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3-6 奇才塾、その驚くべき指導⑥

 そして、あとの2つ、「せつない」「やるせない」だが、これも複雑な思いであるので、自分から考えだしたシチュエーションから導きだすしか方法はない。しかし、先程の「さびしい」よりも、深い思いがあることなので、シチュエーション自体を作り出すことも難しいし、そこから、さらに分離させるのは難しい。だが、それを分離させてこそ、深い演技ができるようにつながっていくのである。


 次は、第1章 喜怒哀楽無限表現の、第2項 表情感情表現である。


 これは、女優として、もっとも重要な表現方法である、顔の表情による感情表現である。一見、「たのしい」とか「うれしい」など、喜びの表現は、そこまで違いはないように思われている。そして、その時の気持ちの表現は、顔の表情に合わせて、言葉も時には発することもある。


 しかし、今回は、顔の表情に加えて、その気持ちを作り上げて相手に伝える訓練である。そこに伝える言葉はない。相手をみて、その表情をみせる、その想いをこめて。これは、前回までの、単語感情表現と似ているが、前回は言葉を補助として、感情を伝えたのだが、今度は、顔の表情を補助として感情を伝える訓練である。これは、言葉ほど具体性がないので、さらに難しい。これも、2人1組でやっていく。


これが終わると、次は、第3項 所作感情表現である。


 これは、全身を使って行えるため、人によってかなり、違いがみられる。頭の先から足の先まで、どれをどこまで使ってもかまわない。しかし、それだけに表現は難しいのと、これまでと同様に感情を伝えることは、別に行わなければいけないので、さらに難しいのと、かといって、全身をぜんぶオーバーに動かすとか、多くの箇所を動かしたりするというのは、品を欠くことにつながりやすいので、あくまでも、女性としての意識を忘れずに、身体で、できるだけ少ない部分を使って表現をすることが重要である。


 当然だが、これまでと同様に、感情を別に伝えることは忘れずに行なって、両方の方面から感じさせるのである。その表現も、達人の域に達すると、ほんの指先だけの動きで、感情を表現することも可能である。なお、所作については、塾生たち全員が、まだ、10代前半とはいえ、いいえ、だからこそ、今から、高い品を身につけてこそ、真の価値ある女優となれるのだと、この塾では主張している。


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