿について記入不足だったためここに少し詳しく加筆しときます。
髪の色は蜜柑色で背は160cm、見た目は少しクール系の20~22歳ぐらいの女性です。
(これに伴い第三話での登場シーンに見た目情報を加筆されます)
「じゃあ始めるのであります」
そういって、ラーレ・ダーレとセルリが解析を始める。
自分も手伝おうとしたのだが、体の心配とこのての仕事は任せてほしいと言われてしまったため、もし人手が必要になったら手伝い、そうでなきゃ休憩をするという形で話がまとまったのだ。
そのため特にやることが無くなってしまったので、少し離れたところで腰を掛けて休憩がてら作業中の二人の会話に耳を傾けてみることにした。
「素材を集めるってことはさ、ダーレちゃんの星能使って宇宙船を直してあげるって感じ?」
「そうなのであります。ラフィを見てるとなんだか助けてあげたいと思ってしまったのであります」
「ふーん、ダーレちゃんは優しいよね。あたいだったらさ、助けようと思ってもどうやって助ければいいのか分からないし、分かったとしてそれを行動に移す力も勇気もないから見て見ぬ振りしちゃうな」
「そんなことないのであります!クーナにだって力も勇気もあるのであります!そうじゃなきゃ、学校で一人だった私を助けてくれたのであります!」
「あれはさ、周りが嫉妬して仲良くしようとしてないだけでさ。あたいは逆に仲良くなりたい!て思ったから、こうして今も仲良く作業とかしてるわけだし…」
そんな二人の昔話と思われる内容が聞こえてきて、逆に聞いてるほうが申し訳ないと思い聞き耳立てるのをやめた。
けど会話の内容的に【修復】のことは、友人であるセルリには隠してないらしい。
学校も一緒らしいが、容姿だけを見るとセルリよりラーレの方が十歳若く見える。というよりラーレの見た目が幼すぎている。
「ヴェルン星の年齢って見た目とか関係ないのか?」
「そんなことないのでありますよ?」
「うわぁっ!?いつの間に!」
疑問を口にしたところでラーレが自分の隣に座りながらその疑問に答えていた。
「とりあえずあらかたの作業が終わって素材の目途が付いたのであります。それはそうとクーナと私の年齢差が広いって話でありますよね?」
「まあそうだな。さっきの会話が少し聞こえて、学校って単語が耳に入ったもんだから疑問に思ったんだ。で、実際に同い年とかではないんだよな?」
「違うでありますよ。けど年齢は違えど学年が一緒なのであります」
「年齢が違くても学年が一緒っていうのは、この星では結構当たり前のことなのか?」
「そんなことないのであります。ただ私が特別だったというわけで…」
そう喋りながら視線を落とし、自身の握られた拳を見つめたまま喋るのを再開する。
「私がセルリと同じ学年なのは、この星能があったからなのであります。この星能のおかげで、学校の成績が常に良く十年分飛び級することも簡単にしてしまったのであります。まあそれを面白く思わない人が沢山いたのであります」
それを聞いた瞬間先程の二人の会話の意味をある程度理解する。
こういった話は出会ったばかりの自分が踏み入るにはあまりにも明るい話とは言えない。
「ごめん、ここまで重たい話をさせたいわけじゃなかったんだ。でも、十年も飛び級してる天才に命を救われた自分は本当に運がよかったんだな」
少しでも場の空気を変えたいという自分の意思を読み取ったのか、それともただ単純に天才といわれて喜んだのかその真意はわからない。
だが、先程までの暗かった表情が嘘だったかのように今は明るい表情をしていた。
「そうなのでありますよ!本当に見つけた時は大焦りだったのであります!腕がとれてたり下半身は潰されていて、考えるだけで今生きてるのが恐ろしいぐらいであります!」
元気よく自分を見つけた時の反応などを語り始めるが、まだ会話を続けるのが少し気まずいと思ってしまい、辺りを見渡して茶を濁そうとするがさっきまで作業していたセルリが見当たらないことに気がつく。
「そういえばセルリはどこに行ったんだ?」
「クーナなら家にある使えそうな素材を取りに行ったのであります」
「そうだったのか、てか作業があらかた終わったんだよな。素材を取りに行くってことは必要素材の割り出しも終わったってことだよな。でも、壊れる前の宇宙船を見たことがないのに足りないパーツとかわかるものなのか?」
「星能を使えばわかるのであります。元の形を想像するっていうよりパーツが元の形を教えてくれるみたいな感じであります。それを踏まえて今あるパーツから素材を解析して、この星で手に入る代用できそうな素材を割り出すのであります!」
そういってラーレは、ポケットから四角い物体を取り出し左手に乗っけて空いた右手ではめ込まれた赤色の石を触る。
すると四角い物体から光が放たれ、目の前に広がり長方形の形を成していく。
やがて文字が浮かび上がり、それがモニターのような役割を果たしていることに気がつく。
ラーレは目の前に広がった光の結像のモニターをなぞるかのように手を振り、空間をモニターがスライドして自分の目の前にやってきた。
「このリストを見るのであります。ここに書いてある素材は、私たちが集める必要のある足りていない素材なのであります」
そこには、画像付きで見たことのないものが三つリストアップされていた。
本当は目の前にある光の結像について聞きたいところだが、それを我慢して真面目な話をすることにした。
「やっぱり見たことないものばっかだけど、三つしか無いっていうのは想像よりもだいぶ数が少ないな」
「リストの数が少ないのはクーナがとりに行ってるように、基本素材は私たちが所持している分で補えたのでリストアップしていないのであります。私たち的には、今から集めるぐらいなら今持ってるものも使ったほうが効率がいいのであります」
「いいのか?全然集める気満々だったからそこまで実費を切らなくてもいいんだけど」
「いいのでありますよ。本来集めようとしてた素材の量を今から集めようとしたら時間が掛かり過ぎてしまうのであります。時間は有限なのでありますから早く作れることには越したことがないのであります」
「そうか、ならありがたくそうさせてもらうよ」
「だけど残ってる素材を集めるのは他と比べると結構骨が折れるのであります」
「骨が折れるっていうのは、えーと…リストに書いてある…エレキ核、フレイム核、アクア核?なんなんだこの核っていうのは…」
リストと睨めっこをしていると視界の隅に映るラーレが解説をしたいのか座りながら体をおもむろに揺らしている。
実際目の前にいる人は天才なのだから考えるより教えてもらった方が手っ取り早いと思い訊ねてみることにした。
「ラーレ、核について教えてもらってもいいか?」
そう聞くと待っていましたと言わんばかりに立ち上がり人差し指を立てながら話し始める。
「そうでありますね!核について説明する前に、この星のエネルギーについて話す必要があるのであります。この星では、技術が発達して空を飛ぶ乗り物もあれば、光を自由自在に扱えうようになり物の役割を果たせる様になったりしてできないことがほぼ無くなったのでありますが、永久的なエネルギー問題だけはどうしても解決ができなかったのであります。そのため星で稼働しているものは、資源をエネルギーへと変換させる方法が採用されているのであります。その資源は浪費し続けてるのでありますが、実質上無限に近い資源があるため、半永久的に変換し続けられるのであります。簡単に…」
「簡単にいうと、限りなく永久に近いエネルギーが、半永久的エネルギーとしてこの星では主流として使われているんだよ!ね!ダーレちゃん!」
意気揚々とエネルギーについて語っている途中で、いつの間にか帰ってきていたセルリが、言う予定だったであろう言葉を奪い去ってしまい、ラーレの顔が困惑で染まり涙を流しながら振り向く。
「クーナ!なんでぇ…なんで言っちゃうのでありますか!うぅ…」
「ごめんごめん!必要なもの家から持ってきて倉庫にしまってきたことを伝えに来たらさ。ちょうどエネルギーについて語ってたからって…わー!泣かないで!あたいが悪かったからさ!もう割り込まないから!」
零れた涙をセルリから渡されたハンカチで拭い、沢山宥められて気持ちを切り替えたのか自分の方へと向き直し説明を再開する。
「えーとでありますね。ほぼ永久といっても過言ではないエネルギーをこの星は使用してるのであります。ですがこの核は、そんな半永久的エネルギーとかと違い、資源を浪費することなく永久的にエネルギー生み出し続けることが可能なのであります」
「ちょっと待ってくれ、核っていう便利なものがあるならなおさらなら資源を使う半永久的エネルギーを使う必要なんてないんじゃいのか?」
「そうもいかないのであります。核は便利な性質を持っているのでありますが、扱うのが難しいうえに入手がいたって困難なのであります。そのため、長い間研究していた者たちは口を揃えて『いつ使用可能になるのかわからない永久的エネルギーを求めるぐらいなら、目の前にほぼ永久のようなエネルギーをより良いものにした方がいい』とか言って、核の研究を打ち切ってしまったのであります」
「ならそんな扱うことが難しい核を集めたところで使えないなら意味ないんじゃないのか?」
「それには意味がちゃんとあるのであります。私の【修復】によって、簡単に核を素材として一緒に取り込むことができて、永久的エネルギーとして核を使用することが可能になるのであります」
「ん?核を簡単に取り込めて永久的エネルギーにできる?」
「そうでありますよ。だから船が治りさえすれば宇宙を飛んでも飛び続けれるのであります!」
「てことはリストにあるのは核だけだから、船自体はすぐにでも修復可能ってことなのか?」
「一応出来るでありますけど、新しいエネルギー装置を取り付けないと飛べなくなってしまうのであります」
「元のエネルギー装置だとダメな理由はなんなんだ?」
「単純にそのエネルギー装置に必要なエネルギー元となるものがこの星に存在しないのであります。だから新しくエネルギー装置をつける必要があるのであります。そこで修復と一緒に、エネルギー装置にその核を取り込んでしまえば、今後のエネルギー補給が不必要になって便利になるのであります」
「なるほどただ修復するだけじゃだめだから、核は必要不可欠ってなわけなのか。そういえば核が入手困難とかいってたよな。どうして入手困難なんだ?」
「数が少ないってのもあるんでありますけど…」
「この星で一番標高の高いオブストーマウンテン”通称:技術の利かない山”の山頂でしか採掘ができないからなんだよ!ね!ダーレちゃん!」
セルリが説明をまたもや遮り、言おうとしていたことを奪い去ってしまう。まだ状況がつかめずに困惑しているラーレが段々と理解し始め目からこぼれる涙の量が増えていき叫び始める。
「なんでぇ…!なんでまた同じ様なことするのでありますか!もう割り込まないって言ったのであります!ひどすぎるのであります!」
泣き始めてしまったラーレをまたもや沢山宥め、自分たち三人は核を手に入れるためオブストーマウンテン”通称技術の利かない山”へと向かうこととなった。
ヴェルン星の半永久的エネルギー論はかなり完成されていて、現在問題なく普及されているほどです。
そのため、核を開拓して永久的エネルギーに転換するという動きはこの星では少数派となっています。
ルビをどれだけ入れるのかって悩みますよね。
とういことで、第五話は今週末頃に投稿できたらいいなと思っています。




