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扉開けたら即異世界 -ぶらり異世界冒険記-  作者: 神風 翼
第04章:魔術学園編
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0062:りりかるまじかる


丸一日かけて魔法に関する授業を行った夜。

授業も終え、そのまま全員で自宅に戻ってきた。


もはや慣れたように一緒に居る魔術都市組みも、戸惑いも無くいつも通りである。

相変わらず適応が早くて助かるよ。



…で、時間は夕方。

夕飯にはまだ早いのもあって、全員思い思いに自由行動中。

とは言っても外出はまだ禁止だけどな。


因みに、俺はリビングで子供組みと共にレンタルしてきたDVDを視聴中。


内容は日朝の女子向けアニメのアレ。

現行の最新作はまだ出て無いのもあるので一世代前のヤツ。

初代は白黒だけだったのに…随分カラフルになったもんです。


一応、タクト用に日朝の仮面ヒーローDVDも借りた。

ただし一世代前のヤツではない。


一世代前のヤツを借りようとして、ゲームモチーフだと思い出し考え直したのだ。

見たかったんだけども泣く泣く変更するに至った。

社畜故見れてなかったのねん…ネットで断片的にしか知らないのねん……


宝生永夢ゥ!



…ま、タクトもイーリスと一緒に見てるので、いいにしましょうか。

日朝アニメも随分変わったもんだ。


「いいなぁー…魔法使いたかったなぁー……」

「未練タラタラか」


そう、不意に隣にドカッと座るあやめ。


…あの後、粘りに粘って使えるか調べた物の、結果は変わらず適性無し。

悲しみにくれる彼女であったとさ。


表面上は気にしてなかったのに……

…しかもそれを見て、だいじょうぶ?なんてイーリスが慰めてるし。


「もうやさしいッ!私の味方はイーリスだけね!」

「なお魔法適性は彼女の方が上の模様」

「ぶちコロがすぞ」


すまんて。


でも、あやめの視線は画面内の魔法を使う女の子をうらやましそうに見ている。

アニメに嫉妬すんじゃねーよ。


「…やっぱ魔法使いたかったんじゃねーか」

「そりゃ使いたいよぉ…昔から魔法少女に憧れてたんだからさぁ……」

「諦めろ、試合終了だ」


その一言になおもブーたれるあやめ。

まったくもって未練がましい。


「魔法少女って…つまり魔法を使って華やかに活躍したかったと」

「そうそう」

「つまり 魔法少女アヤメ☆マギカ ですね!」

「やめんか」


流石にこの少女は嫌ですか、嫌に決まってんだろアホか。

そうやんわり否定された。


「えー、でも似合いそうじゃん」

「似合うって…フリフリの少女服?」

「いんにゃ、ワルプルギス辺りに」

「おいコラ」


私は魔女か、なんて追い詰められる。

ほらその笑った感じ、怒りながら出す笑みとかあの笑い顔ソックリよ。


顔面にぶちかまされた。

この破壊力、正にワルプルギスね!


「…とにかく!私は魔法が使いたかったの!」

「そんなファンシーでマジカルな物でもねーのに」


実際、魅惑的マジカルよか論理的ロジカル寄りなんだよね。


何せ俺の炎の出し方って、圧縮加熱での自然発火と、燃焼材としての酸素と水素だよ?

圧縮することで発熱、過熱した熱で収束させた酸素と水素に引火させて炎にする感じよ?

完全に科学の実験だコレ。


何処がマジカルなのか、小一時間問い詰めたい。


因みに、あっちの世界の一般的な魔術って理外系なんだよね。

何せ杖と詠唱で理外の事を起こしてるんですもの。

…まぁそれでも魔術理論あるし、大分ロジカル寄りですけども。


そのまま諦めきれず、座る俺の膝を枕にだらりと寝転んだ。


「魔法~……」

「格好だけでも魔法使いっぽくはできそうだけどな」

「どんな格好よ」

「現行のカラフルなのがいいか?それとも初代の白黒がいいか?もしくはもっと前の服がいいか!」

「コスプレしたいとは言ってねぇッ!」


怒られた。


…24歳で元キャリアウーマン。

足腰は最近の長距離歩行で引き締まりつつある…魔法少女…少女?


「私、澤野 あやめ! 魔法少女をやってる元キャリアウーマン! 24歳!」

「待って、ちょっと待って」

「魔法は苦手だけど、論理然とした戦略と、鍛えた大人の腕力で敵を倒します!

フィジカル!ロジカル!」

「がんばれねぇよ」


ダメですか。


「前半は置いておくとして、後半なんだよ」

魔法マジカルがダメなら肉体フィジカルで行けるかなって…」

「無理あるだろ」

「戦闘員を殴っては倒し、極めては落し……」

「そんな魔法少女いてたまるか」

「打撃系など花拳繍腿かけんしゅうたい関節技サブミッションこそ王者の技よ!!」

「居たわ」


実例が既に居て困惑する。

考えてみれば彼女も一応魔法少女だったよね、魔法(物理)だったけど。

魔法少女って言うか覇者だったけど。


「行け、魔法少女あやめ!得意の魔法を食らわせてやれ!」

「だからその魔法が使えないと何度言えば…」

「今だ!マッスルドライバーだ!」

「魔法要素何処行った」


フィジカルが抜け切れなかった。


…まぁ魔法が使えないのは、もうそういう適性前提なんで。

諦めてもらうしかないですね。


「やっぱ諦めるしかないのかぁ……」

「魔法の杖買う?」

「それおもちゃ屋に並ぶ奴だよねきっと」


うん、電池でキラキラ光るヤツだよ。


そう言ったらソファの上で組み付かれた。

しかもさらっと縦四方固め。


さらっと出来る辺りダメだ。

やっぱりお前フィジカルじゃん。


「誰がフィジカルかぁッ!」

「いてててててそういう所だって言ってんのぉぉぉぉ!」

「こうか!こうがエエんか!」

「卍固めまでぇェェェ……!」

「うるさくて聞こえなーい!」


アニメを見る子供の後ろで、絞められる俺でした。



きゅう。


「縦四方、卍と来たから、晩御飯ラーメン…!」

「麺硬めぇぇ…!」

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