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悲報 スライムに転生するつもりがゴブリンに転生しました  作者: ぽこぺん


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第108話 招かれざる客15

「今日はお父君と母君は宿に戻られないそうですよ、もし良かったらシンシア様も宿に戻らずにこちらで泊まっていかれたらどうですか?」


奥方様がシンシアにコスタリア邸で一泊することを勧めている

お父様とお母様はエルフさん達と夜までお楽しみになられるようですね

子供には聞かせられない話なので気づかれないようにコスタリア家に泊まらせて何事も無かったことにしてあげるんだな


「あらまぁ、それはいいですわね。親友同士でお泊りしてさらに親睦を深めるのはとてもとても良いことですわ~」


シンシア様は何の疑いも無く善意だと解釈してくれたようだ


「それじゃ決まりですね、晩ご飯こそ期待してくださいね~。当家のお風呂も下町で流行りの聖水風呂と遜色ありませんからゆっくりしていってくださいませ。もちろんせっかくですからお供の方々も入っていただいて構いませんわよ」


「はぁ、ありがとうございます。こちらでは女神の日の前でもありませんのに湯浴みをされるのですか、そんなに汗をかいていませんから拭くだけでもいいかと」


「!!お嬢様、ご存じないのですか?今コスタリア領では奇跡の温泉が出て大浴場が建設されているとか。今回の訪問はきっとその視察ではないかと皆も噂していたのです、美容と健康にひじょぉぉぉっっに効果があるとのことです。機会があれば何とか一度入ってみたいと私たちも奥様にお願いするつもりでしたのですっ」


お上品なメイドさんがすごい勢いでシンシア様に詰め寄っている

公爵家に仕えるメイドさんたちだからきっと上位貴族のお嬢様たちなんだろうな

聖水風呂を知っているとはなかなか情報通の方々のようだ


「当家のお風呂はダンジョン産の神秘の女神像により常に沸いた状態でいつでも入浴できますわ。あまり大きな声では言えませんが町に出来ている貴族、大商人ご用達の浴場よりも効果が高いと自負しておりますわ」


「そ、それでは今から入るといっても許されるのですかっ」


「ええ、もちろん。むしろ時間をずらしていただいた方が私たちも気を使わなくてすみますわ。今日はメイドのお仕事も忘れてゆるりとくつろいでくださいませ」


奥方様の言葉にメイドさんや護衛の女騎士さんたちが目を輝かしている


「それではご案内いたしまーす、お昼をまだ食べていない方はこちらで簡単な食事をとられてから後でまたお呼びいたします~」


「えっ、今からなの?まだお昼を食べたばかりで・・・」


「っしゃぁ!こっちはハズレかと思いましたが完全に当たりでしたね!あっち組には悪いけど美肌の効果を確かめさせてもらうわよ~」


「あっちはあっちでエルフと楽しめるって自慢してたから丁度いいのよ、ざまぁ」


シンシア様が何か言いたそうだったが興奮したメイドさんの声でよく聞こえません


「ほっほっほ、皆も普段は気を張って神経をすり減らしておりますからなぁ、この機会にゆっくりとさせてもらいなさい、私は男ですから浴場までは入れませぬ、お嬢様を頼みますぞ」


執事さんからのお許しも出てメイドさんたちはシンシア様を抱えるように浴場の方へとまっしぐらに行ってしまった

どこの貴族家でも女性はたくましいですね


「また王妃様の時のように長風呂になりそうですから、しばらく経ったら冷たい飲み物でも差し入れしないとまずいかしらね、ふふふ」


何かうちのお風呂が高級スパかナイトプールのようになってきているゴブ

きっとメイドさん達のうち何人かは『貧相を上品と言い換えて慰めあっている会』の一員だと私のカンがいっている、王妃様から情報を聞き出しているな

さすがにわたしの[女神工房]の整形手術のことまでは教えてないと思うけど


「ゴブ」(それではこっちは一度解散でよいゴブな)


「そうですわね、シンシア様が湯浴みをされている間は私も部屋に戻っていますわ」


こっちは午前中に出来なかった書類を片付けにいきますか

毎日こつこつと少しずつでも処理していくのが結局は最後には楽なんだゴブ

さぁ、仕事、仕事


「ちゅ~」


家具の影からホーリーラットが顔を出して報告をしてくる

公爵様と奥様の方もエルフ全員を繰り出して接待を始めているようだ

公爵様が何人か口説いて領地に誘っているようだが苦戦している様子

エルフさんたちは金や権力ではつれないからな~

聖水風呂のあるコスタリア領から離すのはなかなか難しいと思うぞ

そして奥様の方が払う金額が倍以上多いそうだ・・・何をやっているんだ?

日本でもちょっとした高級クラブよりも最高級ホストクラブの方が落とす金は多そうだったけど

公爵家の力関係が垣間見える知りたくない情報だな

まぁ楽しんで帰ってくれれば何よりです、以上。


「ちゅ、ちゅちゅ~!」


今度は別のホーリーラットが顔を出して大きな声で呼んできた、緊急事態か?


「ちゅ~、ちゅちゅっ!」


なになに教会に運び込まれたお婆さんがひどいケガと毒にもやらてて瀕死だと!

教会の聖女アイラ像への祈りでも治しきれない重傷者か

くっ、せっかくこの聖水風呂が出来てから病気、ケガ人ゼロの暮らしやすさNo1の街と宣伝しているのに教会で死人が出たら悪い噂が経ってしまう


「ゴブ!」(今すぐ教会へ連れていくゴブ!)


わたしの意思を理解したのか壁や天井からホーリーラットがさらに7,8匹飛び出してきてわたしを載せて走りだす

空飛ぶ絨毯に乗っているみたいで楽しいゴブ

コスタリア家の廊下や階段を雪そりで滑るようにすごい速さで移動する


「きゃっ、なになにネズミの群れ?それにミセッティ様が!?」


「ミセッティ!どうしたの!ネズミに攫われているの!?」


ちょうど廊下を歩いていたアイラお嬢様たちとすれ違う


「ゴブー」(違うゴブ、乗せてもらっているんだゴブ、教会まで行ってくるゴブ~」


そのまま外にでて領邸の塀を垂直に駆け上がる、3mぐらいあるのにすごいな

段差や水路も飛び越えてほぼ直線で移動し教会へ直行した

救急車も顔負けの緊急運行だったな・・・おえっぷ、少し酔ったゴブ


教会に入るとテトが両手を振って知らせてくれている、隣りにはライラさんが跪いてお婆さんに回復魔法をかけているようだ


「ゴブさ~ん、こっちこっち~早く~」


「ミセッティ様、私の回復魔法だとキズをこれ以上拡げないようにするのが精いっぱいで・・・毒に加えて呪いも入っているようで私には手に負えません」


近付いてみると上品な身なりのお婆さんが腹を切り裂かれて息も絶え絶えだ

大きな傷に毒や呪いってこの街はもうそんなに物騒じゃなくなったはずじゃ・・・

意識も遠のいてしまって命の危険がありそうって・・・ん?


簡易鑑定をかけてみるとHPがほぼ満タンなんですけど?

それに意識が無く、はぁはぁと腹で息をしているが薄めでこちらを見ているような


じー・・・さらに鑑定でよく見てみる


名前:セレスティーナ

種族:人間

性別:女

年齢:83歳

職業:聖女、異端審問官


って、おいおいおい~異端審問官キター

ケガをしたふりして潜入捜査中じゃないか


自作自演乙・・・


どうしましょうか


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