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第十七話 真実への一歩

今回はちょっと短いですが、キリの良いところで切りました。

連続更新は今日で終了。これからは、週2回程度の更新に切り替えます。


「クララ。一つ相談なんだけど、この屋敷の中で、私を狙っている人間を調べたい。協力してくれる?」

「私はあくまで護衛だ。お前の身の回りを守るのが仕事だ」

「我が家の事情に、ヘルムート皇子と関係しているかもしれない、と言ったら?」


 ヘルムート皇子の名前が出ると、クララの顔色が変わった。


「……それはたしかな話か?」

「まだ分からない。でも、いくつか思い当たることがある」


 これはハッタリだ。

 ここ最近の出来事や回帰前の出来事を総合すると、ヘルムート皇子がアルトナー家に策謀を巡らせていたのは間違いない。

 まず、さっき私に盛られようとしていた薬。

 そして回帰前の諸情報。不審な火事。その後、急接近してきたヘルムート皇子。

 内戦中に不審な死を遂げた父や祖父。あの内戦は激戦だったが、こちら側に分があった。帝国最強の一角を占める父や祖父がやすやすと命を落とすとは考えにくい。何者かが裏で動いていると考える方が自然だ。


「話せ」

「まだ言えない」


 だが、私が知っていることを正直に話したところで、クララは信用しないだろう。


「……」


 クララは鋭い目つきでこちらを睨んでいる。私も負けじと睨み返した。

 微妙な沈黙が流れる。


「ふぅ……」


 先に沈黙を破ったのは、クララのほうだった。

 視線を外し、小さくため息をついたクララは、服のポケットから何かを取り出した。


「もしお前の口からヘルムート皇子の名が出たら、これを渡せと言われている」


 クララは少し嫌そうな顔をしながら、取り出したものを私の掌に押し込んだ。


「これは……イヤリング?」


 指を開くと、そこにあったのは銀のイヤリング。表面には、私の知らない文字が刻まれていた。

 魔力は……感じない。


「寝る前にそれを身につけておけ。あと、カーテンを開けて部屋に月の光が入るようにしておくように」


 クララがはっきりした声で言った。


「そうすれば、お前は真実に一歩近づける」

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