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悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました  作者: ぽこぺん


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第67話 ゴブリンのお仕事6

「ふぁ~、このプリンというお菓子はおいしいですね~。口の中で溶けてなくなっちゃいます~」


「ゴブ~」(お団子もおいしいゴブ~)


アイラお嬢様もご満悦だ。

私たちは学園内にあるカフェテラスで最近発表されたという新作のお菓子を楽しんでいる。


ぶっちゃけて言えばプリンアラモードとみたらし団子とミックスジュースだ。

転移組の奴ら、いい仕事してるゴブ。

味も食感もけっこう忠実に再現出来ている。

異世界の原材料でここまで再現するのは大変だろうに食への執着と情熱を感じるね


「うむ、一応は国家機密のようになっているが最近また現れた黒髪の一族の中に商人や料理人がいるらしく新たな遊戯や料理が次々と発表されているらしい。肉を刻んで柔らかくしたり油で揚げたりと様々な工夫がされた料理のようだ。中には辛くて毒に近いものや魚を生で食べたりするキワモノもあるようだが」


「私たちのコスタリア領都にも黒髪の一族とかいう方々は来られるでしょうか?」


「さてね~。うちにはコレといった特産品が無いからね~。今は帝国とも不可侵条約中で穏やかだしわざわざ国境沿いの田舎まで来る理由は無いかもね~」


「お嬢様も機嫌がなおってよかったです~。プリン2皿目は私、マリーが奮発しておごったかいがありました~」


「へぇ~、やるじゃないのマリー。ここの一品はちょっとしたディナーぐらいの金額なのにおごるなんて。主人思いのいい傍仕えになれるよ」


「今回は王妃の側近のチャンスは逃しましたがまだまだ別の大きなチャンスは逃しませんよ~。うぇっへっへへ」


「こらこら~、そういうことは思っていても口に出さないものだよ~。まだまだマリーは貴族としては3流だね~。あはは~」


何だか盛り上がっているゴブ。

やっぱりおいしいスイーツがあると会話もはずむゴブな~。


「レイシア先輩、ご無沙汰しています!学園に戻られていたのですか」


先程医務室かどこかに向かわれた金髪イケメン王子様が声を掛けてきた。


「や、やぁ~。ルー君。奇遇だね~。ちょうどキャンプから戻って休日を家族と過ごしていたところさ。そっちは何だか慌ただしそうだね~」


レイシア様がすっとぼけて話を合わしている。

イケメン王子の隣りにはアリシア様とお付きのメイドさんが立っている。

お付きのメイドさんの視線が鋭い・・・


「はい!今はあまり詳しくは先輩にも言えませんが急ぎ父上に報告する用事が出来ましたので、キャンプのみんなには合流が遅くなるとお伝えください!」


「ふふふ、私からも何も詮索しないけど。長い間の思いが成就できたと解釈していいんだよね?お姉さんもうれしいよ~」


「ええ、先輩の助言のおかげです。最後まであきらめずにいて良かったです!母上もいろいろと尽力して秋のお茶会の用意をされていたようですがそちらもお断りしていただかなくては。僕にはアリシアしか必要がないのです!」


秘密もなにも全て内容を披露されているな・・・

よっぽど思いが通じたのが嬉しかったんだな。

こっちも魔法で援助したかいがあるってもんだゴブ。


アリシア様はもうプロポーズとも言える宣言に隣りで恥ずかしそうにうつむいている

先程までの知的でクールなイメージが完全に無くなっているゴブ。


「ではみなさん、ご機嫌よう!先輩もご武運を!」


なかなか見た目通りの好青年だな。王族なのに威張っていないし学園の先輩をきちんと敬意をもって接している。

顔も良く最高権力があり人柄も良いとは・・・アイラお嬢様、これは確かに逃した魚は大きかったか?


「一途ですね~。もうアリシア様しか見えていないって感じですぅ~」


「しかしここにアイラちゃんが居ても王妃様に婚約候補の取消しをお願いしにいく話をしちゃうとか、ホントに他の女の子は眼中に無いってことか~。参ったね」


「そもそも候補者に誰がいるかも見てなかったんじゃないですかね~」


「オカワリ」


「ふぇ?」


「プリン、フタサラ、オカワリ」


「ひぇぇ~、お嬢様~。もう勘弁してください~。お小遣いが全部プリンに消えちゃいます~。レイシア様~助けてください」


「最初の注文分は私が出しているからね~。ここからはマリーがおごるから機嫌をなおして~って言ってたじゃない」


「プリン、フタサラ、オカワリ」


「ゴブ~」(わたしもお団子おかわりゴブ~)


~~~~~~~

王都の宰相の執務室


宰相と宰相補佐のコスタリア次期当主(アイラ様パパ)


「おおっ、今日はやけに早く戻ってきたではないか。いつもは内政派閥のつわもの共が難癖つけてなかなか書類に捺印をしてくれないものを。卿もだんだんと古タヌキどもの扱いがうまくなってきたのか?」


「あはは、言葉が過ぎますよ宰相。いつもは無視から始まるのですが、今日はみなさんすこぶる機嫌が良くてすぐにサインと捺印をしていただけました。その後にお茶を出していただいたり、世間話をしようとお誘いいただいたりいつもと違って私も少しびっくりしましたが」


「ほう、卿の働きぶりは皆も知っているところであるからな。誠実さと融通の利かなさは紙一重とはいえ我らもお勤めゆえ仕方のないことよ」


「みなさん口を揃えて私のことを見直したと評価されておりまして。さらにエルフと仲良くなるにはどうしたのかとか、私の領に今どれくらいのエルフが住んでいるのかなど少し分からない質問が多かったですが」


「ふ~む、エルフじゃと。シャリナルルアとは国交が無いがのう。冒険者レベルでの行き来はあったとは思うが。何か動きがあったのを情報に早い貴族が嗅ぎつけたのかのう、どちらにせよ城に籠っておるワシらには関係の無いことじゃ」


「はい、また機会がありましたら話を聞かせてくださいと軽く流しておきましたが・・・その答えだけで満足されていました」


「エルフの愛人でも囲いたいとかじゃなかろうて」


「あははっ、さすがにそれは無いでしょう。まぁでもエルフといえば永遠に若く美しい半妖精のような存在といいますからね。気持ちは分かりますが」


「ふぉふぉふぉ、卿の口からそのような冗談がでるとは。皆が見直しているというのも分かった気がするわい」


「ははは、私も王宮のお勤めはもう10年になりますから」


コスタリア家でハーフエルフの隠し子が存在するという噂を聞きつけ、あわよくば自分にもエルフの愛人を紹介させようと貴族の重鎮たちが動き出していることを知らずにいるのは本人と執務室に籠って真面目に仕事をしている宰相だけだった。


そしてこの日を境に今まで滞留していた(されていた)書類や法案が迅速に処理されるようになり、アイラ様パパの評価がさらに上がるのであった。

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