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扉開けたら即異世界 -ぶらり異世界冒険記-  作者: 神風 翼
閑話:パーティー結成!
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0056:猫のいる日常


日が昇り始めた午前中。

縁側で甚平を羽織り、茶を啜るテクス。

最近では日常となりつつある、そんな風景。


もうね、なんなんだろうね。

似合いすぎじゃないかね。


洗濯物片手に、物干し竿に歩いていく最中、視界の端に普通に入るその光景。

普通の隠居爺にしか見えんわ。


しかも膝上に野良猫寝てるし。


…いや、ここが猫の通り道になってたことは知ってたさ。

木の塀の一部割れてるの知ってるし、直すのも億劫だからさ……

野良から家猫まで、さんざ通り道に使ってるし、見かけるし、直すのもね?


まぁ、縄張りとしてこの庭をトイレに使わないし。

今も洗濯干してる俺の横を、気にせず通過するのもいいのよ。


むしろテクスの膝の上に寝るまで懐くってどういう事なのさ。

普通そこまで懐かれるとは思わねーよ。


「んぷー…」

「ふにゃっ…ぬー……」


そしてその横で猫人間二名がさも当然のように他の猫と一緒に寝てるし。


…うん。

双子に関してはもうボク諦めました。


アレから俺も何度か行き来してるけども、気が付いたら扉からスルリと入ってきてるんだよ。

気が付くと食事時に混じってるし、イーリスやタクトと一緒に風呂入ってたり……

挙句今も縁側で日向ぼっこしてるしさ。


お前らただの猫か。


もう今ではアルバート氏にも「もういつもの光景なんで」なんて言って報告すらしてない。

好きなだけのんびりしてくれ……


そう思いつつ、とりあえず洗濯を干すべと洗濯籠から洗濯物をかけていく。

男物も女物も、もう慣れましたわ。


一つ一つ吊るしながら、縁側の光景を視界に入れる。


どうにもほんわか空間すぎて、何とも言えん空気を感じる。

俺がいつものペースで入れる空気じゃねーなアレ。


と、そんな中に近寄る人影。


フスマをゆっくり開けてあやめが入ってきた。

手には何処で手に入れたのか、ペット用品店に売ってるタイプの猫じゃらし。

その顔にはニヤリ、と笑みを浮かべている。


…ま、いつも撫でようと突撃する度に、派手に拒絶されてるからなぁ……

かわいい物好きは判るけども、派手に愛で過ぎなんだよ。


イーリス然り、大福然り。

…ま、イーリスは嫌がってないからいいけど。

なお大福は普通に逃げる模様。


そんな最終兵器を左右に振りながら、ゆっくりと猫だんごに近寄るあやめ。

猫達もハッと反応するも、その手にした玩具に目が釘付け。


右に振れば皆右を、左に振れば皆左を。

なにあれ面白い。


「ほれぇい!」


ビッと勢いよく振ると共に、猫も一斉に飛び立った。


…そして同様に舞う大量の抜け毛。

あぁ一応そこテクスの私室なんだけどもー…



…まぁ一応猫と仲良くなって大満足サティスファクション状態なのはいいですよ。

問題はその……


「じー……」

「じぃー……」


ほーらおっきい双子猫も反応しちゃってる。

やっぱり亜人だろうと、猫的な本能ってのは残ってるもんなんだな。


「遊ぶ?」

「「遊ぶ!」」


子供か。

…まぁ見た目小さいし、精々中学生位っぽいけども。


それでも一応アルバート氏曰く、普通に成人してんだから亜人も判らんもんだ。

冒険者志望で十分な実力あるのに…猫なんだもんなぁ……


一応兄のトールは盗賊シーフ職で、妹のエールは闘士ボクサー職なんだよ?

暗殺者と格闘家だよ?

闇夜に隠れて敵を殺す兄と、敵相手に怯まず殴り殺す妹だよ?


それが今や……


「ほれぇい!」

「ニャッ!」

「こっちじゃぁ!」

「にゃぁーっ!」


あやめが振り回すペット用品(619円税込)に目を輝かせてる始末。


どう見てもただの猫です、本当によろしくおねがいします。


…まぁ楽しそうなのはいいけども。



そんな光景を他所に、洗濯を干し終える。

後は夕方に取り込めばよし。


とりあえずテクスの近くに座っておく。


「騒がしくてゴメンね」

「いえ何の」


もうこの騒ぎに慣れちゃってるよこの人。

慣れって怖いね。


とりあえず腰掛けながらあやめの方に視線を動かす。

派手に飛び交う猫じゃらし(619円税込み)と、派手に動く彼女。

そしてそれを追いかける……


「飽きた」

「疲れた」


スナネコかテメェら。


「あぁもういい年した連中が…冒険者として働かずにグダグダと……」

「えー…」

「いいじゃんかー」


マイペースすぎねーか流石に。


「猫的でアリだね!」

「聞いてない」


とりあえずあやめ黙ってて。


一応こっちに来ても文句はもう言わんけども。

でもさ、流石にこっちでダラダラしすぎるのもどうなのさ。


「じゃあ一緒にパーティー組もうよぅ」

「いいじゃんかよぉぅ」

「えぇい急にじゃれつくな!猫か!」

「猫だよ」

猫亜人キャットピープルだよ」

「そ・う・じゃ・なくて!」


マイペース過ぎて話が進まない。


「私に!じゃれつくなら私にじゃれついて!」


お願いだからあやめは黙ってて。


「パーティー組むにしても、同じギルドに登録して……

第一、冒険者として独り立ちしていいってアルバート氏に許可を貰え!」

「えー…」

「冒険者になっていいって許可貰えばいいの?」

「そうだよ!もーこの猫共は……」



結局、散々騒ぐだけ騒ぐ午前中であった。


「『冒険者になる許可』だって言ってたよね?」

「だね」

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