2/39
『あらすじ』
無口で他人と距離を置いて生きてきた高校2年生、朝倉幸太郎。
彼は「関わらなければ傷つかない」と信じ、静かな日常の中に自分を閉じ込めていた。
そんな彼の前に現れたのは、クラスの人気者である少女、水瀬陽菜。
明るく誰にでも優しい彼女は、なぜか幸太郎にだけ自然に近づき、昼休みの屋上で一緒に過ごすようになる。
さらに、幸太郎の数少ない友人であり、由緒ある名家の14代目当主でもある西園寺颯太が、その関係を面白がりながら見守っていた。
何気ない会話。
屋上で食べる昼ごはん。
放課後の帰り道。
少しずつ、止まっていたはずの時間が動き出していく。
しかし陽菜には、誰にも言えない秘密があった。
彼女が“ある曜日だけ学校に来ない理由”。
そして、いつも笑っている裏に隠された、消えかけるような儚さ。
やがて幸太郎は知ることになる。
彼女と過ごせる時間が、思っているよりもずっと限られていることを。
「ずっと一緒にいる」という当たり前が、どれほど奇跡なのか。
「好き」という言葉が、どれほど遅すぎることがあるのか。
桜が散る季節の中で、
少年と少女は“終わりのある青春”を歩き始める。
そして最後に残るのは、涙と、たった一つの約束――
「君と見た空を、忘れない」




