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北方海の守護天使  作者: h.hiro
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幕間「恵理香と万理華の姉妹事情」

「そう言えば恵理香は万理華さんと姉妹喧嘩する事あるの?」

それは恵理香が優香とロベリヤ達と所用でギルドを訪れ用事を済ませた後カフェテリアでお茶を飲んで会話していた時だった。

優香から尋ねられた恵理香は戸惑った表情を浮かべながら優香に問い返す。

「どうしてそんな事を?」

「そうだねどうしてだい優香?」

ロベリヤも不思議そうな表情を浮かべながら優香を見る。

「うん普段は妹にべったりな万理華さんと恵理香が姉妹達喧嘩するとどうなるのか興味があって。」

姉である万理華の妹愛の激しさ(笑)は有名だから、そんな姉妹が喧嘩するとどうなるのか優香は気になったらしい。

そう聞かれても幼い頃は別にしても最近は喧嘩になっていないなと恵理香、こちらが怒っても暖簾に腕押しで終わってしまう事が多いのだ。

「いえ一度だけ大喧嘩になった事がありましたね。」

ふと思い出した記憶、まあ例の如く後付けのものだがそんな事があったなと恵理香は思い出していた。

「恵理香と万理華さんが?」

優香が驚いた表情で聞き返して来る、もちろんロベリヤも同様の様だった。

「ええあれは・・・私がギルドのハンター養成学校に行きたいと言った時ですね。」

その当時は両親が亡くなり万理華が商会長になったばかりの頃だった。

商会の経営を軌道に乗せる為万理華は飛び回っていた・・・両親を失った事を悲しむ間も無い位に。

そんな姉を見ていた恵理香は商会の所有する駆逐艦の艦長になり姉を助けたいと考えた。

前経営者だった両親が亡くなった所為で艦長を始め乗員の大半が辞めてしまったので乗員の補充を行おうとしていたのだが。

乗員はともかく問題は指揮する艦長だった、商会外から招くとなると資金的にきつい事になり万理華を悩ませていた。

だから恵理香はギルドのハンター養成学校に行き艦長としてのスキルを習得し艦の指揮を執る積もりだった・・・らしい。

まあその辺は自分の記憶ながら後付けの所為で何となくそうだったという感じの恵理香だったが。

だが万理華にその意思を伝えた所強硬に反対されたのだった。

「恵理香ちゃんは何もしなくて良いの。」

その言葉に強いショックを受け恵理香は姉をそれ以後拒絶し姉妹関係は最悪の状態になってしまったのだ。

ちなみに最悪の状態は恵理香が養成学校へ入学する前日まで続いたのだが。

前日の夜万理華が恵理香の部屋にやって来ると、涙をボロボロに零しながら自分の心情を話し始めたのだ。

「父や母を失っただけでなく恵理香ちゃんも失うと思ってあんなこと言ってしまったの・・・ごめんなさい。」

それまで恵理香の前では涙を流したり弱気な言葉を漏らしたりする事も無かった万理華がだ。

その姿に驚いたが自分の気持ちを話してくれた万理華に恵理香もまた泣きながら自分の心情を話し姉妹は和解できたのだった。

翌日万理華は心配な気持ちを隠しつつ「待っているから。」と言って送り出してくれた。

「そんな事が有ったんだ・・・」

話を聞いていた優香がそんな姉妹の姿に感激した表情で恵理香の両手を握って来る。

「・・・ただ卒業して帰ってきたら今の様になってしまったんですが。」

ため息を付いて恵理香が言うと優香とロベリヤが顔を見合わせて苦笑する。

2人ともその時の事が原因で万理華が今の様になったのだと気づいたからだ。

もちろん恵理香も気づいておりだから強く拒絶できないでいるのだ。

その後恵理香は気を取り直して優香とロベリヤと共にお茶を楽しむのだった。

なお恵理香はこの後優香とロベリヤとのデートを知った万理華の機嫌を取る羽目になったのは何時もの事であった。

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