4.スキルがレベルアップするようです
しばらくの間、視界右上の動くアイコン、頭に響く声に振り回されながらも、何とか慣れてきた。
おい、コピ、変顔小学生の動くアイコンは需要無いぞ!!
「だって、善行が構ってくれないんだもん。」
心の声を読むなっ!・・・・しまった、体の中にコピがいるから、心の声を読まれてしまう・・・・
えーい、こうなったらやけくそだ。体の中から追い出すことを考えよう。
「体の中から追い出すこととか考えても、無駄、無駄(笑)」
鉄ヲタの知識で洗脳してやれば良いのではと思い立った。
113系と62系を思い浮かべて、何が違うのかひたすら考えてみた。
→コピは沈黙している。
103系と72系を思い浮かべて、何が違うのかひたすら考えてみた。
→コピは泣き出しそうな顔のアイコンになった。
「わかったわよ、善行の体から出れば良いんでしょ」
勝った!!と同時に、オイラの鉄ヲタ知識ってと思い、ブルーになった。
勝ったのに敗北感・・・。
目の前に赤いランドセルをしょったコピがにやけた笑顔でこっちを見てる。
なんか腹立つなぁ。
そうだ、都営地下鉄の線路幅についてウンチクを語ってやる・・・。
「4路線あるけど線路幅が3種類もあるんだぜ。
一番広いのは浅草線だと思いきや、なんと大江戸線も同じ標準軌なんだ。
新幹線と同じ幅なんだぜ。
だから、乗っけるだけなら大江戸線の車両が新幹線の線路に乗っかるんだぜ。」
→コピは固まった。
「もうその辺にしておきなさいな」
エマがいつの間にか復活している。
「えーと、コピ だったわよね。善君にスキルの説明をしてあげて」
「やだ」
テッテレー。どこかで聞いたレベルアップの音が聞こえた。
コピのランドセルから続けて音声が流れた。
「”すねる” のレベルが1上がりました」
「子供かっ」